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米倉涼子になぜ魅入ってしまうのか 『ドクターX』『リーガルV』に共通する“余裕と自由”

リアルサウンド

18/11/1(木) 6:00

「私、失敗しないので」

 『相棒』と双璧をなすテレビ朝日の看板ドラマ、『ドクターX~外科医・大門未知子~』のヒロインの名台詞である。主人公は米倉涼子が演じるフリーランスの外科医。そんな彼女が次々と困難な手術に果敢に挑んでいく姿がお茶の間の注目を集め、今なお絶大な人気を誇るドラマである。そして、医療の世界から司法の世界に舞台を移して、再び米倉の痛快な活躍ぶりを観られるのが、現在放送中の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)だ。なぜ、米倉が演じるヒロインの姿は注目を集めるのだろうか?

参考:三浦翔平の“天性の人たらしキャラ”が炸裂? 『リーガルV』ホスト兼パラリーガル役がハマる理由

●ヒロイン/ヒーローには“自由”がよく似合う

 『ドクターX』のヒロイン・大門未知子はフリーランスの外科医という特別な存在。もちろん、そんな大門の周りにも支えてくれる人間はいるものの、時に病院という組織に属する人間たちと反目したり、癖のあるライバルと火花を散らすこともしばしば。一方、『リーガルV』の小鳥遊翔子も何となく大門の雰囲気を思わせるところがある。ある出来事がきっかけで弁護士資格を失った小鳥遊は、いろいろな経歴やキャラクターをもった曲者たちでできた弁護士事務所の“管理人”というポジション。とはいえ、その事務所にやってきた弁護士の青島圭太(林遣都)をこき使うなどして、実質的には依頼の多くに首を突っ込む。同時に、古巣のFelix&Temma法律事務所の面々と今では対立し、毎話で緊張関係を垣間見せる。

 大門しかり、小鳥遊しかり、どこか飄々として、自身に満ち溢れ、くだらないしがらみを好ましく思わない。こうしたキャラクターにこそ、主人公を“カッコよく”際立たせる要素が含まれているのかもしれない。自信家で自分が思っている正しさを堂々と口にする。そんな主人公の姿からはどことなく“自由”を感じる。もちろん、いつも完全に自由であるというわけではない。目の前に立ちはだかる人間や組織によって邪魔されたり、時に追いつめられたりすることだってある。

 『相棒』の右京(水谷豊)もまた、特命係という警視庁の中でも特殊な位置を占める存在だ。確かに、上層部や捜査一課から活動を制限されたり、組織の論理に従わされたりすることはあるし、そうしたしがらみのせいで思うように捜査できないことも割とある。とはいえ、特命係の捜査スタイルに関して言えば比較的“自由”な方だ。米倉主演のドラマであれ『相棒』であれ、視聴後にすっきりとするのは、どことなく“自由”を感じさせる主人公がクールに難題をクリアするからかもしれない。単に有能で、弁が立つだけではないのだ。より正確に言うならば、100%自由ではなくても、少なくとも“自由であろうとする”その振る舞いに惹きつけられると言えよう。

●ひしひしと伝わる“余裕”のオーラ

 冒頭に書いた、「私、失敗しないので」に象徴されるように大門未知子には“余裕”の雰囲気が漂う。これは小鳥遊翔子もそうだ。小鳥遊が管理人を務める京極法律事務所がこれまで受け持った依頼は、どれも一見一筋縄ではいかなそうなものばかり。実際、青島などは頭を抱えたり、戸惑ったりしてしまう。それでも、小鳥遊は青島のようなおどおど感は決して垣間見せないし、口調は大体はっきりしていて、断定的な傾向がある。そんな彼女のあり方には、観ていて清々しいくらいに余裕を感じる。もちろん、小鳥遊も難しい局面(例えば、青島が裁判でミスをしでかしたときとか)では顔を険しくしたりすることはあっても、基本的には堂々と振る舞う。その“余裕”は“自由”と同じくカッコいい主人公を特徴づけるものなのだろう。『相棒』の右京さんも、本当に追い込まれたときや頭に血がのぼったには、声を荒らげたりするものの、普段の聞き取り捜査ではいつも紳士的で落ち着きを見せる。

 全てのヒロイン/ヒーローが“自由”な雰囲気を醸しつつ、“余裕”に振る舞うかと言われればそうではない。いつも切羽詰まって、汗を流して走り回るタイプもいる。ただ、比較的多くの人々が思わずその活躍に見入ってしまう主人公像のひとつには、米倉が演じるようなヒロインの姿にあるのかもしれない。(國重駿平)

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