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Kygo(カイゴ)、初の単独来日公演で魅せた“音楽の多様性” 祝祭ムード溢れるSSA公演を振り返る

リアルサウンド

18/11/13(火) 12:00

 トロピカルハウスブームの火付け役としてシーンに登場し、その後リリースを重ねる中でひとつのジャンルにはとらわれないサウンドへと興味を広げてきたノルウェーのDJ/プロデューサー、Kygo。彼のさいたまスーパーアリーナ公演が10月27日に開催された。

 これまで『Ultra Japan』で2度のヘッドライナーを務めるなど、日本でのDJ経験こそ多かったKygoだが、単独来日公演は今回が初めて。とはいえ、当日はオープニングDJとして参加したTJOや、Kygoが「Stargazing」でボーカルに迎えたジャスティン・ジェッソ、そしてフューチャーハウス系の人気アーティスト、ドン・ディアブロらがサポートアクトとして登場。まるでKygo主催のフェスのような雰囲気が会場を覆っている。彼が2作目『KIDS IN LOVE』で無名アーティストを多数招集し、彼らをレペゼンしていた(そのためEPのセレーナ・ゴメスやエリー・ゴールディングらとの楽曲は未収録だった)ことを考えると、シーンの仲間を多数迎えたこの日の構成も今のKygoのモードを伝えるようだ。前座のアクトが進むごとに大観衆がフロアへと詰めかけ、Kygoが登場する頃には約15,000人が集結した。

 ステージ中央の高いやぐらに設置されたDJブースにKygoが現れると、まずは「Born To Be Yours」でライブをスタート。その後はZedd「The Middle」やTiesto「Jackie Chan」、Clean Bandit「I Miss You」、Calvin Harris「One Kiss」といった他アーティストの楽曲をノンストップで繋いでいく。その選曲はトロピカルハウスからビッグルームハウス、ファンクやディスコを取り入れた楽曲など、EDMシーンの音楽性の幅を伝えるような雰囲気だ。巨大スクリーンに流れる映像も、カラフルな模様からノルウェーの大地や海、針葉樹を思わせるものまで多種多様。Kygoが影響を受けたアーティストとして公言してきたAviciiを追悼するように彼の「Without You」をプレイすると、会場からも大歓声が巻き起こった。

 そうしたDJパートを経て披露されたEP収録曲「Stargazing」では、前座を務めたジャスティン・ジェッソがステージに登場して生歌を披露。彼に煽られる形で観客がスマホのライトを掲げ、さいたまスーパーアリーナの会場が一面夜空に変わっていく。スクリーンにはハートが砕けるような映像が挿入され、切ない歌詞の魅力を際立たせていたのも印象的だった。以降もFlume「Say It(feat. Tove Lo)」などを交えつつ、イントロで大歓声が起こった「Carry Me」、マーヴィン・ゲイによるソウルクラシック「Sexual Healing」の自身によるリミックス、ボニー・マッキーをゲストに迎えた「Riding Shotgun」などを次々にプレイした。

 これまでの来日時はDJが中心だったこともあり、日本ではなかなか体験する機会がなかったが、KygoのパフォーマンスはDJだけでなく生楽器も加えたライブスタイルを取ることが多い。この日も途中4人編成のストリングスカルテットとともに自身でピアノを演奏。トラックメイカーとしての作曲能力、他アーティストの楽曲も加えて全体の流れを作るDJとしての手腕、そして自身がピアノを弾いて披露する演奏者としての側面など様々な要素が混ざり合うことで、Kygo独特のパフォーマンスが生まれていく。

 その姿はDJ/プロデューサーというよりも、ギターをDJ機材に持ち替え、声も機材で操るシンガーソングライターのようで、トロピカルハウス期を抜けて様々な音楽性を手にした今だからこそ、その雰囲気がより際立って感じられる。以降も自身の楽曲「Never Let You Go」に「Boogie Wonderland」のリメイクを加え、そこからAxwell Λ Ingrosso「More Than You Know」に繋げたりするなど、終始様々なカルチャー/ジャンルをひとつに繋げていった。

 終盤はサンドロ・カヴァッザをステージに迎え、ライブ前日に公開された「Happy Now」を生歌とともに披露するサプライズも。2作目のタイトル曲「Kids In Love」ではスクリーンにアルバムジャケットが表示され、代表曲のひとつ「Stole The Show」ではDJ卓の上で日の丸を掲げるパフォーマンスに会場のボルテージがさらに上がる。観客の大合唱が生まれた本編ラストの「It Ain’t Me」を経て、アンコールではボニー・マッキーが再度登場して「This Town」で共演。ラストはKygoがピアノに腰かけてはじまった初期からのアンセム「Firestone」をジャスティン・ジェッソとともに途中で静謐なピアノアレンジではじめると、途中からダンスビートが鳴り響き、祝祭感溢れる雰囲気で2時間に及ぶステージを終えた。

 この日スクリーンにはKygoの背後から観客の姿を映した映像がリアルタイムで挿入され、その光景は今回の来日に寄せた自身の選曲によるベストアルバム『カイゴ ヒッツ・コレクション 2018 ジャパン・オンリー・エディション』のジャケットとリンクしていた。そうした映像やスモーク、そして火花が次々に飛び交う豪華絢爛な演出や、ボーカリストやストリングスカルテットなどを迎えたステージ構成、そしてDJからピアノ演奏まで曲ごとにスタイルを変えていく彼自身の姿を通して、様々な要素を飲み込んでますます広がりゆく今のKygoの音楽の多様性を伝えてくれるような雰囲気が印象的な一夜だった。

(写真=Masanori Naruse)

■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

■リリース情報
『HITS COLLECTION 2018 -JAPAN ONLY EDITION-』
発売中
¥2,200+税
解説&歌詞対訳付き
ブックレットに本人メッセージ・コメント入り 

<収録内容>
1. It Ain’t Me (Kygo & Selena Gomez) | イット・エイント・ミー(カイゴ&セレーナ・ゴメス) Composed by Kygo, Brian Lee, Ali Tamposi, Selena Gomez, Andrew Watt / Lyrics by Brian Lee, Ali Tamposi, Andrew Watt / Produced by Kygo, Andrew Watt
2. Born To Be Yours (Kygo & Imagine Dragons) | ボーン・トゥ・ビー・ユアーズ(カイゴ&イマジン・ドラ ゴンズ) Composed by Dan Reynolds, Wayne Sermon, Ben McKee, Daniel Platzman, Kygo / Lyrics by Dan Reynolds, Wayne Sermon, Lyrics by Ben McKee, Daniel Platzman, Kygo / Produced by Kyrre Gørvell-Dahll
3. Stole The Show feat. Parson James | ストール・ザ・ショウ feat. パーソン・ジェームズ Composed by Kygo, Ashton Parson, Kyle Kelso, Michael Harwood, Mali Harwood, Vocal Arranger Kyle Kelso / Lyrics by Ashton Parson, Michael Harwood, Marli Harwood / Produced by Kygo
4. Firestone feat. Conrad Sewell | ファイアーストーン feat. コンラッド・スーウェル Composed by Kygo, Conrad Sewell, Martijn Konijnenburn / Lyrics by Conrad Sewell, Martijn Konijnenburg / Produced by Kygo
5. Remind Me To Forget feat. Miguel | リマインド・ミー・トゥ・フォーゲット feat. ミゲル Composed by Alex Oriet, David Phelan, Phil Plested, Kyrre Gørvell-Dahll, Miguel Jontel Pimentel / Lyrics by Alex Oriet, David Phelan, Phil Plested / Produced by Kygo
6. First Time (Kygo & Ellie Goulding) | ファースト・タイム(カイゴ&エリー・ゴールディング) Composed by Kygo, Henrik Meinke, Jonas Kalisch, Alexsej Vlasenko, Jeremy Chacon / Lyrics by Sara Hjellström, Fanny Hultman, Jenson Vaugn, Ellie Goulding / Produced by Kygo
7. Stay feat. Maty Noyes | ステイ feat. マティー・ノイエス Composed by Kygo, Maty Noyes, William Larsen / Lyrics by Maty Noyes / Produced by Kygo, William Larsen
8. Stargazing feat. Justin Jesso | スターゲイジング feat. ジャスティン・ジェッソ Composed by Kygo, Justin Stein, Jamie Hartman, Stuart Crichton / Lyrics by Kygo, Justin Stein, Jamie Hartman, Stuart Crichton / Produced by Kygo
9. Carry Me feat. Julia Michaels | キャリー・ミー feat. ジュリア・マイケルズ Composed by Kygo, Julia Michaels, Justin Tranter / Lyrics by Julia Michaels, Justin Tranter / Produced by Kygo
10.Stranger Things feat. OneRepublic | ストレンジャー・シングス feat. ワンリパブリック Composed by Kyrre Gørvell-Dahll, Ryan Tedder, Casey Smith / Lyrics by Ryan Tedder / Produced by Kygo
11.Raging feat. Kodaline | レイジング feat. コーダライン Composed by James Bay, Derek Fuhrmann, Mark Williams, Kygo, Steven Garrigan / Lyrics by James Bay / Produced by Kygo
12.Nothing Left feat. Will Heard | ナッシング・レフト feat. ウィル・ハード Composed by Kygo, Will Heard / Lyrics by Kygo, Will Heard / Produced by Kygo

「ハッピー・ナウ feat. サンドロ・カヴァッザ | Happy Now feat. Sandro Cavazza」
配信中
https://lnk.to/KYGO_HappyNow 

カイゴ公式サイト

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