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エリック・ポッペ

無差別テロ描いた「ウトヤ島、7月22日」の監督が来日「これは過激思想への警鐘」

ナタリー

19/1/31(木) 20:03

「ウトヤ島、7月22日」のトークイベントが本日1月31日に東京・ノルウェー王国大使館で行われ、監督のエリック・ポッペが登壇。映画監督の松江哲明が聞き手を務めた。

本作は、2011年7月22日にノルウェー・ウトヤ島で起きた無差別テロ事件を題材としたもの。発生から終息までの72分間がワンカットで撮影されており、テロに遭遇した少女カヤとその友人たちの姿が、実際の生存者の証言にもとづいた映像で映し出されていく。

ポッペは「2018年のベルリン国際映画祭で上映された際は約1600人の記者が取材に来たのですが、『映画にするのは時期尚早なのでは?』という質問も挙がりました」と回想。「しかし、同席していた事件の生存者の1人が自ら『時期尚早どころか、遅すぎるのではないかと思っています』と答えてくれたのです」と続ける。

さらに、ポッペは西欧諸国で極右思想が台頭していることに言及。「現状を見て思うのは、昔からインターネットで横行してきたヘイトスピーチを我々が見過ごしてきたということ。そしてそれらは、ネット空間だけではなく政治の世界にも浸透している。ウトヤ島の事件も、そのようなヘイトスピーチに扇動された、たった1人の男によって引き起こされました。私は、憎悪に満ちた言葉はやがてこういった大惨事を招くのだということを、この映画で描きたかったのです。ウトヤ島で起こった事件だけを描いたつもりはなく、これは世界中で横行している過激思想への警鐘なんです」と語った。

松江は「少年少女たちが無差別に銃撃された72分という時間を、ほぼリアルタイムで描こうとしていることに勇気を感じました」とコメント。ポッペは「あまりにも多くの生存者が共通して証言していたのが、『あの72分は永遠のように感じた』ということ。本当に勇気を持っていたのは、生存者の皆さんなのです」と述べる。また、ポッペは本作のキャストのオーディションに1年を費やしたことを明かし、「カヤ役のアンドレア・バーンツェンのオーディション映像を観たとき、初めてこの企画が成立するかもしれないと思いました。この子が演じてくれればワンカットで行けるかもしれないと感じたのです」と話した。

現実に起きた事件を扱ったシリアスな作品であることから、終始表情の硬かったポッペだが、上映を前にすると笑顔に。「皆さんにご覧いただく前に、一言申し上げたい。私は日本の文化に触れ、日本映画をたくさん観てきました。黒澤明監督、そして現代なら是枝裕和監督の作品。彼らの映画が、アーティストとしての私を形作っていったのです。ですから、日本人である皆さんにこれから自分の作品を観てもらうことについて、実はナーバスになっているのです」と笑った。

「ウトヤ島、7月22日」は3月8日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国でロードショー。

(c) 2018 Paradox

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