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やなぎなぎが語る、自身のキャリアと現在のモード「“音楽を作る理由”は昔からあまり変わってない」

リアルサウンド

19/1/8(火) 16:00

 やなぎなぎが、2019年1月9日にベストアルバム『やなぎなぎ ベストアルバム -LIBRARY-』と『やなぎなぎ ベストアルバム -MUSEUM-』をリリースした。

 同作はアニメ作品のテーマソングを中心に各15曲を選曲。それぞれに新曲も用意されており、『-LIBRARY-』には「BiblioMonster」、『-MUSEUM-』には「continue」が収められているほか、ライブツアー『ナッテ』とコンセプチュアルライブ『color palette 〜2018 Black〜』から映像・ライブ音源も収録されるなど、豪華仕様となっている。

 今回はこのベスト盤2作品について、やなぎなぎにインタビュー。改めて自身のキャリアを振り返るとともに、新曲やライブ映像・音源、現在のモード、今後の展開についても語ってもらった。(編集部)

「『ビードロ模様』のことは片時も忘れたことがない」

ーー今回の『-LIBRARY-』と『-MUSEUM-』は、やなぎさんにとって初のベスト盤になりますね。

やなぎ:ひとつひとつの作品を制作する時はそこに集中して作ってきたので、それを別の形でまとめようという気持ちは私の中に全然芽生えてなかったんです。でもファンの方から「なぎさん、そろそろベストを出さないんですか?」と言われるようになって「そういえば……」と思って(笑)。しかも今までに結構な枚数の作品を出してるので、今回は2枚同時リリースという形になりました。

ーーやなぎさんは2012年にNBCユニバーサルからメジャーデビューされてから、現在までにシングルを19枚、アルバムを4枚発表されてます。ここまでの活動を振り返って、あらためて特別な気持ちを抱いたりは?

やなぎ:制作してる時はとにかく「新しいものを作るぞ!」という気持ちしかないので、自分ではこのベスト盤の選曲をしてるときに「こんなにたくさん作ってたんだ」と思ったぐらいで。でも、あらためて振り返ってみると、ありがたいことにこんなにコンスタントにアルバムやシングルを出させてもらえてたんだなあと思いました。ここまでやらせていただけることはなかなかないことでしょうし、私は自分のワガママを通してもらうことも多いので(笑)。

ーーそうなんですね(笑)。

やなぎ:パッケージのデザインを決める時も、まず最初に言えるだけの無茶を言って、そこから引き算をしていく感じなんです(笑)。「ここまで言っておけば、もしそれが無理だったとしても、ここまでは出来るかも……」とか計算したりして。そしたら途中からだんだん私が提案される側になってきて、最近ではレーベルのスタッフの方から「こんなことも出来ます!」と言われるようになりまして(笑)。なので自分の好きなことをたくさんやらせていただいてますね。

ーー今回のベスト盤で言うと、どんなところで自分の好きなことを詰め込んだのでしょう?

やなぎ:今回は選曲も自由にやらせていただいて、もちろんシングルの表題曲は全て収録してますし、その他にもカップリングの中でも特に思い入れのある楽曲や、ライブでの定番曲も入れさせてもらったんです。例えば「テトラゴン」(2ndアルバム『ポリオミノ』収録曲)はシングルだけで私の作品を辿ってきた人にはきっと馴染みのない曲だと思うんですけど、ライブでいろんなアレンジを披露してきた思い出深い曲でもあるので、ベスト盤には入れたくて。なかなか絞り切れなかったですけど、今まで自分が出した曲の中で今の自分がベストと思える曲を集めました。

ーーシングルのカップリング曲で言うと、「You can count on me」と「mnemonic」は両方とも6thシングル『アクアテラリウム』に収められていたもので、このシングルからは表題曲を含む3曲全てが今回のベスト盤に収録されています。

やなぎ:「アクアテラリウム」は『凪のあすから』のEDテーマで、初めて石川智晶さんとご一緒して作った曲なんですけど、その時に作品からも智晶さんからもすごく影響を受けて、「mnemonic」はその刺激を受けて書いた曲なんです。「You can count on me」は自分のライブをどのように育てていくかを考える中で「絶対にみんなと楽しむことだけを意識した曲を作ろう」と思って作った曲で。その時期はデビューからいろいろと活動してきたことで、さまざまな影響を受けたり、ファンの方とのライブでの距離感が出来上がってきた頃だったんですよ。

ーー今回のベスト盤はそれぞれ『-LIBRARY-』『-MUSEUM-』というタイトルがついてますが、こちらにはどんな意味が込められてるのでしょうか?

やなぎ:今回は2枚同時リリースになるので、両方とも同じベスト盤という枠にありつつも、それぞれ独立して聴けるものにしたかったんです。『-LIBRARY-』の方は自分で読み返したい、聴き返したいと思える曲を中心に選んで、『-MUSEUM-』の方は遠くから「いいなあ」と思いながら、ずっと眺めたくなる曲を中心にセレクトしました。

ーー自分の中で楽曲に対する距離感の違いがあるんですね。

やなぎ:そうですね。例えば『-LIBRARY-』に入ってる「You can count on me」は、飾っておくというよりも、聴いたり、歌ったり、ライブで演奏することによって変化していく曲だと思いますし、『-MUSEUM-』で言えば「瞑目の彼方」は綺麗に飾っておきたいというか、最初の印象を無くしたくないという印象がありますし。そういうイメージで曲を振り分けました。

ーーいわば「ライブで成長していく楽曲」と「音源として愛でたい楽曲」という意味合いでの分け方にもなっていると。どの曲も思い入れは深いと思いますが、あえてターニングポイントや転機になった曲を選ぶとしたら?

やなぎ:そうですね……「瞑目の彼方」を鷺巣(詩郎)さんと一緒に制作したときは、この曲自体、私がデビュー前に作っていたような北欧のエレクトロニカという自分のルーツに近い曲調だったので、そこでデビュー前の自分やデビュー後に歌ってきた曲のことを考えたことがあって。その時に、自分の中にある「音楽を作る理由」は昔からあまり変わってないんだと改めて思ったんですね。

ーーその理由というのは?

やなぎ:私は昔、人に何かを伝えることがすごく苦手だったので、それなら自分でゼロから何かを創作して、それが人に伝わっても伝わらなくても自分というものを形にして残しておきたいと思って、音楽を作り始めたんですね。その頃に作っていた曲はエレクトロニカだったり、わりと自己満足というか、別に誰かが聴いて退屈だと思ったとしても「自分が聴きたい曲はこれだ!」というものが詰まっていて。その後にデビューして、いろんなジャンルの音楽をやってきましたけど、自分が今聴きたいものを自分のために作っているという部分は、今でもあまり変わってないことに気づいたんです。

ーー今までのシングルの表題曲はほぼ全てアニメ作品とのタイアップ曲ですが、その条件の中でも「自分の聴きたい音楽」という軸はちゃんと貫いた上で制作してこられたと。

やなぎ:そうですね。歌詞を書くにしても、作品に寄り添いはしますけど、その作品そのものを書いてるわけではなくて、作品から受けた影響で「自分だったらこういうのがいいな」という風に、作品のスピンオフみたいなイメージで仕上げていくので。なので、もちろん作品のことは意識しますけど、常に「自分ならこういうものが観たい/聴きたい」というものを作ってます。

ーーやなぎさんはオリジナルアルバムを制作する際も、それまでのシングル曲を収録しつつ、アルバムの最初と最後に必ず自作曲を置いてコンセプチュアルな内容でまとめるじゃないですか。今回のベスト盤でも、そういう意味で工夫されたところはありますか?

やなぎ:今回もただのベストというわけじゃなく、『-LIBRARY-』と『-MUSEUM-』というタイトルの作品として作ったので、曲順に関しても『-MUSEUM-』は博物館を巡るようなイメージで順路を辿るように並べています。例えば、一番初めには博物館の目玉とは言わないまでも目を惹くものが置いてあって、最後には一番の目玉になる展示が置いてある、という感じで。私自身が見せたいものをこういう順路で見てほしい並びになってます。

ーーその例えで言うと、『-MUSEUM-』の一番最後に収録されてるのはデビュー曲の「ビードロ模様」なので、やなぎさんにとってはこの曲が一番の目玉曲ということですよね。やはり自分の中で特別感があるのでしょうか。

やなぎ:やっぱり一番付き合いの長い曲ですし、「ビードロ模様」のことは片時も忘れたことがないですから(笑)。今でも思い出すんですけど、このシングルの発売日(2012年2月29日)に(東京で)めちゃくちゃ大雪が降ったんですよ。雪が降る中、お店まで行って、CDが並んでるのを見たりしたので、余計に印象に残ってるんです。

ーーこの曲はTVアニメ『あの夏で待ってる』のEDテーマでしたが、『-MUSEUM-』にはOVA『あの夏で待ってる 特別編』のEDテーマ「point at infinity」も収録されています。『あの夏』はやなぎさんにとっても印象深い作品だった?

やなぎ:そうですね。初めてのタイアップだったということもありますけど、作品のこともすごく好きになりましたし、思い入れはすごくあります。聖地(アニメの舞台)になってる長野の小諸市も、夏になるといまだに人が訪れるみたいですし、イベントも開催されたりしてますし、長く愛されてる作品ですよね。

ーーもう一方の『-LIBRARY-』の曲順はどのようなイメージですか?

やなぎ:『-LIBRARY-』は「読み返したくなるもの」がコンセプトなので、ひとつの文学作品のようなイメージなんですけど、1曲目は「ユキトキ」のスタートダッシュでバーッと始まって、最後はライブの定番曲になってる「You can count on me」で締めているので、読み終わるとめちゃくちゃみなぎる作品というか(笑)。みなさんにはこれを聴いて元気になってもらいたいですし、繰り返し聴いてもらえたらと思っています。

ーーあと、『-LIBRARY-』は「ユキトキ」、『-MUSEUM-』は「over and over」が1曲目なので、両方とも北川勝利さんの提供曲で始まるんですよね。

やなぎ:そうなんです。どちらも北川さんの曲から始まって、最後から2番目の曲も北川さんの曲(「春擬き」と「ターミナル」)という構成になってます(笑)。北川さんは曲の世界にグッと引き込むのがお上手な方で、曲の中に「これから物語が始まるぞ!」っていうワクワク感がすごくあるので、作品の導入としては一番というイメージがあって。「今から何が始まるんだろう?」という気持ちにしてくれるんですよね。

ミト・前山田健一らと組んだ新曲群の裏側

ーーそして今回のベスト盤は両作品に新曲を1曲ずつ収録してます。『-LIBRARY-』収録の「BiblioMonster」は「Biblio(=本の虫)」を冠したタイトルからして、『-LIBRARY-』のコンセプトに沿った楽曲ですね。

やなぎ:「本が好きすぎて、本の虫を超えてモンスターになってしまう」という曲なんですけど、別におどろおどろしい感じではなくて(笑)。この曲はミトさんに作っていただいたんですけど、「一番ミトさんを感じられる音で作ってほしい」という風にお願いしました。

ーー「ミトさんを感じられる音」というのは?

やなぎ:私はクラムボンの初期の曲が特に好きで、ミトさんが以前に豊崎愛生さんに提供されてた楽曲(「Dill」「music」)もかわいらしくて大好きだったんですよ。私が以前にミトさんとご一緒した曲(南條愛乃 feat.やなぎなぎ「一切は物語」)は、良い意味でそういうミトさんらしさを裏切る曲だったので、今回はよりミトさんらしさのある曲にしていただこうと思って。

ーーたしかにワーナーミュージック時代のクラムボンにも通じる軽やかなポップサウンドに仕上がっています。一方、『-MUSEUM-』に収められた新曲「continue」は前山田健一さんが作編曲を手がけてます。

やなぎ:この曲は『エンゲージプリンセス 〜眠れる姫君と夢の魔法使い〜』というゲームの主題歌なんですが、曲はもともと前山田さんが書かれることが決まっていたので、私は曲の制作自体にはそれほど関与してなくて、いただいた曲になります。歌詞は私が書いたんですが、ゲームのコンセプトが「出会い」で、制作されてる方も「ネットでの出会いがあるから今の自分がある」という思いでゲームを作られてるというお話を聞いたので、私も「出会い」をテーマに歌詞を書いてみました。

ーー新しい出会いへの期待や喜びが表現された歌詞になってますね。

やなぎ:サウンド面でも前山田さんがいろんな展開を詰め込んで忙しい曲になっているので、たぶん一回聴いただけではよくわからないところもあると思うんですけど(笑)、すごく楽しい曲になりました。新曲はどちらもアッパーな感じになったので、ライブでも映えるのではないかと思います。

ーー今回の新曲も含め、これまでの活動の中でいろんなクリエイターやアーティストの方々と制作してこられましたが、あらためて印象に残っている出会いはありますか?

やなぎ:どなたも素敵な方ばかりですけど、新海誠監督に実際にお会いできたことはすごく印象に残ってますね。「クロスロード」では歌詞を書いていただいたんですが、この曲はいい意味で他とは色が違って、自分の中になかったものを引き出していただいたと思うんです。新海監督は音楽とは別の分野で活躍されてる方ですけど、作品に対する考え方が素晴らしいなあと思って。最近だと(「未明の君と薄明の魔法」を編曲した)保刈(久明)さんも大好きな方なので、まさかお会いしてアレンジしてもらう未来があるとは思ってなかったですし、会いたい人にどんどん会えてることが怖いくらいですね(笑)。

ーー新海監督からは今回のベスト盤リリースに際してのコメントもいただいてますが、ご自身の創作活動に影響を受けた部分もある?

やなぎ:そうですね。もともと新海監督の作品は好きだったので。一番最初に観たのは『彼女と彼女の猫』というショートフィルムだったんですけど、ちょっとした日常の切り取りをすごく印象的に描かれてて、シンプルなのにここまで心に刺さるものを作れるんだと思ったんですよ。もちろんどの作品も好きなんですけど、この作品は特に好きなんですよ。私もわりと内面の世界を外に出すことが多いので、他の人が見ている内面の世界というのは、心がすごくえぐられるんです(笑)。

ーーZ会のCM用に作られた短編アニメ『クロスロード』で初めてご一緒されたわけですが、また機会があれば新海監督とお仕事をしたいですか?

やなぎ:でも好きな人の作品だと、好きすぎて客観視できなくなるので難しいと思うんですよ。何も考えずに作品を楽しみたいのに、自分が関わることによっていろいろと考えがら観なくちゃいけないのは嫌ですし(笑)。私は自分が関わるよりも、「この人が音楽をやると絶対にいい!」と思える人にやっていただいたほうがうれしいと思います(笑)。

ーーそして今回のベスト盤は初回限定盤の特典も充実の内容で。『-LIBRARY-』には2018年のツアー『やなぎなぎライブツアー2018 ナッテ』より、Zepp DiverCity Tokyoでのファイナル公演の模様を全曲収録したBlu-rayが付属します。

やなぎ:『ナッテ』(4thアルバム)を携えたツアーは自分の好きなものをさらけ出す公演だったので、そういう意味でもちゃんと形にして残しておきたかったんです。このファイナルでは、地方の公演では出来なかった映像の演出も入れることができましたし、スタッフのみなさんのお力であれだけ良いものを作っていただいたので、たくさんの方に観ていただきたいという気持ちもありますし。

ーーもう一方の『-MUSEUM-』の初回限定盤の特典は、この11月に5日間連続で行われたコンセプチュアルライブ『color palette 〜2018 Black〜』より全14曲のライブ音源を収めたCDです。こちらは各公演で楽器の編成が異なる、小人数でのアコースティックライブということで、歌の表現がより生々しく伝わってくる印象を受けました。

やなぎ:音数が少なくなるとごまかしが効かないですし、そういう意味でも今回はより歌に集中して歌ってましたね。

ーーやなぎさんのボーカリストとしての表現力の高さとすごみをあらためて感じさせる、素晴らしい音源だと思います。5日間連続で、しかも毎日楽器の編成を変えてライブを行ってみて、いかがでしたか?

やなぎ:今までの最長記録だった3日目を超えると逆に楽しくなりましたね(笑)。やっぱり1日目は「どうしよう?」という気持ちが強かったんですよ。ハープとやるのは私も初めてだったし(1日目はピアノとハープという編成だった)、これから5日間通して歌わなくちゃいけないと思うと、先のことを考えてどこかでセーブしてたと思うんですね。でも、3日目になると、もうそんなことは気にせず好きに歌おうと思って。そこからははっちゃけるようになって、5日目には「もう5日目なんだ!」と思ったぐらいでした。振り返ると楽しかったし、それぞれの日によって違う私がいたんじゃないかと思います。

ーー今回CDになったライブ音源には、キリンジ「エイリアンズ」や七尾旅人「サーカスナイト」、小川七生「月灯りふんわり落ちてくる夜」といったカバー曲が含まれていますね。

やなぎ:はい。「月灯り〜」は以前にも音源で発表してるんですけど(2ndアルバム『ポリオミノ』初回限定版の特典CDに収録)、今回はハープが入って全然違うアレンジになってます。「エイリアンズ」にいたっては(伴奏が)バイオリンのみという編成で歌ってて。

ーー「エイリアンズ」でのなぎさんの歌は若干コブシの入りそうな感じがあって、ご自身の楽曲を含めどの曲も原曲とはまた違った歌い方を追求されてるように感じました。

やなぎ:(「エイリアンズ」は)バイオリンと1対1で歌うのはなかなかチャレンジなことだったので、しっかり歌わないと曲として成立しないと思ったんです。どの曲もアレンジが違うこともありますけど、原曲のことは一回忘れて歌ってるので、オール新曲みたいな気分で歌ってはいましたね。

ーーNBCユニバーサルからデビューしてからは、それまであまり経験してこなかったライブ活動も定期的に行うようになりましたが、キャリア初期に比べてライブで歌う自信もついてきたのでは?

やなぎ:自分の中で自信がついたというより、お客さんに対する信頼ができたというのが大きいかもしれませんね。自分自身はもちろん今でもライブで歌うのは緊張しますし、時々は迷いもあったりするんですけど、ライブのお客さんは私の歌を聴きたくて来てくださる方ばかりなので、今はその安心感があるんです。

ーーそのことによって、以前より思い切りよく歌えるようになったりとか?

やなぎ:そうですね。歌もそうですし、最初はMCも何を話せばいいのか全然わからなくて。「私は別に面白い日常も送ってないし、みんなは私の話を本当に聞きたいのか?」と思ってたんですよ(笑)。でも、だんだんそういうことじゃなくて、みんなは私という人物を見に来て、曲を聴くのを楽しみにして来てくれてるんだなと思うようになって。いろんな曲を歌ったり、曲をアレンジしてみても、来てくれるみんなは受け入れてくれるので、それがわかってからは落ち着いてステージに立てるようになったんです。そこが最初の頃と比べるとすごく変わったところだと思います。

「人のために何かを考えることが楽しい」

ーー2018年は『NBCUniversal ANIME×MUSIC FESTIVAL』という大規模なライブにも参加されて、2019年1月には『リスアニ!LIVE』で日本武道館のステージにも立つ予定ですし、ライブアーティストとしての自覚も生まれてきたのではないかと思うのですが。

やなぎ:どうなんでしょうね? 自分では緊張が少しはなくなったかなというぐらいなんですけど。いまだに「なんで人前で歌ってるんだろう?」って思う時もありますから(笑)。私はなるべく表に出ないように生きてきたのに。

ーー今回の初回限定版の特典で味わえるやなぎさんのライブの魅力を考えると、明らかに表に出た方がいいと思いますけど(笑)。

やなぎ:そう言っていただけるとありがたいんですけどね。ライブはやってしまうと楽しいんですけど、やるまでは億劫になることもあるんです。

ーーとはいえ、2019年3月からは今回のベスト盤を携えたツアー『やなぎなぎライブツアー2019 -LIBLARY-& -MUSEUM-』も行われるということで。今のところ台北や香港を含む全13公演が発表されてますね。

やなぎ:はい。今回は会場ごとに「バンドver」と「アコースティックver」の2パターンがあるので、座って観たい方はアコースティック、盛り上がりたい方はバンドのどっちに来ていただいてもいいですし、もちろん両方来てもらっても楽しんでいただけるようにしようと思ってまして。私はいろんなタイプの曲を歌ってきたので、聴く方もそれぞれの聴き方があると思うんですよ。もちろん自分が聴きたいように聴いてもらえるのが一番うれしいんですけど、どうぜなら割り切って「バンドver」と「アコースティックver」のどちらでも好きなほうを観られるようにしたほうが、来てくれる人も安心して観てもらえるのかなあと思って。周りが立ってると自分も立たなきゃと思ったりして気を遣っちゃうじゃないですか。そういう思いはあまりしてほしくないので。逆にこれを機会に普段は座りで観てる人が、スタンディングでバンドを観ていただければいいなとも思いますし、自分が普段観てない目線で観てもらえるライブにできたらと思っています。

ーーさて、待望のベスト盤リリースから始まる2019年、新たに挑戦したいことはありますか?

やなぎ:2019年に限らず、毎年ライブで行ける場所をちょっとずつ増やしていきたいんです。今度のツアーでは青森と静岡に初めて行くんですけど、いずれは47都道府県にどんな小編成や小さな会場でもいいので回りたいなあと思っていて。

ーーやっぱりライブをやりたいんじゃないですか。

やなぎ:う〜ん……ライブがやりたいというより、せっかくお客さんとの信頼ができてるのに、会えないのはもったいないと思うんですよね。だから応援してくれる人に会いに行きたいという感じです。そこにライブが付いてくるみたいな(笑)。

ーー優しいですね(笑)。ライブ以外でやりたいことは?

やなぎ:いろいろあるんですけど……自分の曲も作りたいですけど、最近は誰かのために曲を書く機会が増えてきてるんです。私は昔から誰かをプロデュースしてみたい気持ちがあって、自分で作ったけど自分の声では歌えない曲を誰かに歌ってもらいたいと思っていて。歌ってくれる人の声のイメージで曲を書いてると面白いですし、実際にレコーディングで歌ってもらったときにバチッとハマるとすごくうれしいんですよね。なのでもっといろんな人に曲を提供できたらと思います。

ーーそういえば声優の鈴木みのりさんの1stアルバム『見る前に飛べ!』に「astro traveler」という曲を提供されてましたね。

やなぎ:はい。来年にはこの子ちゃんという子に書いた曲(この子の1stアルバム『Inseparable』に収録予定)もリリースされますし、今は『色づく世界の明日から』のキャラソンを書かせていただいてて、石原(夏織)さんにも歌っていただく予定なんです。それとできれば男性ボーカルの方にも曲を書いてみたいんですよね。今まで男性の方に曲を書いたことはないので、どうなるのかなあと思って。

ーープロデューサーや作家的な側面をより前に出していきたいと。

やなぎ:新しい扉が開けると思うんですよ。人のために何かを考えることが楽しいし、うまくハマッた時の快感が忘れられなくて、病みつきになるんですよね。興味のある方がいたらお声がけください(笑)。

(取材・文=流星さとる)

■リリース情報
『やなぎなぎ ベストアルバム -LIBRARY-』
発売:2019年1月9日(水)
価格:初回限定盤(CD+特典BD)¥4,500+税
通常盤(CDのみ)¥3,000+税

<CD収録内容>
01.ユキトキ(TVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」OPテーマ)
02.here and there(TVアニメ「キノの旅-the Beautiful World- the Animated Series」OPテーマ)
03.テトラゴン
04.時間は窓の向こう側(TVアニメ「時間の支配者」EDテーマ)
05.ラテラリティ(TVアニメ「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」EDテーマ)
06.カザキリ(TVアニメ「ノルン+ノネット」OPテーマ)
07.間遠い未来(TVアニメ「覇穹 封神演義」EDテーマ)
08.無形のアウトライン(TVアニメ「覇穹 封神演義」新EDテーマ)
09.Esse(日本テレビ スペシャルドラマ「殺人偏差値70」挿入歌)
10.クロスロード(Z会アニメーションCM「クロスロード」テーマソング)
11.BiblioMonster *新曲
12.三つ葉の結びめ(TVアニメ「凪のあすから」新EDテーマ)
13.夜明けの光をあつめながら(日本テレビ「バズリズム02」2018年1月EDテーマ)
14.春擬き(TVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」OPテーマ)
15.You can count on me

<特典BD 収録内容>※初回限定盤のみ
『from Live “やなぎなぎ ライブツアー2018「ナッテ」”』
01.snowglobe
02.時間は窓の向こう側
03.あなたはサキュレント
04.スーパーヒーロー
05.over and over
06.here and there
07.relaxin’ soup feat. DJみそしるとMCごはん
08.海を込めて
09.間遠い未来
10.behind
11.play of color
12.一切は物語
13.瞑目の彼方
14.無形のアウトライン
15.砂糖玉の月
16.目覚めの岸辺
17.夜明けの光をあつめながら
18.natte
19.春擬き
20.rooter’s song
21.メルト -10th ANNIVERSARY MIX-
22.ビードロ模様

『やなぎなぎ ベストアルバム -MUSEUM-』
発売:2019年1月9日(水)
価格:初回限定盤(CD+特典CD)¥3,800+税
通常盤(CDのみ)¥3,000+税

<CD収録内容>
01.over and over(TVアニメ「Just Because!」OPテーマ)
02.point at infinity(OVA「あの夏で待ってる 特別編」EDテーマ)
03.continue *新曲(PCブラウザゲーム『エンゲージプリンセス ~眠れる姫君と夢の魔法使い~』主題歌)
04.トコハナ(TVアニメ「ブラック・ブレット」EDテーマソング)
05.Zoetrope(TVアニメ「AMNESIA」OPテーマ)
06.Ambivalentidea(TVアニメ「ヨルムンガンド」EDテーマ)
07.瞑目の彼方(TVアニメ「ベルセルク」EDテーマ)
08.アクアテラリウム(TVアニメ「凪のあすから」EDテーマ)
09.mnemonic(TVアニメ「凪のあすから」挿入歌)
10.オラリオン(TVアニメ「終わりのセラフ」名古屋決戦編 EDテーマ)
11.Sweet Track(日本テレビ系 「スッキリ!!」2014年 12月テーマソング)
12.未明の君と薄明の魔法(TVアニメ「色づく世界の明日から」EDテーマ)
13.砂糖玉の月(TVアニメ「キノの旅-the Beautiful World- the Animated Series」EDテーマ)
14.ターミナル(日本テレビ系「バズリズム」2016年4月OPテーマ)
15.ビードロ模様(TVアニメ「あの夏で待ってる」EDテーマ)

<特典CD 収録内容>※初回限定盤のみ
『from Live “color palette ~2018 Black~”』
01.2つの月
02.ラテラリティ
03.トコハナ
04.オラリオン
05.カザキリ
06.サーカスナイト
07.エイリアンズ
08.月灯りふんわり落ちてくる夜
09.想像の君
10.mnemonic
11.砂糖玉の月
12.CorLeonis
13.夜天幕
14.link

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