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草なぎ剛、少年性を活かして挑む新たな役 『MUTAFUKAZ』主人公の声優担当に寄せて

リアルサウンド

18/8/13(月) 7:00

 草なぎ剛が、10月12日に全国公開される日仏合作アニメーション映画『ムタフカズ(MUTAFUKAZ)』の日本語吹き替え版声優として主人公を演じることが発表された。『ムタフカズ』は、フランスのバンド・デシネ(コミック)作家ギヨーム“RUN”ルナールと映像制作会社ANKAMAからのラブコールを受けて、『鉄コン筋クリート』を制作したSTUDIO4℃のメインスタッフが再集結。フランスの2017年アヌシー国際アニメーション映画祭、そして東京国際映画祭で、フランス語版がプレミアム上映されると、大きな話題を呼んだ注目作だ。

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 物語の舞台は、犯罪者と貧乏人の吹き溜まりとなっているDMC(ダーク・ミート・シティ)。草なぎが演じるのは、この街で生まれ育ったアンジェリーノ。通称リノは、親友のガイコツ頭のヴィンス(柄本時生)と臆病なウィリー(満島真之介)の3人でダラダラとつるんで過ごしていた。そんなとき天使のような美少女ルナにひと目惚れ。だが、その直後リノは、交通事故に遭い奇怪な幻覚を見るようになる。さらには黒服の男たちや武装警官に命を狙われる身に。絶体絶命のピンチを前に、スーパーパワーが目覚める……と、待ち受けるこの先の展開が気になって仕方がない。

 メインキャストに草なぎ、そして柄本、満島を起用した理由を、監督の西見祥示郎は「性格と雰囲気とボディイメージが3人のキャラクターにピッタリなこと、それに加えて3人のバランスが上手く出ることを大切に考えてキャスティングさせていただきました」(引用:草なぎ剛、柄本時生、満島真之介が声優に STUDIO4℃新作『MUTAKFUKAZ』10月公開)とコメント。そして『鉄コン筋クリート』のファンだという草なぎも「ご一緒できるのが嬉しい」と喜びを語った。

 今回の発表を受けて、2005年に草なぎが吹き替えを担当したアニメーション映画『ロボッツ』を思い出した。この時、演じたロボットのロドニーは、草なぎに寄せて描かれたのかと思うほど、よく似た顔のキャラクターだった。俳優として、誰もが認めるお人好しの会社員、仕事一筋な銀行員、ドスを効かせた任侠……と様々な役柄を多彩に演じてきた草なぎ。だが、このロドニーでの声の演技は、俳優で見せるそれとはまた異なる魅力を感じさせた。久しぶりに見返すと、「がっかりさせないよ、パパ!」のセリフはハッとするほどピュアでみずみずしい響き。よく草なぎは『7.2新しい別の窓』(AbemaTV)などのバラエティ番組で子どものような無邪気な一面を見せる。その少年性が、声の演技によってより際立つようだった。

 『ムタフカズ』で草なぎが演じるリノも、訳ありな“少年”。実年齢にとらわれず、その演技力を発揮できるのも声の演技ならではだろう。しかも、リノは追い込まれて驚くべきパワーを発揮するという役どころ。音楽番組が減っていったSMAPデビュー時にアイドルとしては異例のバラエティ番組に進出したり、多忙を極める中で韓国語を学び先駆けて日韓の架け橋になったり、72時間生放送という前代未聞の取り組みでネットテレビの可能性を広げたり……難しい局面でこそ、エンターテイナーとしての力量を見せてくれる草なぎの生き様とも重なる部分がある。

 今回の出演を受けて「人間の愛という普遍的なテーマがストレートに表現されていて、“愛によって弱さが強さに変わる!”ということを感じていただけたら嬉しいです」と語った草なぎ。この言葉は、長年多くのファンに支えられてきたことを一番に感じているからこそ出たのだろう。彼自身は決して完全無欠のヒーローではない。だが、いつだってその先を期待して見守ってくれるファンがいた。その愛が、弱さを強さに変えてきた実体験から出た言葉のように感じた。様々な経験が増やす演技の引き出し。そして自らが持つ少年性を活かして挑む、新たな少年の役。人間味溢れる草なぎが、命を吹き込んだリノに会える日を楽しみにしている。(文=佐藤結衣)

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