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“最新型渋谷系バンド”POLLYANNAの考える、これからのポップス「専門家になり過ぎないことが大事」

リアルサウンド

16/1/6(水) 18:00

 “最新型渋谷系ポップバンド”を謳う5人組であり、TOWER RECORDSとHOT STUFFによる新レーベル<TWO SHOT>の第1弾アーティスト・POLLYANNAが、1月6日に1stミニアルバム『CIRCLE』をリリースした。同作は渋谷系の先達たちに敬意を払いつつ、アニソン的な速度感を持つ楽曲や、四つ打ちの踊れるポップスなど、様々なジャンルを横断した一作となっている。TWEEDEES・沖井礼二も「快活で優雅で無慈悲。僕が彼等に嫉妬するのは、その若さについてだけではありません」とコメントを寄せている同作について、リアルサウンドではメンバー5人へインタビューを実施。様々な音楽的ルーツや楽曲の核、“渋谷系”を背負う覚悟などについて、じっくりと話を訊いた。

「“渋谷系”を名乗ることに対して、そこまでハードルが高いバンドだと思っていません」(斎藤)

――POLLYANNAの平均年齢は23歳で、年長者が飯島さんと斎藤さんの27歳組ですよね。ほか3人はーー。

qurosawa(Gt.):22歳です。

深澤希実(Vo./以下、深澤):20歳です。

ハッピーナッティ西山(Dr./以下、西山):21歳です。

――ありがとうございます。そんな5人は“最新型渋谷系バンド”と名乗って活動しているわけですが……これは誰かにタグ付けされたのでしょうか。

斎藤モトキ(Ba./以下、斎藤):いえ、自分たちが言い出しました。基本的にこのバンドは僕と飯島の年長者組がブレイン的な役割を務めていて。

――自分たちで“渋谷系”という括りに飛び込むのは、なかなかに勇気のいることだと思うのですが……。

斎藤:POLLYANNAは“渋谷系”を名乗ることに対して、そこまでハードルが高いバンドだと思っていませんでした。というのも、僕ら自体が渋谷系が好きで好きでそうしているわけじゃなく、メンバーそれぞれが好きな音楽を聴いているうち、知らない間に渋谷系にたどり着いたからなんです。ひとつ前のバンドを解散して、次にやる音楽を模索していたときに「そういえばこういう音楽好きだったなあ」と思って飯島と始めたのが、今やっているジャンルの音楽だったという。

――ちなみにひとつ前のバンドではどんな音楽を?

飯島快雪(Key./以下、飯島):僕と斎藤とqurosawaがメンバーだったんですけど、今よりも激しくてゴリゴリした、やや歌謡曲よりのロックでした。

――今と全然違いますね。楽曲を聴くと、アニソンや広義のJ-POP、ギターポップ、シューゲイザーなど、様々な音楽性がミックスされたように感じます。曲作りに関しては斎藤さんが他のメンバーから吸い上げたものを代表してまとめているのでしょうか。

斎藤:いえ、デモはすべて僕が作っています。渋谷系と名乗ったはいいものの、それにとらわれすぎるのは良くないと感じたので、色んなジャンルの音楽をあえて取り入れました。なので、僕が作るといっても、楽曲に応じて旋律や雰囲気を考えて提出し、ルーツの異なるメンバーたちが、それをもとにアイディア出しをするという感じです。自分の価値観で全部を止めてしまうのはバンドとしてもカッコ悪いことだと思うので、アンサンブルを作るときは、皆にいろいろ全部投げたいんですよ。

20160106-pollyanna4.jpg左から、ハッピーナッティ西山(Dr.)、深澤希実(Vo.)、斎藤モトキ(Ba.)。

――斎藤さんが上手くまとめているからこそ、全員の音楽的なルーツがバラバラなことが逆に活きていると。では、それぞれの出自を教えてください。

飯島:ボクは元々クラシックピアノやジャズピアノを幼少期からやっていたのですが、中学生の時には吹奏楽部で活動していて。クラス全体がヒップホップを聴いているような学校だったので、“ピアノ×ヒップホップ”という意味では、ナズに大きく影響を受けましたね。高校に入ってからはプログレッシヴ・ロックを聴くことが増えました。

深澤:私は母がピアノの先生で、兄がジャズサックスをやっていたこともあり、3歳の頃からクラシックピアノを習っていて、高校3年生からはジャズピアノに転向しました。それと中学2年生くらいまでクラシックバレエもたしなんでいて(笑)。

20160106-pollyanna5.jpg左から、斎藤モトキ(Ba.)、飯島快雪(Key.)、qurosawa(Gt.)。

――音楽一家のお嬢様という感じですね。では聴く音楽もクラシックやジャズばかりでしたか。

深澤:幼少期はそうですね。でも、小学生のときにBUMP OF CHICKENさんを聴いて、初めて歌モノというものを意識して。高校生のときはジャズやクラシックを聴きつつ、YUKIさんや東京事変、椎名林檎さんも好きでした。

西山:自分は中学時代、吹奏楽部に入ったことをきっかけにドラムを始めました。そのころはGRAPEVINEに影響を受けていたのですが、高校に入ってからはファンクに目覚めて。ミーターズや、ニュー・マスターサウンズなどのジャズ・ファンク系に感化されてファンクバンドを始め、今はネオ・ソウルや『Jazz The New Chapter』で特集されるようなミュージシャンのものを聴いています。

qurosawa:僕はギターロックがルーツではあるものの、カントリーやシューゲイザーが大好きで。ほかにもCOALTAR OF THE DEEPERSやROLLYさん、伊藤真澄さんなど、幅広く影響を受けていますが、自分の音にはシューゲイザーっぽさが色濃く出ちゃいます。

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「うちの場合は、カッティングをやっているだけだと鍵盤に負けてしまう」(qurosawa)

――価値観が凝り固まってしまうことを避けるうえで、斎藤さんが全員のアイディアをまとめるようになったきっかけは?

斎藤:僕は「確実にこれが自分のルーツだ!」といえるようなものがないんです。広義のJ-POPを聴いて育った人間というか。そういう意味で自分には音楽的なプライドがあまりないと思っていましたし、これまでは自分がバンドのボーカリストとして、好きなように曲を書いてきました。でも、ひとつ前のバンドでベースに転向したとき、「ボーカルの雰囲気に合わせて曲を書こう」と思えるようになったんです。実際にやってみたら色々なジャンルの曲を作れましたし。

――Hauptharmonieに提供した「bravery fine」や、バンドの楽曲において様々な振り幅を試していることとあわせて今の話を訊くと、斎藤さんには「音楽作家」としての素質もあるのではと強く感じます。

斎藤:ありがたいけど、なんか照れくさいです(笑)。あ、でもルーツといえるかどうかわかりませんが、Something Elseがメチャメチャ好きな時期があって。その影響でアコースティックギターを始めたり、冨田恵一さんが編曲した「あの日の雨と今日の雨」という名曲が心に残っているからか、雨をモチーフにした詞を書くことが多いですね。

――意外なルーツが出てきてびっくりしています(笑)。今回『CIRCLE』に収録した楽曲は、すべて深澤さんに合わせて書きなおしたものなのでしょうか。

斎藤:いえ、深澤の前に一人別のボーカルがいて、『CIRCLE』の楽曲はその子が歌うことを前提として書いたものばかりです。

飯島:ただ、深澤になって曲のニュアンスが変わったということはなく、スムーズに移行できてると思います。

斎藤:これからは深澤に宛てる形で曲を書くようになりますが、ボーカルが変わっても書く曲のテイストが変わらなかったということは、「POLLYANNA」として『CIRCLE』の延長線上に存在する音楽をアウトプットしていくのだと思います。

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――斎藤さんのなかでも「POLLYANNAっぽさ」が分かってきたということなのでしょうね。楽曲のベースになるのは斎藤さんのデモということですが、具体的にどこまで作り込んだものを?

斎藤:弾き語りに近い形ですね。ただ、あまりqurosawaにはそのデータを聴かせたくなくて……。僕が作ったデモの空気感に寄ってしまうといけないので、なるべく最小限、最低限のものだけを伝えるようにしています。

qurosawa:だから弾き語りの音源を送ってもらえなくて(笑)。スタジオでいきなり、パッとコードを言われて、好き勝手に弾くんです。

――いわゆるシティ・ポップ的なものにカテゴライズされている曲って、アーバンなカッティングギターの入るものが多いのですが、POLLYANNAの場合は単音のリフを多用しているのが印象的で。その作り方も影響しているのかもしれませんね。

qurosawa:うちの場合は、カッティングをやっているだけだと鍵盤に負けてしまうというものあるかもしれません。僕自身も目立ちたがり屋なので(笑)。

飯島:そこはバトルする気持ちですよね。ライブではそのやりとりを楽しんでいるところもあります。リズム隊はどう?

西山:グイグイ前に出よう、という感じではないですね。

斎藤:俺も「みんなが目立てばいいなー」って。

――あまりルートのコードを弾かず、ウネウネと動くタイプのベースを弾く斎藤さんからその回答が出るのは意外でした。

斎藤:ベースを弾いている期間も短いですし、感覚に頼っている部分は大きいです。もちろん、沖井礼二さん(TWEEDEES/ex.Cymbals)のウネウネと動くベースが好きというのもありますね。ただ、Cymbalsのスコアって最近まで全然手に入らなかったので、音源から耳コピして身に着けたものが自分に定着しているということかもしれません。

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「ライブとしてはポップなものをやっているつもりは全くない」(斎藤)

――なるほど。楽曲についてですが、リードトラックの「TAKE WITH ME OVERLAND」は、ギターの主張が強いという相違点はあるものの、Cymbalsっぽい曲だという印象を受けました。

斎藤:この曲は、結成していちばん最初に書いたもので、まだ自分の中でのセオリーが確立していないときに“渋谷系っぽい曲”を想像して作ったんです。アレンジ面でも迷いがあって、ずっとボツになっていたのですが、『CIRCLE』を現時点でのベストアルバムにしたいという気持ちもあったので、もう一度引っ張り出してきて。再度アレンジしてみたら、今度は上手くいったので収録することになりました。

深澤:この曲がいちばん私的には歌いやすいし、ノリやすいですね。もちろん他の曲もすごく好きなんですけど、一番自分の中でシックリくるものがあって。なぜそうなのかは分からないですけど。

――ほかの楽曲は歌に何かしらの捻りがあるのですが、この曲は比較的ストレートに歌える印象なので、そのせいかもしれません。

深澤:あー、そうだと思います!

斎藤:確かに、僕にとっては純度100%みたいな曲なので、ストレートに歌えるという表現は正しいかもしれません(笑)。

西山:僕、このバンドに誘われたとき、最初は断ろうとしていたんですが、この曲を聴いて一緒にやろうと決めました。

POLLYANNA “TAKE ME WITH OVERLAND”

 

――そのくらいエネルギーのある曲だったと。2曲目の「YUMEMITERU」は四つ打ちのポップスです。

斎藤:これは僕が迷走を経て生み出した楽曲です(笑)。

飯島:バンドとして、“最新型渋谷系”と銘打って活動していたのですが、次第に「昔の渋谷系の流れみたいな、オシャレポップをやっているだけでいいのだろうか」という風に悶々とした時期がありまして。他の曲はピアノやエレキオルガンを使っているのですが、この曲だけシンセサイザーを導入しています。新鮮なポップの要素も入れたいと思った末のアイディアですね。

斎藤:中田ヤスタカさんが初期CAPSULEで表現していたポップさと、クラブミュージックを経てPerfumeでアウトプットしたポップスは、どちらも違う意味ですごいじゃないですか。そういう意味でデモ音源は僕なりのPerfume感を出して作りました(笑)。

飯島:3曲目の「HIT SPIKE」も同じ時期に作った曲だよね。

斎藤:この曲は海外インディーロックの要素を取り入れたくて、トゥー・ドア・シネマ・クラブっぽくしたかったけど、最終的には変わってしまったんです。ただ、前身バンドで書いていた曲に一番近かったのは「HIT SPIKE」なので、個人的にはお気に入りです。

――ちょっと横揺れの和メロっぽい進行と、捻りのあるボーカルがフックになってる楽曲ですね。

深澤:どうやって歌えばいいのかわからなくて、難しかったです。歌詞は自分っぽくて好きなのですが。

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――なるほど。「WANDERING ON THE SATELLITE」と「FURNITURE AND MOVING」は、サビ頭の英詞が気持ちいい楽曲で、とくに後者はBPMがかなり速く、ライブ映えする楽曲ですよね。

飯島:BPMは200くらいですが、僕はもっと早くやりたいんですけどね……250とか。

西山:そうなってくると物理的に叩けないです(笑)。

斎藤:最初に作ったときにはもっと落ち着いた曲だったんですけど、練り直すうちに速くなって、パンクさが見えたんです。そこから一発録りみたいな感じで録音して、良い音源になったと思います。

――先日『ギターポップレストラン』でのライブを見ましたが、アルバムから感じる柔和な感じや優等生っぽさとは対照的な“はっちゃけ方”が印象に残りました。この曲はまさにその部分が出ているといえますね。

斎藤:僕らが中高生のころは青春パンクが流行っていて、自分自身も銀杏BOYZが好きなんです。メチャクチャに騒ぎ立てて、流血しながらステージ上で演奏している姿に衝撃を受けて。せっかくステージの上に立っているのだから、“生命の発露”をしなければならないと思っているので(笑)。ポップな音楽を作ってはいるものの、ライブとしてポップなものをやっているつもりは全くないですね。

――その逆ともいえるくらい大人しいのが、5曲目の「CHEESE,CHEESE,CHEESE」です。

斎藤:これはカーディガンズというか、トーレ・ヨハンソンがタンバリンスタジオで録音しているような、ちょうどいいくらいのボサノヴァ感を持たせようと思った曲です。歌詞やタイトルは、飯島が好きなチーズと実際にあるお店にちなんだもので、他愛ない日常を描いたものですね。

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――ちなみに歌詞は楽曲ごとに視点がバラバラな印象ですが、どこからインスピレーションを得るのでしょうか。

斎藤:僕、ドライな性格だということもあってか、自分のことを曲には書けないんです。なので、架空の主人公を立てて、設定を書いてという順序立ては中学3年生のころからずっと続けていますね。さっき「雨の詞が多い」という話をしましたが、最後の「LONG SPELL OF RAINY WEATHER」はまさにそうで。曲自体は「こういう曲が絶対POLLYANNAには合っているな」と思いながら書いたもので、かなりスムーズに出来上がった記憶があります。

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「質の良い音楽を作りながら大きなステージに立ちたい」(斎藤)

――最後に、先日5人に会ったTWEEDEESのライブをふまえて質問です。あのとき、清浦夏実さんが「みんな、シンバルズのこと大好きだよね! 私も大好き! でもね、私が忘れさせてあげる!」と観客を煽っていたのが印象的ですが、POLLYANNAはどういうアプローチで、これから“最新型渋谷系”として“渋谷系”の人たちや新しいリスナーに接していきたいですか。

斎藤:「専門家になり過ぎない」ことが大事ですね。僕自身、フェスで観客を踊らせているバンドのことも理解できるので、バンドとしてそこを意識的に遠ざけず、破綻しない程度に取り入れていきたい。そのうえで、質の良い音楽を作りながら大きなステージに立ちたいですし、ライブ自体は衝動的なものにしたいです。

飯島:斎藤は、そういう風にバランスを上手くとって、特定のジャンルに染まりきらずに尖った部分を持たせるのが得意だから、心配はしていません。湘南最強のソングライターだと思っているので(笑)。だからこそ、僕は斎藤のやりたいことを上手く増幅して、リスナーに届けられたらと思います。

斎藤:“湘南最強”とかやめて! いろんな人に怒られるから(笑)!

(取材・文=中村拓海/写真=下屋敷和文)

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■ライブ情報
『tambourine championship』
日時:3月22日(火)開場18:30/開演19:00
会場:TSUTAYA O-nest
出演:POLLYANNA/For Tracy Hyde/POLTA
料金:All Standing ¥2,500(税込) ※ドリンク代別
一般発売:1月23日(土)
チケットぴあ 0570-02-9999 http://pia.jp/t
ローソンチケット 0570-084-003 http://l-tike.com
e+ (イープラス) http://eplus.jp

TWo sHOTレーベル チケット先行予約
期間:12月24日(木)18:00~1月7日(木)23:59
http://eplus.jp/tc16ts/
【問い合わせ】
ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999 http://www.red-hot.ne.jp/

20151109-poljk.jpgPOLLYANNA 1st mini album『CIRCLE』

■商品情報
POLLYANNA
1st mini album『CIRCLE』
発売:2016年1月6日(水)
価格:¥1,800+税
<収録曲>
1.TAKE ME WITH OVERLAND
2.YUMEMITERU
3.HIT SPIKE
4.WANDERING ON THE SATELLITE
5.CHEESE,CHEESE,CHEESE
6.FURNITURE AND MOVING
7.LONG SPELL OF RAINY WEATHER

■関連リンク
POLLYANNAオフィシャルサイト
http://www.pollyanna.me/
POLLYANNA Twitter
https://twitter.com/POLLYANNA_info
TWo sHOTオフィシャルサイト
https://twoshotrecords.amebaownd.com/
TWo sHOT Twitter
https://twitter.com/twoshot_records

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