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BTS振付師 ソン・ソンドゥク、Hey! Say! JUMP新曲「BANGER NIGHT」にも通ずる手法に迫る

リアルサウンド

18/8/31(金) 8:00

 8月9日に公開され、これまでになくアグレッシブなパフォーマンスが話題となっているのが、Hey! Say! JUMPの新曲「BANGER NIGHT」(8月22日リリースの最新アルバム『SENSE or LOVE』収録)のMV。「K-POPっぽい」という感想も多く見かけるこの曲は、世界的な人気を誇る韓国のBTS(防弾少年団)の振付師/パフォーマンスディレクターであるソン・ソンドゥクが手掛けているため、そのイメージは当然と言えば当然かもしれない。

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 今回のコラボは、来日したソンドゥクのレッスンを受けて魅了されたというHey! Say! JUMPのメンバーのたっての希望によるもの。ソンドゥクはレッスンや振り入れが緻密なことでも知られており、このMV撮影にあたっては2日間で約14時間のレッスン&振り入れを受けたという。メイキング映像にはあまりのハードさに「足がいうことを聞かない……」と、スタジオで寝転がる山田涼介の姿も見受けられた。「(ソンドゥクの振付は)動きも細かいし、個性を出すよりも揃えることを重視していた気がする」(山田涼介/『QLAP!』9月号より)という発言からも、これまでに体験したことのない新鮮なコラボとなったようだ。ソンドゥクがメインで手がけるBTSの振付については以前にもリアルサウンドの記事で触れているが、ここでは「BANGER NIGHT」にも共通する彼の振付の魅力を改めて考察したい。

 ソンドゥクは指先やつま先までの動きを刃物(韓国語で“カル”)のように揃えて踊る「カル群舞」のスペシャリストと言われている振付師だ。「BANGER NIGHT」では複雑なフォーメーションチェンジが多用されており、カル群舞らしい要素はやや控え目だが、サビのブロックでの中島裕翔や山田をセンターに据えた動きは、まさに大所帯グループならではの迫力を感じさせる(参考:「BANGER NIGHT」Music Video(ダイジェスト映像))。

 このカル群舞は先述の山田のコメントにもある通り、各メンバーの個性を際立たせようとするJ-POPの振付とは異なり、隊列を作るような動きでチームとしての強い存在感を放つのがポイント。さらに大人数になるほどダンスの難易度としては上がるが、爆発的なパワーを発揮する。それがBTSの名作MV「Not Today」や、最新MV「IDOL」(先日リリースされた最新アルバム『LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’』収録曲)のエンディングなど、数十人のバックダンサーを従えて踊るMVの勢いを増幅させている(※「IDOL」ではソンドゥクがディレクションを手掛けているが、振付クレジットは不明)。

 またBTSの初期楽曲にも多用されているが、「BANGER NIGHT」でも有岡大貴らが銃口を向けるような動きなど、武器をモチーフにした動きが多い。これは「ダンスを見ながらでも、曲を聞きながらでも、同じストーリーを聞けるステージを作りたい」(参考:ソン・ソンドゥク振付師が語る防弾少年団、そして「RUN」…“彼らと出会ったのは運がよかった”(Kstyle))というソンドゥク本人のポリシーから、社会からの抑圧や偏見と闘う若者の心理を描いた歌詞をわかりやすく形にしたものといえる。先述の「Not Today」MVでは歌詞に込められた感情がエスカレートするごとに、武器を表現する動きも小型のピストルから大型のショットガンを思わせるものへと変化し、それがパフォーマンスにも絶妙なアグレッシブ感をもたらしている。

 またソンドゥクは振付師でありつつ、BTSと同じBig Hitエンターテインメントに所属するパフォーマンスディレクターでもある。BTSのデビュー時には振付だけでなく「表情やジェスチャー、視線(筆者注:のやり方)まで教えました」(参考:ソン・ソンドゥク振付師が語る防弾少年団、そして「RUN」…“彼らと出会ったのは運がよかった”(Kstyle))と語っており、楽曲の世界観を表現するために振付を含むカメラ映え/ライブ映えするパフォーマンスを緻密に計算し構成していることがわかる。だからこそ必然的に、演者側にもアグレッシブな振付をこなせるだけの体力に加えて高い表現力が要求されることになるのだろう。

 今回の「BANGER NIGHT」のほか、例えば5月リリースのAKB48「Teacher Teacher」ではGFRIENDらを手がけるパク・ジューが、8月リリースのDa-iCEの最新アルバム『BET』収録曲「Bodyguard」でも、新鋭振付師であるジュノ・リーが振付を担当しており、韓国で活躍する振付師たちの日本進出が散見されるようになった。今後J-POPシーンのダンス面において、さまざまな意味で国境の壁がなくなっていく形が考えられるのは興味深い傾向だ。(古知屋ジュン)

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