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第3回

ヤン・イクチュンをつくる映画~国境を越える映画人~

心が崩れ落ちるような気持ちになった『君と歩く世界』

月1回

19/1/24(木)

ヤン・イクチュンさんの映画的バックボーンを語ってもらう本連載、2作品めは2013年4月に日本公開された『君と歩く世界』。

事故で両足を失ってしまったシャチの調教師の女性と、その心を開いていく粗野なシングルファーザーをめぐるヒューマンドラマで、両足をなくした女性、という難役に挑んだマリオン・コティヤールの演技は大きな話題に。

イクチュンさんが特に注目したのは、マティアス・スーナールツ演じるシングルファーザー。その理由は?

『君と歩く世界』

─── 『君と歩く世界』。これは、ヤン・イクチュンさんのピュアネスがよくあらわれたセレクトだなあと勝手に思っているんですが。すごくヤン・イクチュンさんらしいなと。

これはすごくシンプルな作品でありながら、心にすんなり入ってくるような作品だと思ったんです。マリオン・コティヤールと、マティアス・スーナールツ。ふたりとも素晴らしい演技を見せてくれましたが、特にマティアスさんに感情移入できました。エンディング近くなんですが、あれだけ男らしいキャラクターである彼が、マリオンさんに電話をかけるところで本当にナイーブなところを見せますよね。

『君と歩く世界』のマティアス・スーナールツ

─── 男性が、危険な状態に陥った息子さんのことを話すところですね。

話した後に、彼女に「愛してる」って言うんですよね。それ以前の彼はそんなことを言う素振りもまったくなくて。兆しさえも、具体的なものはまったくなかった。息子の命が危ない。そんな、彼にとっては最大の危機的状況について話しているときだからこそ、初めて「愛してる」と言いたくなったのか……あのシーンは、心が崩れ落ちるくらいの気持ちになりました。私にとってすごくいいシーンでした。

─── たしかにあのギャップには心を掴まれました。

本当にこの男性はワイルドに生きている男性でしたよね。マリオンさんは事故によって両足を失くし、苦しみの中で生きてきたわけです。そんな彼女が、とても荒々しい男性と出逢ったことで自分は生きているということをまた実感できたと思います。

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