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まふまふ、“音楽作家”としても活躍 マルチな才能とボカロシーン由来の独自性を紐解く

リアルサウンド

18/10/31(水) 8:00

 ニコニコ動画などのネットミュージックシーンで絶大な人気を誇る、マルチクリエイターのまふまふ。ソロシンガーとしてのみならず、同じくネットを中心に活動するそらるとのユニット・After the Rainでの活動のほか、多数のアーティストへの楽曲提供、現在放送中のアニメ『抱かれたい男1位に脅されています。』では佐香智久と共にオープニングテーマを共作するなど、“何でも屋”として活躍の幅を広げている。

参考:NormCore×まふまふは『名探偵コナン』に新風を吹き込む? OP曲「カウントダウン」を分析

 まふまふは、2010年からニコニコ動画への「歌ってみた動画」で歌い手として投稿を開始。その後、ボカロPとしての活動もスタートさせ、歌唱・作詞・作曲・編曲・エンジニアリングから楽器演奏までもを自身で手がけている。そうして10代を中心にネットユーザーからの注目を集め、Twitterアカウントのフォロワー数は、現在なんと140万人超。これは、日本のTwitterフォロワー数ランキングでトップ100に入る数字だ(2018年10月現在)。

 また、親交の深いそらるとは長らく「そらる×まふまふ」として活動していたが、2016年より「After the Rain」と銘打ってのユニット活動を開始。「アンチクロックワイズ」(アニメ『クロックワーク・プラネット』エンディングテーマ)、「解読不能」(アニメ『アトム ザ・ビギニング』オープニングテーマ)といったアニメタイアップのほか、2017年には日本武道館、2018年にはスーパーアリーナ2日間のライブも開催している。

 シンガーとしてのまふまふの特徴といえば、なんといっても、歌い方によっては女性にも聞こえるようなハイトーンボイスだろう。たとえば、DAOKO×米津玄師の「打上花火」のカバーでは、歌い出しから「女性!?」と驚くような高音パートとなっている。もともと、ボカロソングは通常の人間が歌うキーよりもかなり高いキーが使われていることが多い。それもあって、ボカロ曲のセルフカバー「ハローディストピア」のサビなどでは、一体どこから声が出ているのだろうと不思議になるほどの高音を披露している。

 さらに、こうした他アーティストやボカロのカバー曲でも、完コピというよりは彼なりのアレンジが利かせてある点も指摘したい。先の「打上花火」でも、原曲とは異なるアコギとピアノ演奏によるアコースティックアレンジを披露。そのため、単なるカバーの域を超え、まふまふの“表現者”としての一面が垣間見える仕上がりとなっているのだ。

 カバーにも彼なりの美学をうかがえるのだから、オリジナル曲はなおさらだ。まふまふは様々な引き出しを持っているが、その中でも特に目立つのは、死生観を描いた曲だろう。歌詞には、度々「死」や「病」、現実逃避的な「妄想」に関連したワードが登場する。そうしたネガティブかつ重たいテーマを歌いながらも、サウンドはアップテンポであったり、しっかりとキメが作られているため、非常にキャッチーだ。また、ハイキーやうねるような音階、和テイストの楽曲、まくしたてるような早口なども、ボカロシーンに出自を置くまふまふならではのアプローチだろう。

 そんなまふまふだが、自身が主催するフェス『ひきこもりたちでもフェスがしたい!』というタイトルからもわかる通り、元来はかなりの引きこもり属性。人前に出ることが苦手で、これほど人気があるというのに、比較的最近までライブに出演することですら抵抗があったという。また、ニコニコ動画やYouTubeなど、ネットでの音楽投稿で人気を得てすぐにデビューするようなアーティストも少なくないなか(むしろ、今ではデビュー目的でネットを使用しているアーティストの方が多いくらいだろう)、まふまふは絶大な支持を得てもなお、事務所に属さずにフリーを貫き、独自路線をひた走っている。そういった一貫した姿勢も、ファンの心を掴む要因となっているのではないだろうか。

 昨年、さいたまスーパーアリーナで開催された『ひきフェス』が、今年は規模を拡大した幕張メッセにて、11月3日、4日の2Daysにて開催される。すでにネットの枠組みを飛び越えた活動を見せるまふまふだが、今後さらに、音楽界に独自のシーンを拡大していくに違いない。(まにょ)

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