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三代目JSB今市隆二が俳優デビューへ 日本発の映画祭『SSFF & ASIA in ハリウッド』レポ

リアルサウンド

19/1/19(土) 8:00

 アジア最大級の国際短編映画祭・ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)が、現地時間の1月17日にロサンゼルスのTCLチャイニーズシアターにて、日本の様々な魅力を海外に発信するジャパン・ハウス(外務省)とともに『ショートショート フィルムフェスティバル in ハリウッド』を開催し、LDH JAPANとのコラボレーションプロジェクト『CINEMA FIGHTERS』の第3弾制作を発表。同作にて、三代目 J SOUL BROTHERSのボーカリスト・今市隆二が俳優デビューすることが明かされた。

 SSFF & ASIAは、俳優・別所哲也が中心となり1999年に東京・原宿で誕生し、これまでに延べ40万人を動員。2002年にロサンゼルスで開催されたのをきっかけに、2004年に米アカデミー賞の公認映画祭として認定された。グランプリ作品は、次年度のアカデミー賞短編作品のノミネート候補作品になる。今回のイベントは、2018年に20周年を迎えたSSFF & ASIAのフィナーレとして行われ、日本発の映画祭ということから、ジャパン・ハウスが協賛。レッドカーペットには、ロジャー・ドナルドソン監督やジェイソン・ライトマン監督など現地の映画人の他、LDH JAPANから『CINEMA FIGHTERS』のエグゼクティブプロデューサーであるEXILE HIRO、同映画祭のアンバサダーであるEXILE AKIRAと小林直己、俳優デビューが決定した今市隆二が招かれ、さらにジャパン・ハウスのアドバイザーであるX JAPANのYOSHIKIらが登場した。

 現地のマスメディアも訪れた合同記者会見には、SSFF代表の別所哲也、ジャパン・ハウスLA館長の海部優子氏、在ロサンゼルス日本国領事の千葉明氏、EXILE HIRO、EXILE AKIRA、小林直己、今市隆二、河瀬直美監督、松永大司監督が登壇。海部優子氏は、ジャパン・ハウスの取り組みについて、「日本の良いものを発信して、(国外で)日本を良いと思ってくれる人を増やすのが目的。ハリウッドにジャパン・ハウスがあることで、日本のエンターテインメントを世界に伝えるハブになる」と説明し、千葉明氏は「現地のみなさんが日本に対して抱く好奇心を、“なに?”から“なぜ”に。そのためのコンテンツとして、映画は有効であり、中でもハリウッドは絶好のロケーション。評価を“いただく”のではなく、“取りに行く”という姿勢へ、パラダイムシフトしていきたい」と力説した。さらに別所哲也は、「自分の子どものような映画祭が成人式を迎えた。この映画祭はロサンゼルスでの仕事をきっかけに生まれたので、こちらで20周年を迎えられたのは嬉しい」と感慨を滲ませた。

 エンターテインメントの分野で世界に挑戦しているLDHは、2017年にロサンゼルスに米国支社であるLDH USAを立ち上げている。映画祭の翌日にはちょうど、LDHが運営する総合エンターテインメントスクール「EXPG」のLA校もオープンするところだ。EXILE HIROは、今後の展開について、「日本で自分たちが培ってきたものを、それぞれの夢を乗せて世界に発信していきたい。LDH USAを、そのための場にしたい」と、SSFF & ASIAやジャパン・ハウスと共有するビジョンを明かした。また、アンバサダーのAKIRAと小林直己は、「SSFF & ASIAをここまでの規模に成長させるのは、簡単なことではなかったはず。アンバサダーとして選ばれたことには、嬉しさと同時に責任感も感じる。自分自身も成長して、日本から世界に挑戦できる俳優になりたい」(AKIRA)、「リドリー・スコット監督がゼネラルプロデューサーを務めるNetflixオリジナル映画『アースクエイク・バード』に出演したのですが、その映画では、言語が違って文化が違っても、人は人同士で繋がれるということが描かれている。エンターテインメントは、ボーダーを超える大きな手段になる」(小林直己)と、それぞれに感想を述べた。

 『CINEMA FIGHTERS』でも監督を務めた河瀬直美監督は、ショートフィルムという表現について、「ショートフィルムは20分とかの短い時間なので、そこに観客の想像力を刺激するものが必要となる。深みのあるストーリーを構築するには、世の中に埋れてしまうような物語を掘り起こすようなハングリーさや探究心が必要」と、その奥深さを伝えた。また今回、今市隆二とタッグを組む松永大司監督は、「アメリカで日本映画というと、一般の方々にとっては未だに黒澤明監督とかのイメージだと思う。でも、日本には世界に出ていきたいと考えている監督やアーティストなど、若い才能がたくさんいる。彼らに希望やチャンスを感じてもらうきっかけになりたい」と語った。

 楽曲の歌詞をショートフィルムにする新たなジャンルとして展開している『CINEMA FIGHTERS』について、ミュージシャンとして感想を問われた今市隆二は、「前回の『ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-』の『ファンキー』という作品で、三代目 J SOUL BROTHERSの『東京』という楽曲を起用してもらったところ、石井裕也監督が自分とは全く違う解釈で楽曲を聞いていて、面白い化学反応だと思いました。ミュージシャンと監督が寄り添って、さらにいろいろな作品が生まれたら」と、期待を寄せた。

 ロサンゼルスには珍しく、当日は雨模様だったが、TCLチャイニーズシアターの劇場は満席に。近年、欧米における日本文化への関心は非常に高まっており、この日も日本発の映画祭ということで興味を抱いた観客が多く訪れていたようだった。イベント開始前の挨拶では、AKIRAと小林直己が所属するEXILEが、日本の大人気ボーイズ・グループであると紹介されたことに対し、ジェイソン・ライトマン監督が「君たちがボーイズ・グループ?」と驚き、会場が笑いに包まれる一幕も。また、日本らしさを伝えるために、LDHの面々が日本語でスピーチをする中、小林直己は司会者のリクエストから流暢な英語でのスピーチを敢行。訪れた観客から大きな喝采を浴びた。今回の映画祭の成功は、日本の映画界の未来にとっても着実な一歩となったに違いない。

 EXILE HIRO、AKIRA、小林直己、今市隆二の4名は、記者陣の囲み取材にも応対。ジャパン・ハウスの後援もあり、ハリウッドで『CINEMA FIGHTERS』を上映できたことについて、EXILE HIROは「2016年から始めた『CINEMA FIGHTERS』が、こういう形で上映できたのはすごく嬉しい。継続してアピールしていきたい」と意欲を述べた。また、俳優デビューを発表した今市隆二は、「もともと映画が好きで、イメージを絵にする仕事はいつかしてみたかったこと。2018年にソロ活動を開始して、ブライアン・マックナイトを始めとした海外のアーティストとフィーチャリングしたことで、表現に対する視野が広がり、歌だけではなく、幅広い表現に挑戦してみようと思った」と、俳優業へ挑戦することを決めたきっかけについて明かした。そんな今市隆二に対して、俳優として先輩にあたるAKIRAと小林直己は、「表現者として高いポテンシャルがあるので、初めての演技とはいえ期待ができる。(今市は)三代目J SOUL BROTHERSで、お芝居を求められるMVもやっているので、ファンの方々もお楽しみに」(AKIRA)、「三代目のツアーではいつも、隆二の言葉に心を動かされる。彼の心の底から出てくる表現は一流のもの。今回のチャレンジで新たな表現を手に入れた隆二が、これからどんな歌を聴かせてくれるのか、一人のファンとしても楽しみ」(小林直己)と、それぞれにエールを送った。今市隆二の出演作は、ソロで自ら主題歌も担当し、思い入れのあるロサンゼルスで全編を撮影するという。春頃にクランクインし、秋には公開される予定だ。

 エンターテインメントの世界では今、アジアが大きなキーワードとなりつつある。ジャパン・ハウス、SSFF & ASIA、そしてLDHが手を取り合って開催された今回の『ショートショート フィルムフェスティバル in ハリウッド』で示された、日本のエンターテインメントをLAの地から世界中に発信するというビジョンは、いよいよ現実のものとして実を結びつつあるのかもしれない。

(取材・文=松田広宣)

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