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俊龍×hisakuniが語る、悠木碧と竹達彩奈だからこそ生まれるpetit miladyの縦横無尽な音楽性

リアルサウンド

18/12/29(土) 16:00

 それぞれが数々のアニメ作品に出演する人気声優であり、ソロアーティストとしても活動する悠木碧と竹達彩奈による音楽ユニット、petit milady。2018年に活動5周年を迎えた彼女たちが、通算5作目の最新アルバム『Howling!!』を完成させた。

 この作品では“バンド”をテーマに据え、様々な作家陣による最新曲の数々を、彼女たちのライブでバックバンドを務めるリアジュボーンの生演奏で収録。ギターサウンドを基調にしながらも、曲ごとにカラフルな要素が顔を出す、petit milady流ロックアルバムと言える作品になっている。

 リアルサウンドではpetit miladyの音楽的な魅力に迫るため、1曲目「Howling」の作詞作曲を担当した俊龍氏と、4曲目「A or A!? (feat. リアジュボーン)」の原曲のアレンジと、12曲目「360°星のオーケストラ (feat. リアジュボーン)」の原曲の作詞作曲を担当したhisakuni氏に、petit miladyの楽曲の制作過程や、シンガーとしての2人の魅力を聞いた。(杉山 仁)

「色んな挑戦を“可愛く”“面白く”呑み込んでいく」(hisakuni)

マグナ・イデア / fortuna [嵐城サツキ(CV.竹達彩奈)/漆原静乃(CV.悠木碧)/四門摩耶(CV.小倉唯)/百地春鹿(CV.内田真礼)]

――まずは、俊龍さんとhisakuniさんがpetit miladyのおふたりと関わるようになったきっかけを教えていただけますか?

俊龍:僕の場合は、竹達さんがメインヒロインのうちのひとり(住之江あこ)を演じられた『Kiss×sis』だったと思います。その作品のキャラソン(「夏の匂いがしていた」)を作らせていただいて。同時期にWebアニメ『ゆとりちゃん』で悠木さんが歌うキャラソン(「ゆとりのゆとり」)も担当させていただいて。悠木さんとは、直接会って作業することはなかったのですが。

――2010年頃、随分前のお話ですよね。竹達さんも悠木さんもまだまだ駆け出しと言える時期だったかもしれません。

俊龍:それからちょっと期間が空いて、今度は『聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>』(2015年)という作品でメインヒロイン4人が歌うエンディングテーマ(「マグナ・イデア」/fortuna [嵐城サツキ(CV.竹達彩奈)/漆原静乃(CV.悠木碧)/四門摩耶(CV.小倉唯)/百地春鹿(CV.内田真礼)] )の作曲を担当させていただいて、その中に悠木さんと竹達さんがいらっしゃって。その後、petit miladyの2ndアルバム『cheri*cheri? milady!!』の楽曲(「Rainbow Jump!!」)を担当させていただいた際に、「あのときの!」と言っていただいて、嬉しかったのを覚えています。

hisakuni:僕の場合はpetit miladyの3rdアルバム『CALENDAR GIRL』の収録曲「チョコレイト・ブギウギ」が最初でした。そのときに初めて会ったんですが、僕の場合はすでにおふたりとも人気声優になられていたので「あの悠木さんと竹達さんやん!」という感じで。実際に会ってみるとおふたりとも気さくに喋ってくださって、とても嬉しかったですね。覚えているんですけど、そのとき竹達さんが「ブギウギってなに?」ってすごく言っていたんですよ(笑)。

俊龍:〈ブギウギってなんなのさ〉(「チョコレイト・ブギウギ」の歌詞)ですね(笑)。

――おふたりは、petit miladyというグループにどんな魅力を感じていますか?

俊龍:とにかく、ファンのみなさんに“エンターテインメント”を提供してくれる方々ですよね。悠木さんと竹達さんはどちらも人気のある方々ですが、お高くとまっていなくて、むしろ「エンターテインメントのためなら何でもやっちゃうよ!」という雰囲気があって。

――遊び心を感じますよね。『Animelo Summer Live 2018 “OK!”』でも、petit miladyのステージでは某人気アニメ作品への驚きのオマージュで会場を盛り上げたり、おふたりともそれぞれソロとしてライブに出演/客演したりと大活躍でした。

俊龍:いい意味で手段を選ばない魅力がありますよね(笑)。

hisakuni:petit miladyに歌ってもらうと、それがたとえマイナーコードの曲でも、ポップな雰囲気になるように感じます。曲中のガヤもすごく面白いですよね(笑)。しかも、おふたりはそのガヤをほぼ一発で決めてしまうんです。あと、これは特に最近感じることなんですが、新しいことにもどんどん挑戦されていて。そのうえで、オーケストラコンサート(2018年10月の『petit milady オーケストラコンサート~Happy Halloween!観に来てくれたらイタズラするぞ~』)もそうですし、今回のロックアルバム『Howling!!』もそうですし、そんな挑戦を“可愛く”面白く”呑み込んでいて、本当にすごいですね。

俊龍「独特な悪ノリもプチミレの可愛さに繋がる」

petit milady – Howling (Music Video) (5thアルバム『Howling!!』リードトラック) #petitmilady

――petit miladyの“遊び心”という意味で、印象的だった曲やライブはありますか?

俊龍:僕だと、直近で担当させていただいた「Howling」のガヤは印象的でした。最初に曲のデモを送ったときは、「あざとすぎる」と言われてしまうかな、とも思ったんですが、「これで進めます」とOKをいただいて。

――中盤に出てくる、竹達さんが男性ファンに向けて、悠木さんが女性ファンに向けて披露する台詞パートですね。最初に聴かせていただいたとき、いい意味で笑ってしまいました。

俊龍:(笑)。今回はロックアルバムとはいえ、petit miladyが歌うからには、同時に可愛さやポップさも表現するであろうと思ったんです。そう予想したときに、今回アルバムを手にした方々が、最初にプッと笑ってしまうような、「やりやがったな!(笑)」と思っていただけるようなものでありつつ、「男女ともに騒ごうよ」という雰囲気を表現しようと思っていました。ファンの方からしても、スピード感があるので「ちくしょう、難しいぜ……。でも、やるか!!」と燃えていただけるかなと思ったんですよ(笑)。petit miladyのライブを実際に観させていただく中で、女の子のファンの方々も増えていると思ったので、それなら男女両方で楽しめるコール&レスポンスを用意しようと思ったんです。

hisakuni:ガヤのセリフ自体も、俊龍さんが用意されたんですか?

俊龍:はい、「キャー」や「フー!」も僕が考えました。竹達さんが先の収録で、ド直球で内角高めのボールを投げてくださっていたので、悠木さんのパートも「イケボで」と指定させていただいて(笑)。ちなみに、工藤さん(petit miladyファンにはお馴染みのZERO-Aプロデューサー)にも「キャー!」というガヤを入れていただいて。収録後、もう1回お願いします」と言われたので、やってみたら「イヤー!」に変わってました(笑)。「すごいスパイスが入ったぞ」という感じでしたね。

hisakuni:僕がレコーディングするときは、最初に竹達さんがレコーディングをして、そのあとに悠木さんがそこに声を重ねていくことが多いので、竹達さんが最初に楽曲に命を吹き込んでくれて、後日悠木さんがさらに曲の奥行きを与えてくれる感覚なんです。その場合、悠木さんはレコーディング前に竹達さんが収録した歌声を聴くんですが、そこで「ああ……。彩奈、愛おしいわぁ……」としみじみおっしゃっていて。

俊龍:お客さんになっちゃっていますね(笑)。

hisakuni:「らぶれたーふろむかぐや」(4thアルバム『petit miretta』収録)での竹達さんの「いぇいいぇい!」というガヤを聴いて、そう言っていました(笑)。あと、僕が編曲を担当した「A or A!?」は、Bメロですごく早口な部分がありますが、それを悠木さんと竹達さんが歌うと、活舌がはっきり聞こえたのも印象的でした。「流石がプロはちがうなぁ」と。

俊龍:ガヤで言うと、僕が担当した楽曲ではないですが、「スキ キライ キライ 大スキ♡」の「減らず口そんな口ありませ~ん」もすごく好きです。その独特な悪ノリも、おふたりの可愛さに繋がっていますよね。それをやっても、「またはしゃいでいるぜ」という雰囲気になると言いますか。

――ちょっと悪ノリするような感覚は、確かにpetit miladyの大きな魅力ですね。しかも、そういう魅力があるからこそ、切ないバラードの魅力も余計に増すような気がします。

俊龍:僕もそう思います。hisakuniさんが手掛けられた「360°星のオーケストラ」も、「おっ、こういう歌い方が来たか!」と感じました。曲自体も壮大でドラマチックで。

hisakuni:僕がそれまで担当していた「らぶれたーふろむかぐや」や「チョコレイト・ブギウギ」は元気なタイプの曲でしたが、「360°星のオーケストラ」では、竹達さんがシリアスに歌ってくれて、悠木さんがそこに声を重ねてくださって。そうすることで、独特の世界観を表現してもらえたように思います。

「“何か新しいことをしてくれそう”と感じる歌声」(俊龍)

petit milady – 『A or A!?』 (TVアニメ「ありすorありす」OPテーマ) (YouTube Edit) #petitmilady #ありすorありす

――シンガーとしての悠木さん、竹達さんの魅力といいますと?

俊龍:表現の幅が広い方たちなので、色々ある引き出しの中からどれを選ぶかはご自身で考えてらっしゃると思いますが、レコーディング現場に足を踏み入れたときには、もうすでにふたりの中で「私はこれで行く」という覚悟があるように感じます。「機材の調整をしますから、途中で詰まってもいいので、一度歌ってみてください」と伝えてはじまったテイクが、「あれ、フレッシュでよくない?」ということになるんです。むしろ、ほぼほぼそういう形ですね。

hisakuni:petit miladyのレコーディングでは、先に「こういう想いで曲を作りました」と説明して録音するよりも、「好きなように歌ってください」とおふたりに任せたときの方がいい結果になる。それで、ある時期からは「好きなように歌ってください」がスタンダードになっています。レコーディングに来た時点で、歌のイメージを作り込んで来てくれているんですよね。しかも、その感覚を信じた方が、実際にいいものになることが多いんです。

――おふたりに解釈して歌ってもらった方が、魅力的になることが多いんですね。

俊龍:そうなんです。もちろん、歌詞の内容や「この曲にはこういうストーリーがありますよ」ということを無視しているわけではないんですが、たとえばガヤひとつ取っても、細かいガヤの歌い分けを考えたりしているんだと思います。仮に恋愛の歌だったら「この声とこの声はこんな風にして、この声は応援しよう」とか、そういうことをされているのかな、と。

――なるほど、ガヤ一本とっても、色々な形で演じ分けているということですか?

俊龍:ご本人でないと分からないことではありますが、テイクを聴いていると、おそらくそうなんじゃないかと感じますね。

hisakuni:日頃から色々なキャラクターを演じているからこそできることですよね。たとえば「A or A!?」のときも、「もうちょっと元気よく歌ってみたらどうでしょう?」と伝えたら、「でも、このキャラクターはこういう感じなので、こう歌った方がいいと思うんです」と悠木さんが言ってくれて。その結果すごくいい感じになりました。そういう意味でも、声優さんとしての経験が、petit miladyの活動にフィードバックされているような気がします。

俊龍:僕らが作ってきた曲をpetit miladyに歌ってもらったときに、そこで新たな方向性が見えてくるのが面白いです。そういえば、『petit miretta』の収録曲「Eat or Love??」は、『赤ずきんちゃん』的なストーリーの男の子と女の子の楽曲ですが、悠木さんがレコーディングのときに「この男の子は手に毛が生えてて、毛むくじゃらで……」とかなり細かく設定を決めていたみたいなんですよ。

hisakuni:ああ、分かります! 悠木さんってそういうところがありますよね。自分の中で曲の中に出てくるキャラクター像をかなり作り込んでいるようで。

俊龍:「そのイメージでそんなに可愛く歌ったんですか?」という話でもあるんですが(笑)。

hisakuni:僕もその設定を聞いて、結局よく分からないときもあります(笑)。でも、彼女の中では完璧に出来上がっているんですよね。だからこその表現力なんだと思います。

 「竹達さんは“天真爛漫”、悠木さんは“クレイジー”」(hisakuni)

petit milady – らぶれたーふろむかぐや (from『petit miretta』) 試聴動画 #petitmiretta #petitmilady #プチミレ

――おふたりのシンガーとしての魅力、声自体の魅力についてはいかがですか?

俊龍:曲がはじまった瞬間に「これがpetit miladyだ」と感じさせてくれるような、そんな魅力のある声だと思います。抜けとか、倍音があるとか、そういうことも関係しているのかもしれませんが、もっと感覚的に「何か新しいことをしてくれそう」と感じる歌声と言いますか。

hisakuni:僕がすごく印象的だったのは、「らぶれたーふろむかぐや」のときに、悠木さんがあえてバカっぽく歌ってくれていたんですよ。そのときに、その「バカっぽさ」をどれぐらいにするかを調整してくれていて。「らぶれたーふろむかぐや」には、「ラブレターを未読スルーして何百年も経っている」とか、そういう設定の歌詞が出てくるので、曲に対するキャラ付けとして、どんな風に歌えば一番面白く聞こえるかを考えてくれていたんでしょうね。そして一番感じるのは、ふたりの歌が楽曲をまとめてくれるんですよ。僕らがアレンジで好き勝手やらせてもらっても、「ふたりの声がpetit miladyにしてしまう」という感覚がすごくある気がします。

――だからこそ、作家陣の方々も色々な挑戦ができるのですね。

俊龍:そうですね。こちらもおふたりに向かって、そしてファンの方々に向かって色んなことを仕掛けられるような楽しさがあると思います。

hisakuni:petit miladyの楽曲は、MVもすごく面白いですよね(笑)。

俊龍:今回僕が、作詞作曲させていただいた「Howling」も、最初にYouTubeで観たときはびっくりしました(笑)。「あれ、違うページに来ちゃったかな……?」と。

――俊龍さんがMVのページに飛ぶと、そこには何故かハチがいた……。

俊龍:びっくりしましたが、とても面白いですよね。周りのバックバンドの方々が真面目に演奏している中に、(petit miladyが扮する)可愛いハチが2匹いるという(笑)。また、MVの途中に挿入されるコメントも面白いですよね。「Howling」のMVでは、悠木さんがロックバンド風のキャラでコメントを切り出して、それを受けた竹達さんが「えっ、そういう感じにするの?」って顔しながら合わせていて。竹達さんが、「petit miladyの竹達彩奈です」と言えていなかったのも、とても楽しく観させていただきました(笑)。

hisakuni:僕が作詞作曲を担当させていただいた「360°星のオーケストラ」のMVは、映画『E.T.』のオマージュになっていて、でも、同時にしっかりハズしているんですよね(笑)。あのMVもとても面白かったです。

petit milady – 360°星のオーケストラ (TVアニメ『七星のスバル』OPテーマ) (Music Video) #7スバル #petitmilady #プチミレ

――そもそも、俊龍さんとhisakuniさんは、petit miladyの楽曲を作る際にどんなことを意識しているのでしょう?

俊龍:自分の場合はポップな曲を歌っていただいているので、ライブやイベントでみなさんが騒げるような感じにしよう、と意識していますね。つまり、笑顔を増やすことができるものにしよう、ということです。歌詞を書かせていただくときは、「この歌詞をどっちが歌うことになるだろう?」と想像しながら作業するのも楽しいです。ファンのみなさんも、「ここは竹達さんだ」「ここは悠木さんだ」と楽しんで曲を聴いていただいていると思いますし。

――竹達さんと悠木さんの歌い分けについては、どう考えているのですか?

俊龍:最終的な判断は工藤さん(ZERO-Aプロデューサー)が担当されますが、竹達さんの場合は天真爛漫な部分を想定していて、悠木さんの場合はクレバーであるがゆえのクレイジーさのようなものを想像しています。

hisakuni:そのお話、僕もすごく納得しました。竹達さんは瞬発力がすごいイメージで、悠木さんは緻密に構築するタイプで、ふたりが色々な表情を出してくれるんです。僕が曲を作らせていただく場合には、たとえば「らぶれたーふろむかぐや」だと、「オイ! オイ!」というガヤの部分もライブ感を意識してアレンジを進めました。「360°星のオーケストラ」では初めて歌詞も書かせていただきましたが、アニメのタイアップ曲として、だけではなく、petit miladyの曲でもあるということで、ふたりの関係をどう描くかは悩みました。それぞれの役割をアニメ『七星のスバル』のキャラクターにどう当てはめるのか、もしくはふたりでひとりの人物を表現するのか、すごく悩んで。それで最終的には、友達関係でちょっと切ない様子が想像できるものにしていきました。

「『Howling!!』は色んな表情が詰まった作品」(hisakuni)

【全曲試聴動画】petit milady – 5th Album『Howling!!』 #petitmilady #petitmiradio

――petit miladyの楽曲だからこそ工夫を加えてしまった曲はありますか?

俊龍:僕の場合、総じてスピードが速い曲になっていると思います。生き急いでいるわけではないんですが、前のめって気持ちが走ってしまうというか。急発進、急ブレーキ、急ハンドルという雰囲気の曲が多い気がします。

hisakuni:俊龍さんが今回手掛けられた「Howling」は、聴かせていただいて本当にびっくりしました。「いきなり(ギアが)5速に入ってる!」という雰囲気で。

俊龍:はい、アクセルべた踏みです(笑)。キーもとても高いものになっているんですが、いい意味で勢いに任せて歌っていただきました。「ちょっとしたうっぷんが溜まっていて、でもすべてに失望しているわけではない――」という雰囲気の歌詞なので、急発進/急ブレーキな雰囲気のサウンドで行こうかな、と。こういう気持ちって、男の子でも女の子でも感じる時期があると思うんですよ。そういうヒリヒリした歌詞にしてほしいというオーダーでした。ただ、軽率な感じにしたくはなかったので、ポップさと、おふたりのビジュアルから連想するイメージは大事にしたいと思って制作していきました。

――俊龍さんが作詞作曲を担当された「Howling」と、hisakuniさんが原曲の作詞作曲を担当された「360°星のオーケストラ (feat. リアジュボーン)」、アレンジを担当された「A or A!? (feat. リアジュボーン)」が収録された今回の最新アルバム『Howling!!』は、“バンド”をテーマにしたアルバムですが、全編を聴いてみて、いかがでしたか?

hisakuni:『petit milady オーケストラコンサート~Happy Halloween!観に来てくれたらイタズラするぞ~』に伺った頃にその情報を知ったので、「毎回新しいことをしていくんだな」と感じました。今回の『Howling!!』で新たに制作された曲は特に、リアジュボーンさんの演奏によるクオンタイズされていない生のバンドサウンドならではのグルーヴと、歌の魅力が上手くフィットしているように感じました。

 2曲目の「She CAN DROPS☆」も、ゴリゴリのギターサウンドに可愛い歌詞が乗っていて、すごく面白かったです。原曲で僕がかかわらせていただいた2曲については、アレンジはリアジュボーンさんにお任せだったので、「こういう表現もあるのか」と仕上がりもすごく面白く聴かせていただきました。原曲をコピーしてくれているところもありますし、今回ならではのアレンジになっているところもありますし。発見がたくさんありましたね。「A or A!?」でも、原曲で僕がシンセでアレンジしていたところをギターで弾いてくださったりしていて、「ごめんなさい」と思ったりもしました(笑)。シングルバージョンとアルバムバージョンの違いによって歌詞の聴こえ方も変わってくるかもしれないですし。バンドコンテストがあっても面白いですよね。(工藤さん曰く、アルバムにバンドスコアをつけるという案もあったという)

――俊龍さんはアルバム全編を聴いてみて、いかがでしたか?

俊龍:今回のアルバムはバンドならではの武骨さも感じられますが、すべての曲が集まってみると、おふたりの声によって「やっぱりpetit miladyのアルバムだな」と感じました。

hisakuni:最近のアルバムには“バンドサウンド”、“エレクトロ”、“アコースティック”など様々な切り口の楽曲が収められていることも多いと思うんですが、今回の『Howling!!』は“バンド”というキーワードに制限しているのに、バラエティが豊かですよね。バンドアレンジで統一されつつも、色んな表情が詰まった作品になっているように感じました。

俊龍:おそらく、最初からこういう作品を作ることはできないタイプの作品ですよね。悠木さんと竹達さんのこれまでの積み重ねがあって、petit miladyでの活動やソロ活動で色々な歌を歌われてきて。それが5周年のこのタイミングで満を持してこのアルバムになったのかな、と感じました。ただ単に「生音いいよね/バンドいいよね」ということで作られたアルバムではなくて、過去の積み重ねの中で、しかるべきタイミングで完成した作品なのかな、と思います。

「プチミレは、良いスリルが感じられる、楽しい場所」(俊龍)

petit milady – 4th LIVE 『ラ・プチミレッタ~小さな淑女の童話歌劇』Blu-ray ダイジェスト映像 #petitmilady #petitmiretta

――俊龍さんは、2010年頃から竹達さんと悠木さんの楽曲を担当されています。当時と今とで、petit miladyのおふたりに変化を感じる部分はあるでしょうか?

俊龍:おふたりとも、今でもフレッシュな存在だと思うんですが、その魅力に磨きがかかったというか、よりいいエンジンが搭載されたようなイメージがあります。ライブやイベントでも、MCも含めてあんなに思い切った演出ができるのは、すごいことだと思うので。これは聞いていただかないと、実際のところは僕には分からないですが、今は「petit miladyだからこそこんなこともできるんじゃない?」というアイディアが出てきたり、そういう関係性になってきているのかな、ということを色々な活動を見させていただいていて感じるところです。

hisakuni:初期の「ドキ♡ドキド」などを聴いていると「ものすごく丁寧に歌われているな」という印象を受けるんです。それが今は、ユーモアもふんだんに交えたエンターテイナーになられていて。「ここまでやれる」という遊び心のバランスをとても上手に取って活動されているような気がします。最近はかっこいいアーティスト路線の曲もありながら、同時にユーモアも決して忘れることなく、新たな“面白いこと”に次々にチャレンジしていかれる姿がすごくいいなと思います。

――petit milady特有のユーモアや遊び心のようなものは、ずっと変わっていない、と。

俊龍:もしかしたら、最初の頃は、作家陣が用意した楽曲をきっちりと表現することを一番に考えていたのかもしれないですね。でも、今はそこからさらに「こんな風にしたら面白くなるだろう」とか、「MVを観て、みんなが笑ってくれたらいいな」とか、そういうエンターテインメントに磨きがかかっている、視野が広がっているのかな、と。

hisakuni:ライブの演出も本当に面白くて。僕も初めて観させていただいたとき、今まで行っていなかったことを後悔しました。それぐらいエンターテインメントとしての魅力に溢れたライブだったので。

petit milady (プチミレディ) – キラリキラリ [Music Video] #プチミレ

――petit miladyさんの楽曲制作は、みなさんにとってどんな場所になっていますか?

俊龍:自分が提供した楽曲が、「ライブやイベントでどんな風に披露されるのかが分からない」というのが、とても魅力的でドキドキする部分だと思っているんです。僕が作曲させていただいた「キラリキラリ」は、ライブ会場でMVが撮影されましたが、実は僕もあの中にいたりもしましたし。

――俊龍さんもあの中にいらっしゃったんですか?!

俊龍:はい。あのときいただいたうちわは、夏が来るたびに、まだ使わせていただいています(笑)。そうやって自分の作った楽曲をpetit miladyのおふたりが遊んでいただくことで、思いもしなかった場所に楽曲を連れて行ってくれることに、「どういう披露の仕方をしてくださるんだろう?」とドキドキワクワクします。ファンのみなさんの楽曲への反応も、とても嬉しく感じています。

――ファンの方々に届くゴールの部分までに予想がつかないものにもなりえるグループだからこそ、とても楽しい作業になるのですね。

俊龍:そうなんです。最終的に素晴らしい大暴投になったとしても、それはそれですごく面白いんですよね。それすらエンターテインメントにしてくれるような魅力があるように感じます。そういう意味でも、良いスリルが感じられる、楽しい場所ですね。

hisakuni:そういう方々だからこそ、僕らもアレンジについていつも新しいことに挑戦することができるんです。僕の場合も、「らぶれたーふろむかぐや」で琴や二胡を使ったり、「チョコレイト・ブギウギ」でフレンチポップを取り入れたりと、色々なことをやらせていただいていて。クリエイターにも、そうやって色んなことにチャレンジさせてくれる、チャレンジしたいと思わせてくれる方々なんじゃないかと思います。

(取材・文=杉山 仁)

■プロフィール
俊龍(作曲家)
2007年に作曲家デビュー。これまでにAKB48、SKE48、水樹奈々、茅原実里、内田彩、三森すずこ、ゆいかおり、Pyxis等に楽曲を提供。petit miladyの作品では、「Rainbow Jump!!」(作詞・作曲・編曲)、「キラリキラリ」(作曲)、「ハコネハコイリムスメ」(作曲)、「Unknown Love Bakery」(作詞・作曲)、「Ear or Love??」(作詞・作曲)などを担当。

hisakuni(作曲家)
2012年に作曲家活動をスタート。これまでに内田彩、悠木碧、村川梨衣、i☆Ris、東京クリエイターズ・ファイル、ふなっしー、アルスマグナなどに楽曲を提供。petit milady作品では、「チョコレイト・ブギウギ」(作曲・編曲)、「SNOW // SLASH」(作曲・編曲)、「らぶれたーふろむかぐや」(作曲・編曲)、「A or A!?」(編曲)、「360°星のオーケストラ」(作詞・作曲・編曲)などを担当。

■リリース情報
petit milady(プチミレディ)
5thアルバム『Howling!!』
2018年12月19日(水)リリース

初回限定盤A(CD+DVD+グッズ)
¥8,333+税
デジパック仕様 缶バッヂ4個セット&ミニステッカー封入

初回限定盤B(CD+Blu-ray)
¥5,370+税 デジパック仕様

通常盤(CD)
¥3,000+税 POCE-1438 紙ジャケット仕様

<収録楽曲(CD)※全仕様共通>
1. Howling
[作詞・作曲:俊龍 編曲:佐藤清喜]
2. She CAN DROPS☆
[作詞:宮嶋淳子 作曲:金崎真士 編曲:清水武仁]
3. be myself
[作詞:大西洋平 作曲・編曲:坂部剛]
4. A or A!? (feat. リアジュボーン)
[作詞・作曲:宮崎まゆ 編曲:hisakuni]
(TVアニメ 『ありすorありす』 オープニングテーマ)
5. 世界中が恋をする夜 (feat. リアジュボーン)
[作詞:中村彼方 作曲:伊藤賢 編曲:佐藤清喜]
(TVアニメ 『百錬の覇王と聖約の戦乙女』 エンディングテーマ)
6. Color voice
[作詞・作曲・編曲:横関公太]
7. blue cores
[作詞:只野菜摘 作曲:伊藤賢 編曲:佐藤清喜]
8. キミとソラのむこう
[作詞・作曲・編曲:鈴木裕明]
9. 途中までのメロディー
[作詞:大西洋平 作曲・編曲:佐藤清喜]
10. はじまりのうた
[作詞:大西洋平 作曲:松坂康司 編曲:佐藤清喜]
11. Lost my melody (feat. リアジュボーン)
[作詞:RUCCA 作曲・編曲:松坂康司]
12. 360°星のオーケストラ (feat. リアジュボーン)
[作詞・作曲・編曲:hisakuni]
(TVアニメ 『七星のスバル』 オープニングテーマ)

<収録楽曲(DVD) ※初回限定盤Aのみ>
・「Howling」Music Video
・Special Movie「モシモトラベル ~ふたりで函館慰安旅行に行ってみた~」

<収録楽曲(Blu-ray) ※初回限定盤Bのみ>
・「A or A!?」Music Video
・「世界中が恋をする夜」Music Video
・「360°星のオーケストラ」Music Video
・「Howling」Music Video

Blu-ray『弾けろ!プチパリ・ミュージックアワード!』
2019年2月27日(水)発売
Blu-ray(2枚組)¥10,500+税
DISC-1 昼の部収録(全14曲)
DISC-2 夜の部(全15曲)+メイキング映像

<Blu-ray Disc 1 収録内容>
1.ハジマリズム/2. 100%サイダーガール/3. 恋はみるくてぃ/4. 緋ノ糸輪廻ノGEMINI/ 5. Fantastique♥Phantom/6. #彼氏いません/7. Eat or Love??/8. キラリキラリ/9. 世界中が恋をする夜/ 10.360°星のオーケストラ/11.キミと/12.azurite/13.Ma Chérie/14.A or A!?
<Blu-ray Disc 2 収録内容>
1. ハジマリズム/2.A or A!?/3.Ma Chérie/ 4.メドレー [azurite~アップデートの坂道~人魚姫(BPM of the 21st century)]/ 5.鏡のデュアル・イズム/6.キミと/7.100%サイダーガール/8.スキ キライ キライ 大スキ♡/ 9.世界中が恋する夜/10.360°星のオーケストラ/11.#彼氏いません/12.Eat or Love??/ 13.キラリキラリ/14.Fantastique♥Phantom/EN.azurite/メイキング映像

■イベント情報
『5thアルバム「Howling!!」発売記念フリーイベント』
2018年12月22日(土)14:00開演 東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ
2019年1月13日(日)13:00開演 あまがさきキューズモール 2F 緑遊広場

『5thアルバム「Howling!!」リリース記念トークイベント』
2018年12月22日(土)アニメイト池袋本店アニメイトホール
2019年1月12日(土)アニメイト横浜店イベントスペース
2019年1月13日(日)アニメイト大阪日本橋店 animate O.N.SQUARE

『Blu-ray「弾けろ!プチパリ・ミュージックアワード!」先行試写&トークイベント』
2019年1月12日(土)13:00開演 イオンシネマみなとみらい
※イベントの参加応募方法はpetit milady公式HPより

■ライブ情報
『petit milady 5th LIVE』
2019年3月3日(日)17:00開場/18:00開演
豊洲PIT スタンディング 7,500円(税込)(ドリンク代別)
※CD『Howling!!』内にチケット最速先行抽選申込シリアル封入

■関連リンク
petit milady OFFICIAL WEBSITE
petit milady OFFICIAL Twitter

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