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チケット高額転売規制法、いよいよ成立 狙いと争点を弁護士に聞く

リアルサウンド

18/12/15(土) 10:00

 チケット高額転売規制法(「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案」)が、12月8日の参議院本会議で可決、成立した。

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 これは、あらゆるイベントチケットの不正転売をインターネット上も含め罰則付きで禁止するという法案だ。ここで禁止されているのは、「特定興行入場券」の不正転売。興行主の事前の同意を得ずに、興行主等が定めた販売価格を超える価格で業として(事業として)転売することが禁止されている。違反者には1年以下の懲役か100万円以下の罰金、あるいはその両方が科される。

 なお、「特定興行入場券」とは、券面(電子チケットは映像面)に「興行主の同意のない有償譲渡を禁止する」という旨が記載された、興行の日時・場所、入場資格者または座席が指定された入場券を指す。入場資格者が指定された入場券には、入場資格者の名前・電話番号やメールアドレスなどの連絡先、座席が指定された入場券には、購入者の氏名及び連絡先が明示されていることが要件となっている。(参照:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19705005.htm)

 今回の法案成立について、エンターテインメント業界に詳しい弁護士の小杉俊介氏に話を聞いた。

「要件を見ると、具体的に満たさなければならない条件が厳しいため、まずはチケットの発行の仕方からこの条件に合わせていく必要があります。逆に条件を満たしていないチケットに関しては、当面この法案の対象にはなりません。施行までの半年間で高額転売に対して意識の高い団体から法律の対象になるよう整備をしていく流れになるかと思います」

 また、本法案について小杉氏は、チケットの高額転売を防ぐというよりは「興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案」の名のとおり、公式の流通ルートの整備に大きな目的をおいたものである印象を受けたと語る。

「『興行主の同意のない有償譲渡を禁止する』ということは、興行主の事前の同意を得ていれば有償譲渡ができるということ。公式リセールサービスでの売買は興行主の同意があるから合法であると言える仕組みになっている。チケット高額転売問題はそもそも、誰が興行で適正な利益を受けるのか、興行に関わっていない者が利益を受けている状態を是正する目的が根本にある。この法律ができたことによって、多くのチケット転売業者や転売サイトに圧力がかけられていくことになるでしょう」

 さらに小杉氏は、今回の法案で気になる点を次のように語る。

「まずこの法律が施行されても、「業として」の立証が難しいという問題は残るのではないかと感じました。今回の法案の特徴としては、不正転売、高額転売の目的をもって購入することも規制対象になっている。業者がボットなどを使って一気に購入する行為はわかりやすいですが、個人が複数の名前を使って購入した場合などは「業として」を立証することは難しい。逆に、取引の回数だけを見て判断した場合、「業として」ではなくてもそう捉えられてしまう可能性もあり、客観的な線引きは難しいです。いずれにせよ、まずは業界内で仕組みを整えていき、それぞれの問題に対して解決するか、よりよいバランスを見出していくのかを整理するための一つのガイドラインを示すことができたのではないでしょうか」

 長年に渡り、取り締まり困難と言われてきたチケットの高額転売問題にいよいよメスが入れられた今回の法案成立。チケットもチケット料金も、しかるべき人の元に届けられる仕組みづくりが東京五輪・パラリンピック開催を前に急がれる。(久蔵千恵)

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