Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

Aqoursのシングルはユニットの“現在地”を示す? 「センター総選挙」踏まえて考察

リアルサウンド

19/3/24(日) 8:00

 今年1月に開催された『「ラブライブ!サンシャイン!!」Aqours 4thシングル センターポジション総選挙』。約1カ月にわたるファン投票の結果、国木田花丸(CV:高槻かなこ)がトップに輝いた。

(関連:Aqours、劇場版『ラブライブ!サンシャイン!!』OP&EDで初の1位 生音で届ける“リアル”な感動

 Aqoursは昨年、4枚目となるナンバリングシングル発売を発表した。今回の総選挙は、同シングル曲のジャケットやアニメMVで、センターポジションに立つメンバーを決定するもの。総投票数は104万1120票で、前回の26万9608票を大きく上回る結果となった。そんな彼女たちはこれまで、2015年10月発売のデビューシングル『君のこころは輝いてるかい?』を除いた2ndシングル以降、同様の形式でセンター総選挙を開催してきた。

 2016年4月発売の2ndシングル曲「恋になりたいAQUARIUM」では、渡辺曜(CV:斉藤朱夏)がセンターに。同楽曲の作編曲は、佐々倉有吾と渡辺和紀の強力タッグが担当。サンバビートを硬質な音で表現することで、ダンスミュージックとしての強度を備えた一曲に仕上がっている。「ヨーソロー!」が口癖の渡辺曜にもお似合いな、活気溢れる楽曲だろう。

 そんな同シングルが発売されたのは、Aqoursがデビューして間もない時期である。同月には、先輩ユニット・μ’sが東京ドームにてファイナルライブを開催。ファンの熱量も、多くがそちらに注がれていた印象がある。だからこそ「恋になりたいAQUARIUM」には、その状況に風穴を開け、作品全体さえ鼓舞する意図があったのかもしれない。類まれなアッパーチューンとして、ライブの定番曲として愛されるのはもちろん、μ’sにはないサウンドアプローチで制作されていることも、その理由となりえるのではないだろうか。

 2017年4月発売の3rdシングル曲「HAPPY PARTY TRAIN」では、松浦果南(CV:諏訪ななか)がセンターに。渡辺拓也とEFFYが作編曲を担当した、どこか切ないストリングスが映える一曲だ。同シングルはTVアニメ第1期オンエアや、神奈川・横浜アリーナでの1stライブを終えたタイミングで発売。Aqoursの未来を左右する重要な一枚だったのはもちろん、そこでセンターに選ばれたのが、アニメ劇中にて親友の小原鞠莉を思いやるあまり、すれ違いを生んでしまった松浦果南だったのにも、思わず意味を見出したくなる。

 そんな同シングルのキャッチコピーは、「新しいみんなで叶える物語」。「みんなで叶える物語」といえば、μ’sがかつて掲げていたものであり、楽曲の歌詞にもμ’s「僕たちはひとつの光」を想起させるフレーズが散りばめられるなど、ある種の“決別”が歌われているようにも思われる。さらに「HAPPY PARTY TRAIN」アニメMVには、Aqoursを乗せた機関車が登場。終盤には、目の前に敷かれたレールを離れて大空へに飛び出すなど、既存の可能性に縛られないことを暗示するシーンもある。それらを踏まえるに、同作は彼女たちの新たな“出発”を描いていると読み解けるだろう。

 ユニット黎明期の起爆剤となった「恋になりたいAQUARIUM」と、新たな旅立ちへの期待に胸を弾ませる「HAPPY PARTY TRAIN」。どちらの楽曲も、Aqoursがその時々での課題を乗り越え、作品としての指針を示す役割を果たしてきた。つまり、ナンバリングシングルは、作品全体の“現在地”を映し出す鏡といえる。それでは、Aqoursは次なるシングルで何を歌うのだろうか。

 シングル『HAPPY PARTY TRAIN』発売後、TVアニメ第2期が放送。今年1月には、完全新作劇場版も公開となった。また、ユニットとしても全国ツアーや海外公演、ファンミーティングツアー開催など、精力的な活動を展開。なかでも、2018年11月の東京ドーム公演は、各メディアでも大々的に紹介された。さらに、同年大晦日には『第69回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)にも出演。彼女たちは、右肩上がりでその“輝き”を強めている。

 前述した東京ドーム公演では、高槻かなこが今回のセンター総選挙について語る場面も。高槻は当日のステージ上で、自身演じる国木田花丸をセンターに立たせたいと強く宣誓。その後、自身のTwitterなどでも「自信を持って私が花丸ちゃんを引っ張っていきたい」と言葉にしてきた(参考:高槻かなこ 公式Twitter)。同作のキャストはそれまで、センター総選挙に対して明確な目標やコメントを濁していた印象がある。だからこそ、高槻のアティチュードは多くのファンにとって革新的に映ったことだろう。普段は内気な花丸の背中を、彼女の最大のファンである高槻が、優しく後押しするような結果となった。

 Aqoursは次なるシングルで、TVアニメ第2期や劇場版を経た上での“決断”を歌うのか。はたまた、センター総選挙で上位3名にランクインした1年生トリオの成長を基軸とするのか。それとも、寺生まれの国木田花丸をフィーチャーして、楽曲はインドのダンスミュージックことバングラビート仕立て、アニメMVでも仏像が次々と飛び出してくる……といった可能性は低いだろうが、思わずそんな期待さえ膨らんでしまう。ひとつだけ思い描けるのは、どんな楽曲にせよ、そこにはAqoursの“現在地”が確と刻まれていることだろう。(青木皓太)

アプリで読む