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虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、フランシュシュ……2019年期待の女性声優ユニット5選

リアルサウンド

18/12/2(日) 18:00

 メディアミックス作品『ラブライブ!サンシャイン!!』発の9人組グループ、Aqoursが11月に自身初の東京ドーム2デイズ公演『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~』を成功させ、年末には『第69回NHK紅白歌合戦』の企画コーナーに出演することも決定。年明けには劇場作品『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』の公開も控えるなど、今さら説明するのが野暮なほどの人気を集めています。

 2018年を振り返ると、アニメ『マクロスΔ』に登場した音楽ユニットのワルキューレが映画『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』の公開や横浜アリーナ公演『ワルキューレは裏切らない』と共に大きな盛り上がりを見せましたし、ミュージカル×アニメの二層展開式エンターテインメントで話題をさらった『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』のスタァライト九九組も活躍。今年は声優ユニットの広がりをより強く実感できる1年だったようにも思います。そこで今回のキュレーション連載では、彼女たちに続くであろう「2019年期待の女性声優ユニット」という切り口で、ここ1カ月前後の新譜の中から5組の作品をピックアップします。

 最初に紹介するのは、Aqoursや『ラブライブ!』のμ’sに続くスクールアイドルとして、2017年に始動した虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会。2019年に配信予定のアプリゲーム『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』の展開に伴って結成された彼女たちですが、実は厳密にはひとつのグループではなく、あくまで同じ同好会に所属する9人のソロアイドルたちの集まりという設定。オリコンウィークリーランキングで初登場5位を獲得したデビューアルバム『TOKIMEKI Runners』も、現時点では唯一の全員歌唱曲「TOKIMEKI Runners」に各メンバーのソロ曲を加えた全10曲という構成です。

【試聴動画】TOKIMEKI Runners / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

 その「TOKIMEKI Runners」は、μ’sとAqoursの歌詞を手がけてきた畑 亜貴が「トキメキのはじまり」を予感させる詞を書き贈った、『ラブライブ!』シリーズの伝統を感じさせる青春感たっぷりのナンバー。一方でソロ曲は畑以外の作詞家を起用して新たな風を吹き込むと同時に、各キャラクターの色を浮かび上がらせるものに。大人びた性格の朝香果林(CV:久保田未夢)が歌う「Starlight」は色気の漂うエッジーなダンスチューン、スイスからの留学生となるエマ・ヴェルデ(CV:指出毬亜)の「Evergreen」は自然の雄大さを思わせるケルティックなナンバーと、三者三様の個性的な楽曲が並んでいます。なお、キャストには元X21の大西亜玖璃やi☆Risの久保田未夢といった、実際にアイドル活動の経験を持つメンバーがいるので、来年以降予定されているライブへの期待も高まるところです。

 続いては現在放送中のTVアニメ『ゾンビランドサガ』に登場する7人組アイドルユニットのフランシュシュ。このアニメ、オンエア開始前はいわゆるゾンビホラーものっぽい雰囲気を漂わせていたのですが、いざフタを開けてみると、ゾンビとして甦った7人の女の子が佐賀を盛り上げるためにアイドルグループを結成して活動する、といういろんな要素をごった煮にした異色のコメディー作品として大ブレイク中。音楽面でも並々ならぬこだわりを見せており、劇中では彼女たちが本格的なデスメタルやラップ曲に取り組んだかと思えば、まっとうなアイドルソングを歌ったりと、何とも振れ幅の大きい楽曲群で楽しませてくれます。

TVアニメ「ゾンビランドサガ」OPテーマ『徒花ネクロマンシー』

 そんなフランシュシュが歌う同アニメのオープニングテーマ「徒花ネクロマンシー」は、これまた意表を突いて何故か昭和の特撮ソングをオマージュした、勇壮なブラスサウンドが血をたぎらせる熱きナンバー。作編曲は、水樹奈々「禁断のレジスタンス」、ワルキューレ「僕らの戦場」「ワルキューレがとまらない」など、歌謡曲のDNAを持った情熱的なメロディを書かせたら天下一品な加藤裕介の仕事です。同じく彼女たちが歌うエンディングテーマ「光へ」は清らかなピアノをバックに7人が重層的なコーラスを聴かせる、旅立ちをテーマにした卒業式ライクな合唱曲。ゾンビである彼女たちにとって「光へ」というタイトルが何を指すのか気になるところです。

 ちなみにフランシュシュも2019年3月に1日限定のライブイベントを行うことが決まっており、山田たえ役の三石琴乃を除く6人の担当声優が出演予定です。メンバーには元BOYSTYLEの田野アサミやWake Up, Girls!の田中美海もいるので、初ライブとはいえ安定したパフォーマンスが楽しめそう。

 そして「ライブに革命を。」をコンセプトに掲げ、原作漫画とキャストによるリアルライブを軸にマルチメディア展開を行うプロジェクト『ライブレボルト』からは、LiveRevolt名義の初アルバム『REBIRTH』がリリースされたばかり。2017年5月にスタートした本プロジェクトは、ライブのスペシャリストを養成する学校「奏ヶ丘女学院」を舞台に、2人1組のユニットたちがライバル同士となってライブバトルを繰り広げるという設定の物語。2018年にキャストの変更を経て元さくら学院の堀内まり菜らが加入し、8月には『ラブライブ!』を手がけたことで知られる木皿陽平が音楽プロデューサーに就任。まさに「REBIRTH=再生」のドラマを宿した作品が今回のアルバムと言えるでしょう。

【全曲試聴動画】LiveRevolt 1st Album「REBIRTH」

 本作にはdubster、RumBlue、リサイタルズ、FIREVOLTというユニットの楽曲がそれぞれ2曲ずつ、そして彼女たち8人が揃ったLiveRevoltの楽曲3曲の計11曲を収録。8人の力強い歌声がハードなロックサウンドに重なる全体曲「革命の唄」を筆頭に熱量の高いナンバーがひしめき合っていて、パンクやオルタナ直系のギターサウンドを基調としたdubster、クールな打ち込み系のRumBlue、ポップな装いで魅了するリサイタルズ、堂々たるハイブリッドロックを聴かせるFIREVOLTと、ユニットごとにカラーの異なる楽曲を楽しめるところも魅力です。筆者はまだ未見ながら、ライブハウスでは熱狂的なパフォーマンスを繰り広げてるらしく、コンセプトどおりライブの現場から革命を起こす存在になるかもしれません。

 また、この7月に結成されたばかりながら話題を集めているのが、実力派が勢揃いした7人組声優ボーカルユニットのKleissis(クレイ・シス)です。メンバーには、『アイカツスターズ』『ガヴリールドロップアウト』『メイドインアビス』『となりの吸血鬼さん』などの人気作で主演を務める若手注目株の富田美憂、この12月にDorothy Little Happyからの卒業を控える髙橋麻里、元HKT48でギルドロップスでも活動する山田麻莉奈、『アイドルマスター シンデレラガールズ』で高森藍子役を演じる金子有希など、すでに経験の豊富な人材が多数。なかには東京藝術大学出身で声楽(ソプラノ)を特技に挙げる元吉有希子という人材もいます。

 ホワイトをベースにした清楚かつ神秘的な衣装に身を包んだ彼女たち。楽曲についてもいわゆるアイドルポップ的な華やかさとは一線を画すシリアスなサウンドを志向していて、先日リリースされた2ndシングル『Another Sky Resonance』は、前作『Kleissis Chaos』に続いてこだまさおりが作詞を担当。ストリングスや重厚なギターが荘厳な景色を広げるなか、7人の自由に対する強い意志を秘めた歌声が美しく折り重なっていくドラマティックな一曲になっています。雪原を思わせるシンフォニックなサウンドに乗せて険しくも儚いハーモニーを届けるカップリング曲「逆さまの世界にて」を含め、圧倒的な歌世界を堪能できる一枚です。なお、各メンバーのソロ歌唱バージョンを収録した限定盤も用意されてますが、全員が歌ウマ&それぞれの表現力を発揮しているので延々と聴き比べたくなるはず。マジですごいです。

【Kleissis】Another Sky Resonance Short ver.

 最後は、そのKleissisのセンターを務める田中有紀が在籍する声優ユニット、NOW ON AIRを紹介します。2016年に行われた新人声優発掘オーディション「キミコエ・オーディション」の合格者6名で結成され、2017年8月にアニメ映画『きみの声をとどけたい』で本格的な声優デビューを果たした彼女たち。映画自体も江ノ島をモデルにした海辺の街を舞台に少女たちの青春模様を爽やかに描いた良作でしたが、そのイメージソング「この声が届きますように」でユニットとしてCDデビュー。続く同映画のエンディング主題歌「キボウノカケラ」では、乃木坂46「制服のマネキン」「君の名は希望」などで知られる杉山勝彦が楽曲提供し、未来への希望に溢れたピュアなユニゾンを聴かせていました。

NOW ON AIR 3rdシングル「わたし的Progress」Music Video(Full Size)

 それ以来、約1年4カ月ぶりのシングルとなる『わたし的Progress』では、自身もシンガー/作詞家として多数のアニメソングに関わってきた結城アイラがサウンドプロデュースに着任。結城の楽曲「ペールムーンがゆれてる」を手がけたことでも知られる高橋 諒(Void_Chords/ONE III NOTES)が作編曲を担当し、これまでCDリリースされたNOW ON AIR楽曲の中でもっとも躍動感に満ちた、前向きな推進力を感じさせるアップチューンに仕上がっています。理想の自分をめざしてしっかりとパフォーマンス力を磨き、デビュー時からのひたむきさを残しながらもプロフェッショナルな歌を気持ちよく届けてくれる彼女たちの「進化」は、2019年もきっと止まらないことでしょう。

■北野 創
音楽ライター。『bounce』編集部を経て、現在はフリーで活動しています。『bounce』『リスアニ!』『音楽ナタリー』などに寄稿。

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