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ミルキィホームズが最後まで貫いた“ミルキィらしさ” 笑顔で伝えた10年分の感謝とメッセージ

リアルサウンド

19/2/14(木) 18:30

 ミルキィホームズが1月28日、東京・日本武道館で『ミルキィホームズ ファイナルライブ Q.E.D.』を開催した。

参考:ミルキィホームズ、ファンに愛され続けた理由は“安定感”にあり 『みるみるミルキィ』から考察

 ミルキィホームズは、三森すずこ(シャーロック・シェリンフォード役)、徳井青空(譲崎ネロ役)、佐々木未来(エルキュール・バートン役)、橘田いずみ(コーデリア・グラウカ役)による声優ユニット。2010年の結成以来、約10年にわたり声優ユニットの未開拓地を走り続けてきた。そんな彼女たちは、芸達者なメンバーによる抜群の“安定感”と、いつでも帰れる実家のような“安心感”を備えた数少ないユニットだった。たとえ何があろうとも、ミルキィホームズは待っていてくれる。これほど長く活動していれば、そんな気持ちにさせられたファンも少なくはないだろう。

 その想いに精一杯応えてか、この日のライブは要所ごとにMCを挟みつつも、できるだけ多くの楽曲を披露しようという意向が見られた。ラストステージに相応しい盛大さを携えつつも、最後まで等身大のミルキィホームズを楽しむことができた。

 1曲目のアニメ主題歌「正解はひとつ!じゃない!!」からはじまり、3曲連続でアッパーチューンを披露。なかでも、3曲目「びよんど THE ミルキィウェイ」は、この日、これからの方向性を提示した楽曲だろう。同楽曲の映像演出は、過去に放送されたアニメムービーで構成。なかでも、キャラクターたちが身体を張るなど、破天荒なシーンが寄せ集められていた。同時に、歌詞中にある〈バカになれ(わっしょーい)〉などのフレーズもエフェクトとして登場。映像とパフォーマンスが見事にリンクした、これまでの集大成に相応しいものだった。さらに「ミルキィ A GO GO」「ミルキィ100ワールド」「恋の調査報告書」「総天然色フルパワー」といった人気キラーチューンをショートメドレー形式で歌唱するなど、ライブ全体を通じての、“最後までファンを笑顔にさせる”というメッセージが伝わってきた。

 本編中盤にはゲストアクトも登場。愛美(常盤カズミ役)と伊藤彩沙(明神川アリス役)によるフェザーズは、「ピンチにパンチ」「セイシュンビギナー!」を歌唱。後者は、彼女たちのデビュー曲であり、そのフレッシュさをプッシュした楽曲だ。舞台経験を重ねることで、抜群のキレを身につけた2人のダンスが印象的な「セイシュンビギナー!」は、ユニットのみならず、コンテンツ全体の成長さえも示すかのようだった。

 また、森嶋秀太(小林オペラ役)は「ANSWER」、明坂聡美(アルセーヌ/アンリエット・ミステール役)は「Brilliant Wish ~華麗なる欲望~」、南條愛乃(明智小衣役)は「ココロノエデン」をそれぞれ披露した。なかでも「ココロノエデン」は、長年のファンには染み渡るだろうクールなナンバー。2011年8月放送のスペシャルアニメでは、小衣の歌唱シーンも設けられていた。ミルキィホームズと同様、約9年の時を超えて歌い継がれることに、改めて作品の息の長さを実感させられる。その後は、ミルキィホームズに再びバトンタッチ。「毎日くらいまっくす☆」や「バイバイエール!」など、明るい別れを歌った楽曲で本編が終了した。

 アンコール1曲目は、最後の“祭り”を飾るにふさわしい「ミルキィアタック」。楽曲中の〈ありがとう ありがとう 出会ってくれてありがとう〉というフレーズは、これまでの道のりを総括するかのようだ。また、4人が仲睦まじく肩を組み、笑顔を覗かせ合う姿には、もう言葉は必要ない。この日の「ミルキィアタック」は、これまでのステージで掲げ続けてきた神輿を、そっと地に降ろすかのようだった。

 続いて、4人がそれぞれ綴ってきたという、感謝の手紙を読み上げることに。佐々木が「私はダンス中に、横一列がまっすぐ綺麗に揃うミルキィの姿を、自分の立ち位置から見るのが大好きでした」と語ると、徳井も「(メンバーは)本当の家族のように、一緒に過ごす時間が増えて、何も言わなくても通じ合える特別な存在です」と振り返る。

 また、三森は苦楽を共にしてきたスタッフに対して、「なんとなく終わっていくなんてこともありえる世界で、ちゃんとファイナルまでの道筋と、今日このステージを与えてくれてありがとう」と感謝を伝えると、橘田が「ミルキィホームズと出会って、飾ることのない、背伸びしない本当の自分をやっと見つけることができました」「ユニットはゴールを迎えるけど、ミルキィホームズはずっとずっと生き続ける」と締めくくった。

 全員が朗読を終えると、サプライズ映像が投影。その内容は「聞こえなくてもありがとう」にのせて、デビュー以前の武道館ライブ、楽曲MV撮影の模様など、約10年の歩みを辿るものだった。なかでも象徴的だったのが、彼女たちの冠番組『みるみるミルキィ』の映像。キャラクターらしさを前面に押し出す2.5次元コンテンツのなかでも、『ミルキィホームズ』は一貫して、キャストの素顔を大切にしてきた印象がある。その代表例が、『みるみるミルキィ』における、4人が終始ふざけ倒す様子や、スタジオセットでのゆるいトークだろう。そんな独自の方向性を実現できたのもまた、彼女たちが気付けば“ファミリーのような関係性”を築いてきたからに違いない。

 プライベートでもグループ仲の良いことで知られる彼女たち。三森は前述の手紙朗読で、「全力でバカできる仲間がいるって、すごく幸せだよね」と語った。それと同時に、「ある時は、罰ゲームで1人で探偵服を着てコンビニに行ったり……」と笑いを誘いながらも、「ミルキィホームズでなくなっても、一緒に焼肉行って、1人1皿牛タン頼んで、あれやこれや喋り倒したいと思います!」など、これから先も続く明るい未来を期待させた。彼女たち4人の形は変われど、これからも腕白に食卓を囲むような、微笑ましい関係性でいてくれるはずだ。そんなミルキィホームズを“縁”で結びあわせてくれた作品には、やはり感謝をしてもしきれない。

 そして、彼女たちの“始まりの曲”である「雨上がりのミライ」から、旅立ちに向けて等身大の想いを歌う「そして、群青にとけていく」へ。全員が1列に並び、別れの想いをしっとりと歌い上げる。最後には、三森から順に探偵帽をそっと外し、ゆっくりと足元に。そのまま探偵帽を残してステージ上部に登り、静かに姿が見えなくなっていった。

 それも束の間、ダブルアンコールで勢いよくで飛び出してきた4人。再登場するやいなや、大声を上げながら探偵棒をすぐに拾い上げ、三森が「こんなにメソメソしてるミルキィホームズは事件ですよ!」と強くアピール。今までの流れが“演出”だったと言わんばかりの型破りな振る舞いは、いかにも彼女たちらしい。ミルキィホームズに、しめっぽい涙は似合わない。そして、ラストナンバーに選ばれたのは、「正解はひとつ!じゃない!!」。ここではメンバー全員が、先ほど拾い上げた探偵帽を被り直すことはなかった。そこにはきっと“卒業”の意味合いがあったのだろう。彼女たちの後ろを振り向かない潔さを見守りながら、最後のステージに幕が降りた。

 約10年にわたる活動を通じて、笑顔と仲間の大切さを伝えてくれたミルキィホームズ。もう心配なことは何もない。彼女たちは永遠に“完全無欠の四重奏”であり続ける。ありがとう、ミルキィホームズ。“ロング・グッドバイ・フォーエバーよ永遠に……。”(青木皓太)

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