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佐野玲於、パフォーマーと俳優業で培った“魅せる力” 『ハナレイ・ベイ』では独特の存在感を残す

リアルサウンド

18/10/14(日) 12:00

 挑発的なダンスで観る者を魅了する一方で、まるで少年のような無邪気さでファンの心をギュッと掴んで離さない。かたや役者としては、クールな役柄から愛されキャラまで、幅広く演じて私たちを驚かせる。10月19日公開の映画『ハナレイ・ベイ』で、吉田羊、村上虹郎という実力派と並び、主要キャストに抜擢されたGENERATIONS from EXILE TRIBEの佐野玲於だ。

 GENERATIONSのパフォーマーとして活躍する傍ら、ドラマ『GTO』(フジテレビ系)や映画『HiGH&LOW』シリーズなどで演技経験を積んできた佐野。直近の映画出演は、今年7月に公開となった『虹色デイズ』。同作で佐野が演じたのは、純真無垢な高校生・なっちゃんだ。中川大志、高杉真宙、横浜流星という同世代の人気俳優陣とのカルテット主演で、友情に恋愛に全力で突っ走る姿を、男子高生ならではの空気感を生み出しながら演じ切った。

 言わずもがな、GENERATIONSとしての活動も順風満帆だ。2012年のメジャーデビュー以来、全シングルがオリコンチャートTOP10入り。今年5月~8月に行われた初の単独ドームツアー『GENERATIONS LIVE TOUR 2018 UNITED JOURNEY』では総勢41万5000人を動員するなど、勢いは加速するばかりである。

 多忙を極めるパフォーマーとの両立について、佐野は過去のインタビューで「表現方法が違うだけで、“感情を入れる”という点ではパフォーマーも役者も同じです。特にバラード曲だと思いを込めて振り付けをしたり、ライブでも表現しながら披露しています」(参考:ORICON NEWS|佐野玲於、パフォーマーと俳優の両立語る すべては「グループのため」)と話しているが、役者としての佐野には、経験の不足を感じさせない“魅せる力”がある。

 そして、その力が存分に発揮されているのが、最新作となる『ハナレイ・ベイ』だ。原作は、村上春樹の短編作品。佐野が演じるのは、ハワイのハナレイ湾でサーフィンをしている最中に、サメに襲われ命を落とす青年・タカシ。2016年に『HiGH & LOW THE LIVE』を鑑賞した松永大司監督が、佐野に“光るもの”を感じて直々にオファーしたことから、出演が実現したという。

 映画は、10年にわたって息子・タカシの命日にハレナイ湾を訪れ続ける母・サチ(吉田)が、折り合いの悪かった息子との日々を回想しながら進むヒューマンドラマ。あくまで現在のサチを中心に描かれるため、佐野の出演場面はさほど多くはない。それなのに、なぜだろう。物語の中で、佐野演じるタカシの存在感が強く印象に残る。

 サチが思い出す19歳のタカシは、思春期真っ只中。シングルマザーの母とはぶつかってばかりで、タカシはサチに向かって鋭い視線とトゲのある言葉を繰り返す。その姿はあまりに生っぽく、ドキッとさせられるほど。とくに惹かれるのは、サチとの軽妙な会話。とりわけ、“Tシャツが洗濯によって色落ちしてしまった”というありがちなシチュエーションでの掛け合いは、そのほとんどがアドリブだというから、驚いてしまう(参考:AERA dot.|吉田羊×佐野玲於 2人が考える「男女がうまくやる方法」とは?)。決してオーバーに“演じる”のではなく、あくまで自然体に“感情を表現する”。だからこそ、そこに確かにタカシが存在していた事実が、心にスッと沁みてくる。

 現在は、来春公開となる映画『PRINCE OF LEGEND』の前日譚である同名ドラマに生徒会長・綾小路葵役で出演中の佐野。初登場となった第2話では、バキバキに鍛え上げられた筋肉美を惜しみなく披露。コメディタッチのストーリーの中で、『ハナレイ・ベイ』の“どこにでもいる青年”とはまるで違う、“見たことのない優雅な肉体派王子”として視聴者たちを夢中にする。

 幼い頃からダンスを通じて人の心を動かし続けてきた佐野は、どんな役柄であれ“感情を魅せる”ことがうまい。佐野にとっては、ダンスと演技は表現方法として異なるだけで、根っこにあるものは同じなのではないだろうか。新たな作品に触れれば触れるほど、気になる表現者・佐野玲於。今後の輝きからも、ますます目が離せない。(文=nakamura omame)

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