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上野樹里、物語に深みを与える演技が評判に 『グッド・ドクター』受けの芝居が生み出す共感性

リアルサウンド

18/8/16(木) 6:00

 現在放送中の連続ドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)で、山崎賢人扮する小児科レジデントの新堂湊を支える指導医・瀬戸夏美を演じている女優・上野樹里。彼女の演技が物語に深みを与えていると大きな評判になっている。

 上野演じる夏美は、自閉症でサヴァン症候群という新堂先生のよき理解者として、彼の能力を最大限に認めつつ、「小児外科医になりたい」という思いに寄り添う女性医師。本作がスタートすると、これまで演じてきて役柄とは違う難役を見事に演じている山崎への賞賛が相次いだが、一方で、上野の受けの芝居にも「さすが」という声が上がった。

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 上野と言えば、本作の完成披露試写会で「10代、20代でフジテレビさんにはいい作品に出演させていただき、お世話になった」と語っていたように、『のだめカンタービレ』(06年)や『ラスト・フレンズ』(08年)など、いまでも色あせることない名作と呼ばれる作品で、非常に個性的な役柄を見事なさじ加減で演じてきた。

 本人も「これまでは、結構色の強い個性的なキャラが多かった」と当時を振り返っていたが、本作では「生い立ちになにかあるわけではない普通のまっすぐな医者」と夏美を定義づけ「だからこそいろいろな表情ができる」と役柄への抱負を語っていた。

 そんな上野の言葉通り、非常に強い個性を持つ新堂というキャラクターに寄り添い、彼の一挙手一投足を見事なまでに受け止め、状況に応じてさまざまな表情を見せている。特に、毎話新堂先生が問題を起こすたびに、医師としての立場、人として新堂先生を思う気持ちのはざまに揺れる感情表現は見事で、言葉を発せずとも、目線一つで観ているものに強い共感を覚えさせる。

 これまでは、自身から行動を起こすキャラクターでの芝居のうまさを見せてきた上野だが、本作では受けの演技で物語に深みを与えている。山崎の役柄は、個性的であるが故に、受ける相手の芝居によっては、やや現実感のない印象を与えてしまう危険性がある。もちろん、山崎の繊細な演技は、大いに賞賛に値するが、上野の受けの芝居が絶妙に強い個性を吸収しているからこそ、観ている側により感情が乗ってくるのだ。

 一方、基本的に受けの芝居で本作を盛り上げるなか、7月26日に放送された第3話では、どこの病院でも受け入れを拒否された絞扼性イレウスを発症している6歳の女の子を救おうと、手術経験のない夏美が、自身の思いに従って、リスクに挑む緊張感あふれる場面を演じた。この回の夏美は、能動的に行動を起こし、正義感あふれる医師の顔、過酷の現実に直面し打ちひしがれる無力な顔、そしてどんなことがあっても希望を捨てない力強い顔……をセリフと目線、佇まい、表情で表現した。

 これまでの作品でも、役に対する理解度を深めるため、徹底的にキャラクターに向き合ってきた上野。本作でも「夏美だけではなく、新堂先生のキャラクターまでも深く理解してくれているので心強い」と山崎は完成披露試写会で語っていた。実際、ドラマ関係者によると、クランクイン前に役作りのため、都内病院はもちろん、小児専門病院である長野県立こども病院にも出向いたという。

 本作の登場人物のなかで、視聴者の感情にもっとも近い部分を担っているのが、夏美の立ち位置であり、その意味では非常に難易度が高い役でもある。ドラマは中盤に差し掛かったが、毎話放送後「泣けた」という感想が多い。もちろん山崎の天使のように純粋な演技が人々の心をつかんでいることは間違いないが、しっかりと新堂先生の思いを、視聴者に橋渡ししている上野の功績も大きいだろう。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

(磯部正和)

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