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宮野真守、異彩放つ 想像の斜め上をいく『ゾンビランドサガ』がアイドルアニメと差別化できた理由

リアルサウンド

18/11/8(木) 12:00

 現在放送中の秋アニメ『ゾンビランドサガ』が、想像の斜め上すぎる方向性で視聴者の期待を裏切りまくっている(良い意味で)。放送開始前に公開された、「新感覚ゾンビアニメ」というキャッチコピー、そしてホラー色の強いPV。いったいどんなパニック作品なんだろう……とドキドキしていたのだが、いざ蓋を開けてみると、なんとドタバタ系ゾンビアイドルアニメだったのだ。

参考:声優・宮野真守が考える“映画を吹き替えで観る醍醐味”【写真】

 まず、普通に考えて、タイトル『ゾンビランドサガ』の「サガ」は、ファンタジー作品などでよく見る、「物語」を意味するアイスランド語だと思うだろう。しかし、放送開始早々明らかにされた本作の舞台は、なんと「佐賀」! この時点で、おいおい、製作陣はどれだけふざけているんだと笑えてしまった。

 そして、第1話の冒頭で交通事故に遭い、ゾンビとなってしまった主人公・源さくらは、その後他のゾンビ少女たちとともにゾンビアイドルグループを結成することに。その名も「デス娘(仮)」。名前からして、もはや完全にギャグである。彼女たちは周囲にゾンビバレしないよう、血色の悪い顔にメイクを施してステージに立つ。改めて振り返ってみても、まったく意味のわからない展開なのだが、ストーリーがあまりにテンポ良く、そして強引極まりなく進んでいくものだから、もうなんだか苦笑しながらそれについていくしかないのだ。

 色々とツッコミどころが多いというか、基本的にツッコミどころしかない本作だが、アイドルアニメとして見ると、他作品よりも圧倒的にチャレンジングな部分もうかがえる。それは単純に「ゾンビ×アイドル」というこれまでにない掛け合わせ以外に、正統派アイドルではなく地下アイドルを描いているところにある。第1話で「デス娘(仮)」たちが歌うのは、なんとシャウトにヘドバンにというゴリゴリのメタルソング。また、ステージもアイドル劇場的な場所ではなくライブハウスで、客席ダイブをお見舞いするところなども非常に今どきの地下アイドル的だった。第2話では趣向を変えつつも、本格的なラップバトルを披露。第3話以降、ようやくザ・アイドルソングが登場するという流れになっている。

 ヘドバンアイドル(仮面女子、BiSなど)やヒップホップアイドル(RHYMEBERRY、lyrical schoolなど)は実在するが、こうした地下アイドルを描いているアニメはまだ少ない。単に「ゾンビ」と「アイドル」という異色の要素を掛け合わせただけでなく、地下アイドルに焦点を当てた部分でも、『ゾンビランドサガ』が他のアイドルアニメと大きく差別化される要因となっている。

 さらに、色々とぶっとんだ設定のなかで、とりわけ異彩を放っているのが、巽幸太郎役・宮野真守の演技だ。本作では、かなり突き抜けたキャラクターのアイドルプロデューサーを演じている宮野。一方的なハイテンションとウザ絡み、ボケに次ぐボケで、何を言っているのかまったく意味がわからないのだが、このキャラがクセになって仕方ない。ネット上では「宮野真守(CV:宮野真守)」とも言われているが、もはや演技というよりも素で楽しんでいるかのような生き生きとした彼の演技も、本作を大いに彩っている。

 1話、2話と、有無を言わせぬテンションで駆け抜けたストーリーも、3話、4話になってようやくややクールダウン。少しずつではあるが、アイドルアニメらしい輪郭が浮かび上がってきた。この後、ゾンビ少女たちが真面目にアイドル活動をしていくなかで、お涙展開なども待ち受けているのだろうか……。先が読めないながらも、楽しみに今後の放送を待ちたい。(まにょ)

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