Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

FlowBack、“二面性”テーマにしたライブハウスツアー 宇都宮&高崎公演に感じた大きな可能性

リアルサウンド

19/4/20(土) 12:00

 5人組ダンス&ボーカルグループのFlowBackが、2月1日と2日の大阪・umeda TRADを皮切りにスタートさせた、ライブハウスツアー『FlowBack LIVE TOUR 2019「The Answer」』が、4月27日の東京・品川ステラボールでファイナルを迎える。FlowBackは2016年にメジャーデビューし翌年の2017年に東京・赤坂BLITZでワンマンライブのステージを踏むと、昨年は東京・Zepp Tokyoを含む全5公演のツアーと、東京・恵比寿リキッドルームを含む全3公演のツアーを開催している。今回のツアー『The Answer』は全国20会場25公演で、FlowBackにとって最大規模のツアーになる。このツアーで彼らは何を見せるのか? リアルサウンドは、3月23日の栃木・HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2と、3月24日の群馬・高崎 club FLEEZの2公演に赴いた。

思い出の土地、高崎に凱旋

 約3カ月で小箱のライブハウスを中心に25公演というのは、昨今はロックバンドでもなかなか聞かない、実に泥くさいツアーの組み方だ。急増する男性グループでは、まず他にやる者はいないだろう。しかし、自分たちが求める答えを見つけるためには、逆境に身を置くことも必要である。“流れに逆らう”という意味を持つ、FlowBackという名の通り、原点の気持ちに回帰したツアーになった。

 23日、HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2は、収容人員300人。満員の観客を前に「パンパンだね。すごい。熱気が充満してる」と、嬉しそうな表情のメンバー。「じゃあもっと熱くしよう。僕らにとって名刺代わりのこの曲で」。そう言って彼らは「BOOYAH!」を披露した。「BOOYAH!」は、2017年の3rdシングル曲で、エスニックなエッセンスを取り入れたオルタナティブなトラックに、5人の力強いボーカルとシャウトが絡む。緩急のあるリズムに合わせて見事に揃ったダンスを展開し、ソロのダンスパフォーマンスでも魅了する。観客は曲に合わせて〈HEY!〉と声を揃えて会場が一体になった。ハンドクラップが特徴のミディアムナンバー「Turn Around」では、ゆったりしたビートに観客もゆっくり揺れる。上着を脱ぎたくましい二の腕が露わになると、客席から歓声が沸いた。そこから一転、アップテンポのビートの「VERSUS」を繰り出すと、一気に会場が沸いた。1stアルバム『VERSUS』のオープニングを飾る表題曲で、どんなアウェイでもものともせず、自ら道を切り開いてきた彼らの誇りと生き様が表れた、まさしく彼らのテーマソングとも言うべき楽曲。自分たちへの怒りと苛立ちを代弁するように、けたたましいビートが鳴り響いた。

 「結成当初から大切にしている曲」として、MASAHARUとJUDAIが作詞、MASAHARUが作曲をした「落ち葉」も披露した。恋の終わりを情緒たっぷりに表現したピアノをメインにしたバラードナンバーで、打ちひしがれた状況が目に浮かぶ。切なく歌い上げるサビとファルセットのフェイクが胸を締め付ける。会場全体が、まるで土砂降りの雨の中にいるような雰囲気に包まれると、観客の中には目に涙を溜めて聴く女性の姿もあった。

 「ツアーもあっと言う間に終盤戦です。栃木には1度来ているけど、その時はBリーグの試合で1曲披露しただけだったから、こうして単独でこの場に立てていることは、すごく嬉しいし、みんなが来てくれるから立てていると実感する。ありがとうという言葉ではなく、気持ちはライブで伝えたい。ステージで感じてほしい。……みんなが僕らのライブに来てくれたから、僕らも栃木に来たいと思った。行かなきゃ何も始まらない。FlowBackは、流れを自分たちで生んでいくグループだから。改めて、自分たちの意味を感じるツアーになっていると思う」。TATSUKIの言葉に観客は、静かに耳を傾けた。

 24日、高崎 club FLEEZは、栃木より少し大きめで、500人キャパの会場。それでもフロアはパンパンで、男性ファンの姿もちらほら見えた。高崎は、結成1年目の時に路上ライブをやったことがある思い入れのある土地とのこと。「その時に観てくれたのは2人だった。それが今日は、こんなにもたくさん。ありがとう。初心に返れます。また戻って来られてうれしい」と、当時の自分たちを振り返って目を細めたメンバー。REIJIから「結成1年目の時のMASAHARUくんは、今と同じ髪型だった」とネタにされ、「まったく覚えてないよ」と、はにかんだMASAHARU。イチャイチャするような仲の良さに、会場にも笑顔の花が咲いた。きっと5年前も、こんな風に仲が良かったんだろうなと想像も膨らみ、ちょっとほっこりとした気分にさせられた。

 サックスのイントロが印象的な「FAMOUS」。後ろ向きで囁くキメに歓声が沸く。セクシーさのあるムード中、スウィートさのあるMARKのボーカルと一体感のハーモニーが響く。圧倒的なパフォーマンスが観客を惹きつけ、車のハンドルを回すようなダンスは観客みんなでマネして踊って、会場が1つになった。ブレイクビーツが心地いい「Showstoppaz」では、JUDAIのキレのあるラップとボーカルが交互に繰り出される。ファンキーなビートに合わせて、観客も歓声を上げながら身体を揺らす。いわゆるJ-POPとは一線を画した、エッジの立ったトラックが実に刺激的だ。

 「高崎のみなさん、こぶしを突き上げる準備は出来ていますか?」という呼びかけて始まった「BREAKOUT」。〈Wanna BREAKOUT!このステージで〉、〈今BREAKOUT!超えて行け〉。自分たちの意志が力強く込められた歌詞を、胸の奥にため込んでいたパワーを一気に吐き出すように歌う。サビの〈OH-OH〉と歌う声に合わせて、力強くパンチするような振り付けをしたあと、5人は握りしめたこぶしを観客と一緒に天高く突き上げる。一緒に拳を突き上げる観客と目を合わせながら、何かを決意したような凛とした表情を見せた。

可能性を秘めたパフォーマンス

 このツアーは、二面性をテーマに展開されている。全身黒一色の衣装に身を包んだ栃木。男泣きという言葉もあるように、哀愁を感じさせる背中や、男同士の友情から生まれる涙もある。ボーイズグループというカテゴリーから飛び出し、大人の男性グループとして一歩を踏み出したステージになった。一方、群馬は白をテーマに、全身真っ白の衣装が目を惹いた。白という色からは純粋に夢や目標を追いかける姿が思い浮かぶ。また真っ白なキャンバスも彷彿とさせる。これから、まだどんな色にでも染まることができる、そんな懐の深さや、のびしろを持っていることが、この白という色には込められていたように感じた。

 高崎の最後には「ここにいる誰1人欠けずにまた会いたいと言ったら、それは縛るようだから言えないけど、僕たちはいい時も悪い時も側にいる。共に歩んでいきたい。まだ見えていないこと、知らないこと、1つずつ拾っていって、その集大成を品川で見せたい。今日はまだ通過点だけど、通過点をないがしろにした先に、感動はない。今日感じたこと、それが答えだと思う」と話したTATSUKI。

 数多いボーイズグループと呼ばれる枠から、一歩外に飛び出すためには何をするべきか、5年応援し続けてきてくれているファンの声援に報いるためにはどうしたらいいか、自分たちにとっての音楽とは? ステージとは? 表現とは? 数え切れないほどの問いと真摯に向き合いながら、ツアーの中で少しずつ答えの手がかりを手にしてきた彼ら。4月27日のファイナル東京・品川ステラボールで、彼らが求めた『The Answer』を必ずや見せてくれるだろう。

 このツアーではそれぞれの得意とするものを活かしたパフォーマンスを披露する試みも行われていた。「考え方が違うからぶつかることもあったけど、全然違う5人だから、今のFlowBackができている」とMARK。そんなMARKの歌声、TATSUKIのダンス。「落ち葉」の作詞作曲も手がけているMASAHARU、「WE ARE!」のアートワークなどを手がけているREIJI、そしてJUDAIのラップ。一体どんなパフォーマンスかは、27日の東京・品川ステラボールで確かめてほしい。いつものFlowBackとは異なる表情を見せるパフォーマンスに、大きな可能性を感じるはずだ。

■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。

■ライブ情報
『FlowBack LIVE TOUR 2019「The Answer」』
4月27日(土)東京 品川ステラボール 開場17:00/開演18:00
1Fスタンディング ¥4,500-/2F指定 ¥5,000-
※別途ドリンク代必要。
チケット発売中

■関連リンク
HP
Facebook
Twitter
LINE公式アカウント LINE ID:FlowBack

アプリで読む