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back number、『初めて恋をした日に読む話』主題歌描く登場人物の心の内 物語との親和性を探る

リアルサウンド

19/1/22(火) 8:00

 1月スタートの新ドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系/毎週火曜よる10時~)の主題歌として新曲「HAPPY BIRTHDAY」が使用されているback number。TBSドラマへの楽曲提供は前クールの『大恋愛~僕を忘れる君と』(金曜よる10時)に続いて2期連続となる。ラブソングの雄として幅広い世代から支持を集めるback numberは、ドラマ主題歌においても信頼感を高めている印象だ。

(関連:back number、『大恋愛』主題歌はドラマのサイドストーリーのよう? 楽曲の歌詞から読み解く

 『初めて恋をした日に読む話』は隔月刊のコミック誌『Cookie』(集英社)で連載中の持田あきによる同名漫画が原作。恋も仕事も上手くいかずにアラサーを迎えてしまったこじらせ女子が、タイプの違う3人の男性と出会ったことから人生を立て直していく姿を描いたラブコメディだ。主演は深田恭子、そして彼女を取り巻く3人のイケメンに永山絢斗、横浜流星、中村倫也が扮する。学生時代、恋すらせずに優等生として過ごした主人公・春見順子(深田恭子)が、大人になりきれずもがく姿は痛々しくもありリアル。「キラキラした青春を全部未来に貯金しているつもりでいた。でも青春貯金なんて、いまさらおろせるわけない……」「旬を過ぎたって生きていかなければならない。もう一度私は、何を頑張ろう……?」など、心にグサグサ刺さるようなセリフが目白押しで、ラブコメという触れ込みながら、現代を生きる女性の内面にも迫った意欲作とも見て取れる。

 そんなドラマを彩る「HAPPY BIRTHDAY」は、静かな歌い出しからストリングスを交えたサビへの流れが美しいミディアムテンポのバラード。その実はストレートな片思いの歌だ。歌詞を見ても、〈何かの手違いで/好きになってくれないかな〉〈いつになっても縮まらないこの距離を/駆け引きにも綱引きにもならないやり取りを〉など、全編通して届かない気持ちのもどかしさが綴られている。これは恋のフラグに気づかない鈍感な順子に思いを寄せる3人の心情ともリンクする。プロデューサーの有賀聡氏は、本作に関して「『初めて恋をした日に読む話』は主人公・春見順子の物語と同時に、彼女に片想いしてゆく3人の男性の物語でもあります。3人の気持ちに寄り添い、物語に引き込み、彼らに共感して順子を見て頂けるような、そんな素敵な主題歌です」(引用:back number、TBS系火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』主題歌に 『大恋愛』から連続抜擢)とコメント。ドラマ自体は順子目線で進むが、主題歌は劇中では語られない3人の男性の心の内にスポットを当てていることがわかる。

 『大恋愛~僕を忘れる君と』に提供した「オールドファッション」でも、主人公の思いをなぞるような歌詞で視聴者の胸を揺さぶったback number。それを可能にしたのは、事前に脚本を読み込み、物語の世界観を自身の中に取り込む作業があったから。事実、作詞・作曲を担当した清水依与吏(Vo/Gt)は「オールドファッション」の制作にあたって、ドラマのプロットと数話の台本を読んだ上で得たインスピレーションを基に書き下ろしたとしている。そしてそれは「HAPPY BIRTHDAY」でも変わらず、昨年10月に開催されたドームツアーの最終公演終了直後にドラマの台本を読んで書き下ろしたとのこと。物語と向き合う真摯な姿勢がドラマと主題歌との親和性を生み出しているのは間違いない。

 第1話を視聴したファンからは、「曲だけ先に聴いてピンと来なかったところが ドラマ観て 繋がった! やっぱり依与吏さんの歌う世界が好きです」「録画で見たけど想像以上に楽しかった!!! 「「HAPPY BIRTHDAY」もラジオで聴くのとまた違って、沁みる~」との声が上がり、早くも高評価。まだドラマは始まったばかりだが、今後話数が進むにつれ、一層「HAPPY BIRTHDAY」が切なく響いてくるものになるのでは、と期待がかかる。とりわけ順子が幸せを手に入れた時、フラれることになるであろうふたりの男性がいることを考えると、歌詞にも別の意味が立ち上がってくるのではないだろうか。主題歌決定の報の際、清水が「主題歌、と呼ばれるものの完成は、その物語の最終話と共にやって来る気がしているので、この歌がドラマの中で、どの登場人物のどんな気持ちに寄り添っていくのか、とても楽しみにしています」(引用:back number、TBS系火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』主題歌に 『大恋愛』から連続抜擢)と、意味深なコメントをしている点にもぜひ注目を。発言の真意とともに、ドラマの展開を追いかけてみるのも面白いかもしれない。

■渡部あきこ
編集者/フリーライター。映画、アニメ、漫画、ゲーム、音楽などカルチャー全般から旅、日本酒、伝統文化まで幅広く執筆。福島県在住。

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