Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

「Le Pere 父」より。(撮影:引地信彦)

「何かしらお持ち帰りになれる」橋爪功が認知症の父演じる「Le Pere 父」開幕

ナタリー

19/2/2(土) 17:51

「Le Pere 父」が、本日2月2日に東京・東京芸術劇場 シアターイーストで開幕した。

本作は2012年にフランス・パリで初演され、14年にはモリエール賞最優秀脚本賞を受賞した“哀しい喜劇”。日本初演となる今回は、フランスオリジナル版を演出したラディスラス・ショラーが日本で初の演出に挑む。本作の軸となる認知症の症状がある父親・アンドレ役は橋爪功が務め、娘・アンヌ役を若村麻由美が担当。2人の周囲の人々には壮一帆、太田緑ロランス、吉見一豊、今井朋彦がキャスティングされた。

本作のストーリーは、記憶や時間が混迷していく父の視点でつづられる。若い看護師からの電話で、娘のアンヌは80歳の父・アンドレが1人で暮らすアパルトマンに駆け付ける。アンドレは看護師が自分の腕時計を盗んだ悪党だと言いはる。しかし、アンヌに指摘されると、その腕時計はいつもの秘密の場所に隠してあり……。

開幕に際し橋爪は、「日本の多くの俳優さんにラッド(ラディスラス・ショラー)の演出を経験してほしいと思うほど、明快で明晰な演出でした」とショラーに信頼を寄せ、「セリフが完全に入っていない時は共演の皆さんにはご迷惑をおかけしたこともあり、申し訳ありませんでした(なんてね、謙虚です)。多くの方々に劇場にいらしていただき、この作品をお楽しみいただきたい。何かしらお持ち帰りになれるモノがあると思います」とメッセージを送っている。

上演時間は約1時間50分。東京公演は2月24日まで行われ、3月2・3日に長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター、3月6日に高知・高知市文化プラザかるぽーと 大ホール、3月9・10日に愛知・愛知県産業労働センター ウインクあいち、3月16・17日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、3月21日に長野・まつもと市民芸術館 小ホールと巡演する。

ラディスラス・ショラー コメント

私たちの仕事の成果を舞台で見ることに胸躍らせています。同時に、日本の観客がこの作品にどのように反応するのか、非常に興味があります。フランスのように笑うのか? それは同じ箇所で?
私の演出作品が母国からこんなに遠い場所で上演されるのは初めてなのです……。
稽古は、率直に言って、素晴らしくうまくいきました。言語の違いは、制作側が選んだ優秀な通訳のおかげで障壁とは感じませんでした。フランスと同じリズムで仕事をし、日本の俳優の傾聴力や、フランス人である登場人物を体現する能力に感銘を受けました。そして、橋爪さんと若村麻由美さんは、非常に違う種類の俳優だと思いました。麻由美さんは人の話を聞き、パフォーマンスの完璧さを追求しつつ、役に入り込むのに時間をかけます。橋爪さんは稽古のたび、私の提案の方向性に沿いながらも、何かしら違うことを編み出します。この2人のは俳優の共演は、間違いなくマジカルなものになるでしょう。
フランスの偉才フロリアン・ゼレールの戯曲の公演をぜひ観に来てください。彼のドラマティックな文体が、今回素晴らしいチームによって演じられます。もろく複雑で非常に人間的な登場人物たちに、皆さんは必ず自分自身を見出すことでしょう。時には笑うことでしょう。そして、私自身と同じく、皆さんがこの「父」に心揺さぶられることを願っています。

橋爪功コメント

日本の多くの俳優さんにラッド(ラディスラス・ショラー氏)の演出を経験してほしいと思うほど、明快で明晰な演出でした。ラッドは俳優への演技指導もとても的確で、演劇への愛に満ち溢れた素敵な演出家です。
ラッドと共演者と共に地道に稽古を積み重ねる事ができました。セリフが完全に入っていない時は共演の皆さんにはご迷惑をおかけしたこともあり、申し訳ありませんでした(なんてね、謙虚です)。
多くの方々に劇場にいらしていただき、この作品をお楽しみいただきたい。何かしらお持ち帰りになれるモノがあると思います。

若村麻由美コメント

初来日のラッドは、言語の壁を超え、演者の内面を見抜いて次々と具体的に解決する、作品と出演者への愛に溢れた演出家です。全稽古が終了した時、橋爪さんがおっしゃった「イイ稽古だった」の一言に思わず涙ぐんで声をつまらせたラッドを忘れられません。
共演の皆様は、演出家の言葉を即体現出来る実力派揃いで刺激的なお稽古場でした。橋爪さんのアンドレは卓越した技術と魂を刻む圧巻のJAZZ演奏のようです。胸をお借りして、娘アンヌの苦悩と選択を多彩に描きたいと思います。
この作品は、父親の錯綜する記憶の混乱を観客も同じように体験するスリリングな芝居です。人と時系列の辻褄が合わないのは当然なので、安心して笑って頂き涙して頂ければ、大きな物を持ち帰って頂けると思っております。

「Le Pere 父」

2019年2月2日(土)~24日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト

2019年3月2日(土)・3日(日)
長野県 サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター

2019年3月6日(水)
高知県 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール

2019年3月9日(土)・10日(日)
愛知県 愛知県産業労働センター ウインクあいち

2019年3月16日(土)・17日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2019年3月21日(木・祝)
長野県 まつもと市民芸術館 小ホール

作:フロリアン・ゼレール
翻訳:齋藤敦子
演出:ラディスラス・ショラー
美術:エマニュエル・ロイ
出演:橋爪功、若村麻由美、壮一帆、太田緑ロランス、吉見一豊、今井朋彦

※「Pere」の1つ目のeはアクサングラーブ付きが正式表記。

アプリで読む