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04 Limited Sazabys、“4回目”の『YON FES』で遂げた野外フェスとしての成熟

リアルサウンド

19/4/18(木) 19:30

 04 Limited Sazabys主催のフェス『YON FES 2019』が2019年4月6日、7日に、愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で開催された。本年度は、フォーリミにとって縁深い数字である“4”回目の開催。チケットはソールドアウトし、両日あわせて約2万6千人を動員。「同世代で名古屋の音楽シーンを盛り上げたい」という思いでスタートした『YON FES』は、“地元密着型フェス”と“バンド主催フェス”という両面で着実に進化を遂げ、フェス運営における最適解を出したのでは、と感じるほど過ごしやすいものだった。

参考:04 Limited Sazabys・GEN×SiM・MAHが語る、アーティスト視点で考えるフェス運営の醍醐味

 前者で言えば、中日ドラゴンズのドアラやモリゾー・キッコロといった地元キャラクターとのコラボ/フェス出演をはじめ、名古屋駅から会場であるモリコロパークに向かう道中、ランドマーク・ナナちゃん人形が『YON FES 2019』仕様になっていたり、藤が丘駅やリニモ車内に『YON FES』の歴史を振り返れる過去の写真が張り出されているなど、しっかりと根を張り、地元により一層浸透していることが伺えた。

 そして、後者。例年通りラインナップには、フォーリミが実際にライブを見て厳選したアーティストが、新鋭からベテランまで名前を連ねた。共通点は、ライブハウスで腕を磨いてきた猛者たちという点だ。ライブバンドとして日々しのぎを削り合うアーティストが、その日一番のパフォーマンスを観客に見せる、あるいは他アーティストに見せつけようと火花を散らす。My Hair is BadやBLUE ENCOUNTのライブが象徴的だが、お互いに切磋琢磨しあって普段以上の力を発揮するのは、ライブハウスから叩き上げられた04 Limited Sazabysの存在がフェスの根幹にあるからこそだ。

 もう一つ、バンド主催ならではの風通しの良さも例年以上に感じられた『YON FES 2019』。昨年はLAND STAGEだったBiSHは2回目でSKY STAGEに昇格。昨年に引き続き、RYU-TA(Gt/cho)がステージに乱入してメンバーとダンスをするコラボは今年も健在だった。過去に出場経験のあるアーティストが前回よりも大きなステージに立つ、そんな成長も感じ取れるのも面白いところ。また、KOUHEI(Dr/cho)はKEYTALK「夕映えの街、今」、HIROKAZ(Gt)はSiM「KiLLiNG ME」にそれぞれ飛び入り参加し、双方のファンを熱狂させていた。そしてバンド外の活動も精力的に行っているGEN(Ba/Vo)は、クリープハイプ「栞」、SPECIAL OTHERS「loop」と、これまでに出来た縁をステージ上で再確認するようなシーンもあり、アットホームな雰囲気が会場を包む。

 さらにステージ以外でもRYU-TAがラーメン『麺や おがた』の店員に扮してラーメンを振る舞い、KOUHEIとHIROKAZが開演前の会場で自転車を乗り回してお客さんを迎えるなど、主催者とは言えここまで自由に会場内を動き回り、ファンと積極的にコミュニケーションを取りにいくフェスはなかなかないだろう。

 フォーリミが次世代を担うバンドから現行のロックバンドシーンの中心的存在になってからは、『YON FES』の意味合いにも変化があるように感じる。例えば、6日のONIONRING(初出場)、7日のHump Back(初出場)らがMCで“『YON FES』出場がひとつの目標、夢でもあった”と話していたように、過去3回の開催を経て同フェスのステージは今やバンドが憧れる場所へと変貌を遂げた。若手バンドのフックアップという点では、昨年から2回目の出場を果たしたteto、初出場のハルカミライは、それぞれ6日と7日のLAND STAGEのトリに抜擢。ここ何年かで急激に成長を遂げた2組は、後に控えるフォーリミに対する遠慮なんて微塵も感じさせない、若さ迸るパフォーマンスと情熱でラストへとバトンを繋いでいたのが印象的だった。

 GEN曰く、3年で作り上げた『YON FES』を観てもらいたいという意味も含め、自主企画フェスの先人として前を歩く10-FEETとSiMにオファーしたという。それはある意味、『YON FES』がひとつのフェスとして完成した自信の表れとも言えるし、実際その自信の通り観客の笑顔は終始眩しいものだった。しかし、それと同時にGENは6日のMCで「これまでは今このタイミングですべき最善のことを選んでやってきたけど、最近は“何をしたいのか”が大事になってきている」と状況の変化を語った。

 昨年結成10周年を終え、横浜アリーナでライブが出来るパワーと約2~3万人規模のフェスを安定して開催できるようになった04 Limited Sazabys。バンドもフェスも成熟の時を迎えているからこそ、さらなる飛躍を目指すフォーリミが次に打つ一手に期待せざるをえない。(泉夏音)

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