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「あの女に勝ちたい」木村多江のドス声響く 『後妻業』小夜子と朋美の立場が逆転

リアルサウンド

19/2/27(水) 6:00

 遺産相続目当てで資産家の老人を狙った結婚詐欺”後妻業”。そんな後妻業のエースで、オトコをたぶらかす天才・武内小夜子(木村佳乃)を主人公に描いたドラマ『後妻業』(カンテレ・フジテレビ系)の第6話が2月26日に放送された。

 次のターゲットとして狙う笹島(麿赤兒)に「遺産をうちに残してほしい」とプロポーズした小夜子。一方、夫の司郎(長谷川朝晴)の浮気にショックを受けた朋美(木村多江)は、感情が高ぶり、本多(伊原剛志)と一晩をともにしてしまった。朋美の浮気現場を捕らえた写真を手にした柏木(高橋克典)は、本多の弱みを握ったとほくそ笑んでいる。そんな中、小夜子を追う本多が撮影した写真により、朋美は自分のクライアントである笹島が小夜子の次のターゲットであることを知る。

 第6話では、朋美の激しく揺れ動く感情が伝わってくる回となった。夫の浮気、本多と関係をもってしまったこと、小夜子が次のターゲットに狙いを定めて行動を始めていること、さまざまな事象が朋美の心を苦しめていく。しかしドラマ終盤では、朋美はドスの効いた声でつぶやく。「あの女に勝ちたい」と。

 本多と関係をもってしまった翌朝、「ごめんな」とつぶやく本多に「なかったことにしましょう」と互いの気持ちを抑えることを提案する朋美。しかしその直後に見せた朋美の顔はどこか寂しげだった。後日、本多に呼び出された朋美は、小夜子が笹島に狙いを定めていることを知る。怒りややるせなさに打ちひしがれる朋美の手に本多はそっと触れるのだが、本多は朋美と関係をもった日のときのように「ごめんな」とつぶやくとその手を離す。離されたその手を、ほんの少し名残惜しそうに目で追い、空を掴んだ朋美の手が印象に残る。夫に浮気され、感情の高ぶりから自身も不倫をしてしまった朋美。しかし彼女の心に残るわだかまりやむなしさが埋まったわけではない。木村は微妙な目の動きや手つきだけで、朋美の心を覆っている苦しみを表現しているようだ。

 シリアスなシーンだけでなく、コミカルなシーンでも木村の演技は魅力的に映る。笹島が小夜子に狙われていると知った朋美は小夜子の元へ向かう。木村佳乃演じる小夜子とのケンカシーンでは時々アドリブも入っているという。第6話では、手土産でもってきたたこ焼きを食べて、歯に青のりがついたまま小夜子に言い返すシーンがある。歯に青のりがついていることを小夜子にケタケタと笑われ、慌てふためく朋美という一連のシーンはテンポも良く、とびきりコミカルだ。

 注目すべきなのは、シーンごとに見合った朋美の表情を見せながらも、朋美が抱き続けている執念は崩さないというところだ。どのシーンにおいても、小夜子に対する敵対心や夫の浮気に対する不安、本多への想いを抑えようとする姿など、朋美を構成する事象が全くブレない。だからこそ小夜子と朋美のコミカルなケンカシーンのあとで、小夜子が朋美を追い詰めるシリアスなシーンになっても違和感なく朋美の感情が伝わってくる。

 朋美は小夜子に振り回され続けている。ただでさえ小夜子に父親の遺産を奪われているというのに、夫婦関係や子どもが産めないことについて図星をつかれる。そんな状況下で、海外出張中の夫が出張先で浮気相手と会っていることが核心に変わった瞬間、朋美はドスの効いた声で「あの女に勝ちたい」とつぶやく。自分からあらゆるものを奪っていく小夜子に対する敵対心が明確になった瞬間だった。この台詞を発してから木村の目つきは変わる。奪われる側から奪う側へ。小夜子から取り返そうとしている遺産だけでなく、何もかもを奪おうと決意している表情にも見えた。

 第6話終盤、飄々とした小夜子と小夜子に振り回されていた朋美の対照的な表情が逆転する。舟山(中条きよし)に一時疑いの目をかけられた小夜子は、朋美の前で見せるような強気な表情は一切出さず、かたい表情のままだ。その表情からは強い戸惑いが伝わってくる。一方、自分と組まないかと柏木に迫る朋美は勝ち誇ったような表情を見せている。柏木がどのような返事をするのかは第7話になってみないとわからないが、2人の表情が逆転したことにより、今後起こるであろう波乱の展開が予期できる。(片山香帆)

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