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店長たちに聞くライブハウスの魅力 第3回 北海道・札幌PENNY LANE24

ナタリー

18/12/3(月) 18:00

全国のライブハウスの店長の話を通して、それぞれの店の特徴や“ライブハウスへ行くこと”の魅力を伝える本連載。第3回は北海道・二十四軒に位置する札幌PENNY LANE24の6代目店長を務める菅原織氏に登場してもらった。現在も5代目店長の大槻正志氏と二人三脚で店を運営しているという菅原氏に店の特色やこだわりを聞いた。

“PENNY LANE”から“PENNY LANE24”へ

「当店はウエスという会社が運営しているライブハウスで、1982年に“PENNY LANE”という名前で北海道のすすきのにオープンしました。この頃は名だたるプロのアーティストに加え、アマチュアの方や学生もよく出演していました。PENNY LANEは雑居ビルのワンフロアにあり、THE BLUE HEARTSのライブ中に下の階の窓ガラスにひびが入ってしまいお客さんは途中から体育座りでライブを観た、なんてこともあったそうです。1990年に北海道の二十四軒に場所を移して、土地の名前にちなんで“PENNY LANE24”に改名してからは、フロアは地下になりました」

ウエス歴は20年目、札幌PENNY LANE24の店長歴は3年目

「高校生でバンドを始めて高校を卒業してからも活動を続けていたのですが、バンドだけでは食べていけませんでした。それで21歳のときにウエスでアルバイトを始めたんです。今41歳で、ウエス歴は20年目。店長歴は3年目で、PENNY LANE時代から数えると僕は6代目の店長になります。5代目店長の大槻正志が60歳になるタイミングでシニアマネージャーという役職になって、そのとき彼に『そろそろお前、店長になっていいよ』と言ってもらって、僕が店長を務めることになりました」

わざわざ「僕が店長です」という必要はない

「大槻が店長として店に来てから、2人でああだこうだと相談しながら店を運営してきました。それは今でも変わりませんね。ぶつかることもありますが信頼しています。当時からアーティストのケアなどは大槻、照明や音響などのステージ周りは僕という形で役割分担していることもあって、いまだに店長が僕に代わったことを知らない方もいます。大槻はパンチが強くて色も濃い人間なのですが、僕は裏方気質なんですよね。アーティストの方が『今日はいいライブができてよかった!』と感じてくれるだけでうれしいので、わざわざ『僕が店長です』という必要はないかなと思っています」

札幌PENNY LANE24楽屋名物の“鍋”

「ある日調理師免許を持っている大槻が突然楽屋で鍋を作り始めて……最初はソールドアウトした公演の日に“おめでとう”の意味を込めて作っていましたが、次第に毎公演作るようになりました。アーティストの方はもちろん、スタッフの方にも喜んでいただけているのがうれしいです。初めて来るアーティストの方がスタッフの方経由で鍋のことを聞いて、鍋を楽しみに来てくれる方も多いです。大槻がいる限りは鍋を振舞っていけたらと思っています」

楽屋に置いてあるマンガのジャンルはバンド系、シモ系、食べ物系

「楽屋の模様替えをするときに『楽しんでもらえるかも』という僕と大槻の軽いノリで、マンガを置き始めました。最初は2人でブックオフに買いに行った記憶があります。ジャンルはバンド系、シモ系、食べ物系が多いです。Suchmosが出演してくれたときに、開演ギリギリまで全員並んでマンガを読みふけっていたのが印象に残っていますね。いいバンドだなと思いました(笑)」

注目のアーティストはTHE BOYS&GIRLSと佐藤広大

「THE BOYS&GIRLSは札幌在住のバンドです。昔からPENNY LANE24のステージに立ちたいと言ってくれていて、フラワーカンパニーズとの対バンという形でそれが実現したときに、店に貼ってあるポスターに『フラカンと来ました!』と書き加えていました。11月8日にはワンマンも行いました。でも(ワタナベ)シンゴ(Vo)は『次はソールドアウトさせたい』と悔しがっていました。今後の成長も楽しみですね。佐藤広大は札幌のシンガーで、ブルーノ・マーズやマイケル・ジャクソンのような“キングオブポップ”を感じさせる音楽性と、気持ちが伝わってくる演奏に注目しています」

心にグッとくるライブはアーティストの気持ちが伝わってくるもの

「普段からいろいろなジャンルのライブを観ていますが、ヒップホップでもビジュアル系でもロックでも、いいライブは頭の3曲の段階で心にグッときます。アーティストの演奏力ももちろんですが、気持ちも大事なのかなと思います。気持ちを前に出すようなパフォーマンスをするアーティストって、観ているほうの心をつかむんですよね。THE BACK HORNの山田将司(Vo)はその典型かもしれません。彼と打ち上げで話しているときに、お客さんの顔や反応を見ていたら歌いながら泣いてしまうと言っていたことがあって。そこまで感情を昂ぶらせられる人のライブが悪いわけがないと思いました」

ライブハウスでの体験はその日そのときしか味わえないもの

「例えばCDだったら、基本的には同じ環境で何度も聴けると思うんです。まあ好きな子と付き合っているときに聴くのと、別れてしまったあとに聴くのだと、同じ曲でも気持ち的には違って聴こえるかもしれないですけど。でもライブは同じお客さん、同じ温度、同じ湿度、同じ演奏には絶対にならない。ライブハウスでの体験は絶対にその日そのときしか味わえないもの。だから僕も毎日ライブを観ていても飽きないし、たくさんのお客さんがライブハウスに足を運んでくれるんだと思います」

店舗情報

住所:〒063-8602 北海道札幌市西区二十四軒4条5-5-21 W'Sビル
アクセス:札幌市営地下鉄東西線・琴似駅5番出口より徒歩3分
営業時間:公演により異なる
定休日:なし
ロッカー:あり
駐車場:なし
再入場:可
キャパシティ:500人
ドリンク代:500円
フリーWi-Fi:あり
貸切:可
※情報は12月3日時点のもの。

取材・文 / 酒匂里奈(音楽ナタリー編集部) 撮影 / 上野公人

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