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草なぎ剛、なぜ年齢を重ねるほど魅力を感じる? “ゆるさと締め”のギャップから考える

リアルサウンド

19/1/28(月) 7:00

 草なぎ剛が、2019年も絶好調だ。3月にはダメな父親役で出演する映画『まく子』が全国公開され、6月には主演映画『台風家族』の公開が決定した。『台風家族』は市井昌秀監督が12年かけて完成させたオリジナル脚本で、ブラックユーモアあふれる、ある一家の真夏の1日を描く。草なぎが演じるのは、一家の長男・鈴木小鉄で、これまたダメダメな男という役どころ。しかし、草なぎ曰く「逆にそういうところが魅力的で、愛くるしく、むしろ愛すべき人物」(引用:草なぎ剛主演映画『台風家族』初夏公開決定 共演に新井浩文、MEGUMI、中村倫也、尾野真千子ら)だそうだ。また、次男役には新井浩文、長女役にMEGUMI、三男役に中村倫也が名を連ねる。そして、『クソ野郎と美しき世界』で草なぎと夫婦役を演じた尾野真千子が、『台風家族』でも小鉄の妻役として登場するのも嬉しい。

 撮影は、すでに昨年7月に行なわれ、草なぎは「とてつもなく暑い真夏の撮影でした」と振り返る。市井監督からは「草なぎさんの中に小鉄は十分に居るから、作り出そうとしなくていい」と言われたこと、そして「それが難しくもあり、だけど新しい自分を引き出してくれた」と続ける。「現場に入って実際に演じてみると、本当に笑っちゃって」「あの真夏の暑さと、僕らの“パッション”がスクリーンの中から“ぶわ~ん”と伝わると思います」というコメントからも、草なぎの中にある愛くるしい小鉄というキャラクターがにじみ出ている。

 草なぎに愛されるダメ男役のオファーが途切れないのは、もしかしたら彼自身が“いい年のとり方”をしているからかもしれない。人はどんなにあらがっても、年を取っていく。若さゆえの尖りから律していた部分が丸くなり、“ゆるく”なっていく。締めるところと、ゆるむところ。そのメリハリをうまくつけられるかどうかが、“ちょっとダメなところもあるけど愛される人”の秘訣なのではないか。草なぎを見ていると、そんな愛され力が年々増しているように感じるのだ。

 先日、『ヤマサ 昆布ぽん酢』のCMキャラクターにも決定した草なぎ。CM映像で私たちを楽しませてくれるのはもちろんのこと、発売20周年を記念して新容量である500ミリリットルパックに、「20年間僕はずーっと昆布ポン酢!」など、草なぎの直筆メッセージをプリントした記念ボトルも販売されるという。そこには、ある意味で“画伯”と呼ばれる草なぎらしいゆるいイラストも添えられるというのだから楽しみだ。

 また、タイミングをあわせたかのように、草なぎのYouTubeチャンネルでは、ポン酢を使ったレシピを紹介する『【料理】豪快!パーティーサイズの冷奴が絶品!』の動画をアップ。小気味よくザクザクと薬味を刻み、山盛りにした冷奴は、皿のサイズが合わずになだれ状態に……。だが「いいんです、いいんです」と、細かいことは気にしない。むしろ、皿からこぼれた薬味も、のせてしまう大らかさ。そのゆるさが、むしろ日々“しっかりしないと”と気を張る視聴者にとって、どこか自分たちの“ゆるみ”を肯定されるような安心感につながっている気がする。

 かと思えば、元日から新たに始めたInstagramでは、渋い表情の自撮り写真をコンスタントにアップし、締めるところは締めていく草なぎ。すると「僕の写真より(愛犬の)クルミの写真のほうが“いいね”多かったりしてね。ちっちゃい男でしょ? 見てるの(笑)」と、YouTubeの動画内でコメントして、今度はゆるゆるモード……と、常に緩急をつけて視聴者を飽きさせない。

 あるときは5才児のようにハシャぎ、またあるときは国民的スターの風格を感じさせる眼差しを見せる。そのスイッチの切り替わりに、何度も私たちはハッとさせられ、心を掴まれる。きっと、そのゆるさと締めるところのギャップは、年々広がっていくことだろう。草なぎ剛という男に、年齢を重ねるほど魅力を感じるのは、その振り幅ゆえなのかもしれない。(文=佐藤結衣)

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