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フー・ボー監督の長編デビュー作にして遺作 『象は静かに座っている』11月公開決定

リアルサウンド

19/6/17(月) 10:46

 第18回東京フィルメックスに正式出品された『象は静かに座っている』が、11月にシアター・イメージフォーラムほかにて公開されることが決まった。

参考:ハリウッドを揺るがすアジアンカルチャーの台頭とナラティブの変化 サンダンス映画祭現地レポート

 ベルリン国際映画祭では国際批評家連盟賞と最優秀新人監督賞スペシャルメンションW受賞、金馬奨では作品賞、脚色賞、観客賞のトリプル受賞を果たした本作は、29歳の俊傑フー・ボー監督の長編デビュー作にして遺作となった、年齢、性別の違う4人のある1日を描いた物語。

 中国、炭鉱が廃れ世間に見放された小さな田舎町に4人の男女がいた。暴力で自分を守る男、将来の目的を見出せない少年、教師と関係を持つ少女、家族に突き放された老人。生きることに疲弊しながらも、いまを抜け出す希望の光がいつか差し込むその瞬間をただ待っていた。北の僻地・満州里の動物園にいる、1日中ただ座り続けているという奇妙な象の噂は、くすぶり続けていた4人の心を魅了した。象はなぜ座っているのか。答えの先に無意味な日々の終わりを求めて歩き出す。

 デビューと同時に世界を魅了した29歳の新人監督フー・ボー。作家としての顔も持ち自身の著書『大裂』の中でも最も気に入っているという短編『象は静かに座っている』を映画化した。ハンガリーの巨匠タル・ベーラを師と仰ぐフー・ボーの作り上げた映像は、長回しのカットや、日中の自然光にこだわったライティング、登場人物の立ち位置からカメラのアングルの細部にまでこだわり、上映時間は3時間54分におよぶ。

 本作のの完成後、フー・ボーは自ら命を絶ち、本作はフー・ボーにとって生涯ただひとつの“命を懸けた”最初で最期の作品となった。「世界の美しさには秘密が隠されていると彼は思った。世界の心臓は多大な犠牲を払って脈打っており、世界の苦悩と美は様々な形で均衡を保ちながら関連し合っていて、思慮の入る余地のないこうした欠落の中、究極的には一輪の花の幻影を得るために、多くの生物の血が流されるかもしれないのだ」。アメリカの著名な小説家コーマック・マッカーシーの言葉からの引用であるこの文章は、本作の主題でもあると生前のフー・ボーは語っている。(リアルサウンド編集部)

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