Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

「おかあさんの被爆ピアノ」製作発表の様子。左から武藤十夢、佐野史郎、南壽あさ子。

大杉漣の遺志継ぎ、佐野史郎「おかあさんの被爆ピアノ」で主演!共演にAKB武藤十夢

ナタリー

18/12/17(月) 14:21

佐野史郎と武藤十夢(AKB48)がダブル主演を務める「おかあさんの被爆ピアノ」の製作発表が、本日12月17日に東京・南青山MANDALAで行われた。

広島の原爆から奇跡的に焼け残った“被爆ピアノ”と被爆2世である調律師・矢川光則の実話から着想を得た本作。矢川は、自らトラックを運転して全国に被爆ピアノの音色を届ける活動を行っている。映画は「モノクロームの少女」「レミングスの夏」などで知られる監督・五藤利弘が10年近く温めてきた企画だ。きっかけはテレビドキュメンタリーの取材で五藤が矢川と出会ったこと。ドキュメンタリーでは拾いきれない部分を劇映画を通して伝えたいという思いから、本作の製作に着手した。

映画には矢川をモデルとした調律師・加川と、被爆ピアノの活動をたどりながら自身のルーツと向き合っていく少女・江口菜々子が登場する。日本全国で年間150回ほどコンサートを開く矢川を長く見続けてきた五藤は「矢川さんが平和コンサートをする中で、いろんな方のいろんな思いが被爆ピアノに乗せられて、凝縮していくのを見てきた」と述懐。自身の活動を「平和の種まき」と表現する矢川は「映画で多くの方に被爆ピアノを知ってもらうことが、改めて原爆や平和、戦争のことを考えていただけるきっかけになる。完成が本当に楽しみです」と期待を寄せる。

この日、初めて矢川と対面した加川役の佐野は「非常にシャイな方」とその印象についてコメントし、「(広島・長崎に原爆が投下された歴史に対して)あなたはそれをどう受け止めますか。その事実を言葉ではなく音で伝える。そのシンプルさを全国に届けているんだと理解できる訥々とした語り口の方です」と続けた。菜々子役の武藤は、主演という大役に「うれしさ半分、緊張半分。佐野史郎さんに付いていけば大丈夫という思いでいます」と胸中を語る。10年以上ピアノを習っていた経験もあるそうで「しばらく弾いてないので、ちゃんと練習してから撮影に臨みたいです」と意気込みを見せた。菜々子の父親役を務める宮川一朗太からは、武藤の実の父親と30年以上にわたって友人という意外なエピソードが明かされる場面も。宮川が彼女の父親をモデルに役作りをすると冗談めかして伝えると、武藤は「それは困りますよ! 変な父親ですもん」と笑いながらおどけてみせた。

五藤は2009年にドキュメンタリーを撮影していた頃から、調律師の役を大杉漣に依頼していたことを明かす。「ようやく映画が始動して、今年は広島に一緒に行きましょうという相談をしていた矢先にお亡くなりになりました」と述懐。そこから別役でオファーを受けていた佐野が主演に抜擢された。大杉との共演経験が多い佐野は「責任重大。お互いに音楽が好きで、“漣&史郎”というデュオで演奏したこともあります。腹を割って話し合える数少ない俳優仲間でした」と交流を回想。最後に共演したのが、6月に公開された「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」だったことに触れながら「戦争や震災の問題に関わる作品に出ることが多く、互いにそういった意識を抱えていた。戦争で犠牲になられた方はもちろん、個人的にも漣さんの命を受け止め、そして引き継ぎ、次に受け継いでいきたい。作らなければならない映画があるんだと、今強く思っております」と本作への思いを述べ、「漣さん、見ててください」と締めくくった。

「おかあさんの被爆ピアノ」は2019年初夏にクランクイン。原爆投下から75年を迎える2020年に公開される予定だ。この日は加川の父親の若い頃を演じる城之内正明、菜々子の祖母の若い頃を演じる南壽あさ子も登壇した。なお南壽は主題歌も担当する。

Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play