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Mr.Children「HANABI」と『コード・ブルー』、10年経った今もなお放ち続ける“希望の光”

リアルサウンド

18/7/29(日) 10:00

 7月27日より、映画『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』がスタート。Mr.Children「HANABI」が、テレビシリーズから引き続き主題歌に起用されている。

(関連:Mr.Children「HANABI」で歌われているテーマとは? 『REFLECTION』ツアーで語られた思い

 『コード・ブルー』と「HANABI」は、切っても切れない密接な関係にある。先日放送された『2018 FNSうたの夏まつり』(フジテレビ系)では、『コード・ブルー』出演陣が「思い出の夏うた」を1曲ずつ挙げていき、新垣結衣は「HANABI」を選曲。1stシーズンがスタートしたのが、ちょうど10年前の夏だったと振り返り、「たくさんのシリーズを経て、変わらずに『コード・ブルー』の大事な要素として寄り添ってくれている、とても大切な曲」とコメント。主演の山下智久も「10年前に聴いた『HANABI』と、今聴いた『HANABI』がまた微妙に違うんですけど、その年代でスッと入ってくる。時代を超えるテーマソング」と出演する一人ひとりにとっても大切な曲であることを話していた。

 2008年の1stシーズン、2010年の2ndシーズン、2017年の3rdシーズン、今年の劇場版と10年間に渡り「HANABI」は、テーマソングとしてドラマを彩ってきた。「innocent world」「Tomorrow never knows」「名もなき詩」「終わりなき旅」など、数多くの代表曲を持つミスチルにとっても、この10年で「HANABI」はそれらに並ぶ名曲として成長してきている。筆者は、昨年の3rdシーズン開始のタイミングでも「HANABI」について執筆し、2015年に開催した『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』での桜井和寿のMCから、楽曲で歌われているテーマに触れた(Mr.Children「HANABI」で歌われているテーマとは? 『REFLECTION』ツアーで語られた思い)。

 あれから1年が経ち、その間にもミスチルのライブへ何度か足を運んだ。昨年開催されたミスチルデビュー25周年を記念したツアー『Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25』、エレファントカシマシ、スピッツ、ミスチルという“夢の”3マンとなった『30th ANNIVERSARY TOUR “THE FIGHTING MAN” SPECIAL ド・ド・ドーンと集結決定!!~夢の競演~』、6年ぶりのつま恋開催となった2日間『ap bank fes ’18』。どの公演にも共通していたのが、必ず「HANABI」が披露されていたということだ。

 ミスチルのデビュー日である5月10日、配信限定のベストアルバム2枚のリリースから始まった25周年イヤー。その『Thanksgiving 25』を冠したツアーは、まさにベストアルバムの延長線上のようなセットリストであり、25年目にバンドが音を鳴らす、歌えることの幸せを未来へと響かせようとするような公演だった。エレカシ、スピッツとの3マンでは、桜井がMCで「今年に入ってからのモチベーションはほぼこの日だった」と2018年初めてのライブへの高まった意気込みを語っている。『ap bank fes』では、かつて桜井がつま恋で歌うことを前提に制作した「彩り」をセットリストの軸にしており、これまでバンドアクトの1組として出演してきたミスチルが、つま恋と共に成長してきたことを物語るようなセットリストのように筆者は感じとった。中でも「HANABI」は、10年前の『ap bank fes’08』で初披露された楽曲でもあり、“原点回帰”をテーマにした今年の『ap bank fes』で歌われることは必然だったと思える。

 ファンの間でも人気が高く、多くの公演で披露されてきた「HANABI」は、10年経った今もなお、ライブでは桜井のセンチメンタルなアコースティックギターのイントロを合図に大きな歓声が上がる。これまでの10年間(2008年~2018年)のミスチルのキャリアの中でもやはり「HANABI」は、「innocent world」「Tomorrow never knows」などと肩を並べる、万人がイントロを聞いて反応することができる楽曲なのだ。

 ミスチルは、イントロを重視しているバンドだ。2005年にリリースされたアルバム『I ♥ U』の1曲目を飾る「Worlds end」は、作品全体を勢い良くスタートさせることを意識し、桜井の力強くかき鳴らすギターリフから始まる。ベストアルバム『Mr.Children 2001-2005 』『Mr.Children 2005-2010 』リリース後に開催された『MR.CHILDREN TOUR POPSAURUS 2012』においては、桜井が“イントロを聴いた瞬間に盛り上がれる曲”とセットリストを予告していた。

 『HANABI』のシングルジャケットは「氷の中の花火」をテーマにデザインされており、“花火”を「HANABI」と表記することによって、どこか物哀しさを感じさせる。サビの〈決して捕まえることの出来ない/花火のような光だとしたって〉という歌詞は、手の届かない存在を描きながら、曲全体として自身の夢や希望とも捉えることができる、単なる恋愛ソングに終わらない桜井のソングライティング力も光っている。リアルな医師たちの葛藤や成長を描いた『コード・ブルー』のテーマ性ともマッチした楽曲であり、新垣の「寄り添ってくれている」というコメントにも納得だ。7月27日付けのiTunesトップソングで「HANABI」は16位まで上昇してきており、劇場公開にあわせてさらなるランクアップも期待される。10年前の夏に歩みを始めた『コード・ブルー』と「HANABI」は、今もなおそれぞれのシーンの最前線で、希望の光を放ち続けている。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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