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米津玄師、星野源からTWICE、DA PUMPまで 2018年注目された“踊るMV”の傾向を探る

リアルサウンド

18/12/23(日) 10:00

 先日の『YouTube FanFest Music』で発表された、YouTubeで最も注目を集めた2018年の国内音楽動画ランキング「国内年間トップトレンド音楽動画2018」。TOP10のうち、1位の米津玄師や4、9位の星野源、8位のWANIMAはサブスクリプションサービスに楽曲を解禁しておらず、YouTubeがライトユーザーたちからも高い支持を集めている事情も反映されていると思われるが、このランキングから2018年にユーザーの注目をさらったMVの傾向を探ってみた。

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 例年強いヒットドラマのタイアップ曲については、1位の米津玄師「Lemon」(ドラマ『アンナチュラル』主題歌)のほか、ドラマの主演俳優・山﨑賢人を全面的にフィーチャーした菅田将暉の「さよならエレジー」(『トドメの接吻(キス)』主題歌)、主人公・楡野鈴愛の類まれなクリエイティビティをヒントに、世界観を膨らませた星野源の「アイデア」(NHK連続テレビ小説『半分、青い。』主題歌)がランクインした。

 そしてここ近年強い影響力を持つのが、2016年の星野源の“恋ダンス”をはじめとした踊るMVだが、今年は菅田、WANIMAを除く楽曲に、多様なダンスの要素が織り込まれている。米津の「Lemon」では、近年音楽シーンからも注目を集めている、感情を波形のようになめらかな振りで表現するコンテンポラリー系のダンサー・吉開菜央を起用。

 DA PUMPの「U.S.A.」では、アメリカのヒップホップアーティスト・ブロックボーイ JBのMVから全世界で注目されたSHOOTを、“いいねダンス”と親しみやすく言い換えてフィーチャー。TOP10に3曲を送り込んだTWICEはキュートなフォーメーションダンスが身上だが、6位の「Candy Pop」では本人たちと『ラブライブ!』などのヒットで知られる京極尚彦監督が手がけたアニメキャラが同じ振りを踊るという合わせ技で、より幅広い層のファンを巻き込んだ感がある。

 欅坂46の「ガラスを割れ!」では、ロックテイストの楽曲に合わせたヘッドバンギングといった激しい動きやダンスバトル風の演出も組み込みながら、大所帯チームだからこそ可能なマスゲーム的フォーメーションをさらに進化させている。

 特徴的なところでいえば、先述の星野源は「ドラえもん」で本人ではなく演出振付家のMIKIKO率いるダンサー集団・ELEVENPLAYをフィーチャー。「アイデア」では三浦大知を振付に迎えているが、往年のミュージカルスターであるフレッド・アステアを彷彿とさせる粋な振付を楽曲中のエッセンスとして一部のみで使っているのも、一歩先ゆく踊るMVといえる。

 また先述のTWICEが国際的に高い人気を獲得しているのは周知の事実だが、(日本人メンバーを含んではいるが)国境を超えたその勢いがうかがいしれるのが、日本では未発表の「What is Love?」(日本語字幕入り)が一番高い5位にランクインしていることだ。映画『ラ・ラ・ランド』など多彩な作品へのオマージュが繰り広げられ、彼女たちのダンス愛をも伝える同曲MVだが、アジアを中心とする世界各国での“踊ってみた動画”の多さでも群を抜いており、当分TWICE旋風は続きそうだ。

 さて、1年さかのぼって2017年の同ランキングを見てみると、米津玄師、WANIMA、TWICE、欅坂46と、TOP10の顔ぶれがほとんど変わらないことがわかる。星野源の「恋」が2016年末を席巻したことを思い出すと、この並びに割って入ってきたDA PUMPの「U.S.A.」がどれだけのモンスターヒットだったのかがわかりやすい。同曲MVについては過去記事でも書いたが、不自然なほど大きなテロップが画面に躍る中、近年注目のSHOOTと懐かしいMCハマー風の振りを組み合わせた新旧ミックス感のあるダンスを、実力派ダンサー勢が全力で踊るという“ダサかっこよさ”が何度見ても強烈だ。同曲がハロプロファンを中心としたSNSでの盛り上げやリリースイベントでのファンカム動画をきっかけに、デビュー当時のDA PUMPを知らない世代をも巻き込んでいった展開も記憶に新しい。

 現在は同曲や荻野目洋子の「ダンシングヒーロー」人気をきっかけとしたユーロビート再評価からさらに派生し、ユーロビートとの組み合わせで1990年代を席巻したパラパラにまで復活の兆しがあるという。良い意味での番狂わせを体感した2018年を経て、2019年の踊るMV文化がどう変化していくのか、非常に興味深い。(古知屋ジュン)

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