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『イノセンス』坂口健太郎が語る“役”への思い入れ 「今までいただいた役は全部好き」

リアルサウンド

19/2/16(土) 12:00

 坂口健太郎が“冤罪弁護”に立ち向かう土曜ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)。坂口演じる黒川拓は、普段はラフな格好で気ままに振る舞い周りを振り回すも、冤罪弁護への積極的に立ち向かう信念は強く、第3話では、冤罪を晴らせず悔しさを滲ませていた。坂口に初となる弁護士役への思いを伺ったところ、これまで演じてきた役へのこだわりが明かされた。

【写真】坂口健太郎撮り下ろしショット

■「僕はきっとこのままでいいんだな」

ーー初めての弁護士役ですね。

坂口健太郎(以下、坂口):最初、弁護士は無罪を証明するために、自分の弁で敵と闘っていく、“スーパーマン”なイメージがあって。“強い男性”を想像していたから、大変そうだけど面白そうだなと考えていました。でも、いざ台本をいただいて黒川拓という人を知り始めた時に、拓のような弁護士ってすごく素敵だなと感じたんですよね。拓は弁護する被告人のために精一杯の力を使うけど、ツッコミどころもたくさんあって、そのちょっと抜けた感じが好きです。弁護で120%の力を尽くすために、他のところでは力を抜いている姿がすごく自然だなと思ったし、その精神に親しみと人間臭さを感じて。台本を読み進めていても未だに拓に対しての興味が尽きません。

ーーご自身が拓と近いものを感じたりすることは?

坂口:自分の中で思う共通点というよりは、傍から見て「似てるよね」と言われることは結構ありますね。僕も普段、乱雑なんです。乱雑というか(笑)、その……。

ーー散らかってる?(笑)。

坂口:汚くはないんだけど物が置いてあるんです、散らかっていると認めたくないだけなんですけど(笑)。僕、面倒くさくて楽屋に行かないから、昼飯も前室でラーメンとか食べていたら、いつもいる場所が「拓スペース」と言われ始めていて(笑)。荷物や台本をバラバラに置いてあって、それを「拓っぽさ」と言っていいのか分からないけど、よく周りからは言われますね。

 でも、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)に出演させていただいた時に「物事を始めるスピードが遅いし、おおざっぱな性格なんです」と相談したら、先生方から「お芝居の瞬間で力を出すからそれでいい」と助言をいただいて。「片づけた」というところで力を使って終わってしまうタイプの人もいるようで、それ以来、僕はきっとこのままでいいんだなと(笑)。だから、芝居の時に集中する感覚と、拓の弁護へのON/OFFの切り替えは分かる気がします。

■「スタジオに居られなくなってしまった」

ーー撮影の前に、実際に法廷を見学されたそうですね。

坂口:まず弁護人が、被告人の人生の生い立ちから丁寧に柔らかい言葉で話し始めていて驚きました。一般の方が参加する今の裁判員制度では、こういう形で裁判が行われているそうです。法廷ではもっと堅い言葉が飛び交っているイメージでしたが、拓はそういうタイプの弁護士ではないと思っていたので、とても参考になりましたし、拓が立つ法廷をテレビで視聴者の方に見てもらうのは、すごく大事なことだな思いました。

ーー拓が不可能に近いと言われている冤罪弁護ばかりを担当しているのは何故なのでしょうか。

坂口:話が進んでいくにつれて、拓のある過去に冤罪が絡んでいるのが明かされていきます。おそらく拓の中で冤罪に対して心に残っているものは、ネガティブな感情なんだろうと思います。

ーー坂口さん自身は冤罪について考えたことはありますか。

坂口:第3話を撮っていた時に、「冤罪ってすごい悲しいことだな」と思って、スタジオに居られなくなってしまったことがありました。拓が弁護していた医師は、患者を救えなかったことに責任を感じて、病院の管理体制の問題を隠蔽するために責任を負わされる。証拠が十分に認められず、「被害女性を死亡に至らせたと主張する」と言われてしまうのを、僕自身が頭の中で考えたら泣けてきてしまって。でもその時に、冤罪の悲しさというか、拓としての気持ちが僕なりに欠片だけでもわかった気がしました。

ーー弁護をする時、拓は弁護する人を信じる気持ちが強いのか、それとも判断を下した検事を疑う気持ちが強いのでしょうか。

坂口:拓はすごくニュートラルな人間だと思うんです。全てを信じているんだけど、全てを信じていない感覚というか。第1話で楓(川口春奈)に「どうして決めつけるんですか?」と問いかけるところがすごく印象的でした。やっぱり人は情に流されることはあるし、楓の考えは感情としてはすごく正しいなとも思います。僕も普通に台本を読んでいたら、楓の言っていることの方が分かるし、いや~でもこれどうなんだろうな~、僕だったら引っ張られちゃうな~という時もあって。だけど、拓はすごくニュートラルに物事を見ていて、拓だからこそ見える真実があるんだと思うんです。もちろん弁護をする人のことも信じてはいるけれども、本当に信じているのは真実というか。情で「あなたを絶対に無罪にします」とも言わないし、自分で動いて調べて「彼は無実だ」と自分の中に信じる核を作る姿がすごくかっこいいなと思います。

■「全く“何かをしている”という意識はない」

ーー連ドラは昨年の『シグナル 長期未解決事件捜査班』(カンテレ・フジテレビ系)に続き、2度目の主演となります。

坂口:「坂口くん、主演の時喋るよね」と言われたことがあって(笑)。確かに自分が主演じゃないとあまり喋らない気がします。やっぱり主演の方を立てるべきだと思うし、どこに行っても自分が、と前に出ていくタイプではないんですよね。

ーー座長として引っ張っていく、と気を張ることもなく?

坂口:初めて『シグナル』で連続ドラマの主演をやらせていただいた時は、どうなるんだろう? と思っていたんです。映画でもドラマでも色んな主演の方の背中を見てきましたが、僕はどういう立ち方ががいいのかな、と。もちろん、「ついて来い!」っていう兄貴肌の人もいれば、みんなで肩を組んで一歩ずつ歩んでいく人もいるだろうし、だからやってみたら分かるだろうと思ってやっていて。でもきっと『シグナル』の時の主演は三枝健人という役をやる上での僕の立ち方だったのかなと思うから。(同席した本多繁勝プロデューサーに向かって)今、『イノセンス』で僕ってどんな感じなんですかね?

本多繁勝プロデューサー(以下、本多P):すごく良い感じだと思います。ちゃんと座長していると思います。

坂口:でも、全く“何かをしている”という意識はないんですよね。

本多P:坂口くんの柔らかい雰囲気に全体が飲まれている感じがします。やっぱり番組ってその座長の雰囲気になるんですよ。坂口くんがとても自然体でいるから、絶妙な緩さでみんなを包んでいます。坂口くんについて行こう、という気持ちもあるんだと思うんだけど、両者が合わさっているという感覚ですかね。

坂口:へえ~。

本多P:自信持ってください。無理をしてる感じもないし、かといってだらけているわけでもないから、良い座長していると思いますよ。

坂口:それは、一番いいタイプですね?(笑)。

本多P:そうですね(笑)。 周りのみんなも柔らかい人が多いので、チームワーク的にとても良い感じだと思います。

■「どんな役でも好きになろうとする」

ーーお話を伺っていて、坂口さんの拓という役へのこだわりをとても感じました。

坂口:僕は役をいただくと、どんな役でも好きになろうとするんです。僕と市川実日子さんは、『ナラタージュ』に出演していて、同じシーンはなかったんですけど、「小野(怜二)くんってちょっと不思議な変な役だったよね」「でも僕はすごく好きだったんですけどね」と話したら、「坂口くんがやることによって小野くんが、普通に文字にすると“嫌な人”かもしれないけど、すごく人間ぽくなったよね」と言っていただいて。「ありがとうございます。やっぱり役を好きになったほうがいいなと思って」と言った時に、あ、僕はきっと今までいただいた役って全部好きだなって思ったんです。でも、今回何が違うかって、拓には興味があるんですよね。

ーー先ほども「興味が尽きません」と話していましたね。

坂口:過去の事件が少しずつ明らかになっていくにつれて拓の核的な部分が見えるような気がしています。自分が芝居をしながらその役にどんどん興味が出てくるというのはドラマの醍醐味を味わえているなと感じます。回を追っていく間に拓のいいところをもっと視聴者の方に好きになってほしいし、何年か後に、ふとした瞬間に思い出してほしいですね。それって瞬間的な面白さよりもちゃんと残っているような気がしていて、そういうキャラクターを作れたら嬉しいです。

(大和田茉椰)

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