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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

「AIR JAM 2018」でのHi-STANDARD。(Photo by TAKASHI KONUMA)

Hi-STANDARD、世代超え10組でつないだマリンスタジアム「AIR JAM」

ナタリー

18/9/16(日) 21:20

Hi-STANDARD主催のライブイベント「AIR JAM 2018」が9月9日に千葉・ZOZOマリンスタジアムにて開催された。

2000年以来、18年ぶりのZOZOマリンスタジアムでの開催となった今年の「AIR JAM」。当日は真夏のような日差しが照りつける中、Hi-STANDARD含め全10組が熱演を繰り広げた。最初に難波章浩(Vo, B / Hi-STANDARD)がステージへ。彼はこの日、西日本を襲った平成30年7月豪雨や平成30年北海道胆振東部地震に向けた募金箱を設置していることを説明したあと「パンクロックで何ができるか? 日本元気にしちゃおうじゃねえか!」と宣言し、イベントの幕を開けた。

トップバッターは「AIR JAM」常連のBRAHMAN。TOSHI-LOW(Vo)は「俺たちの愛する90年代に別れを告げて今を生きるために、AIR JAM 2018、1回表トップバッター、BRAHMAN始めます!」と意気込みを述べる。「守破離」ではKO(SLANG)、「今夜」では細美武士(the HIATUS、MONOEYES、ELLEGARDEN)をステージに迎え入れ、コラボアクトで場内を盛り上げた。TOSHI-LOWは最後に2000年の「AIR JAM」からこれまでを回想し「終わっちまうバンドがうらやましかったこともあった、活動休止するバンドが楽でいいなあと思ったこともあった、だけど3人組! 復活してくれてありがとう! ここに戻ってきてくれてありがとう!」とHi-STANDARDへの思いを告げた。

SiMのステージでは、姉がベースと共にHi-STANDARDのアルバム「MAKING THE ROAD」および同作の楽譜を貸してくれたという中学時代のエピソードをMAH(Vo)が話し始める。そして「今日『AIR JAM』が千葉マリンスタジアムに帰ってきたということで、何か面白いことを」と言うと、MAHはベースを抱え、SIN(B)はエレキギターに持ち替え、4人で「DEAR MY FRIENDS」をカバー。イントロでさっそくMAHが間違えてしまうひと幕もありつつ、最後には難波も登場してMAHと共に歌い、ファンとSiMメンバーを喜ばせた。歌い終わるとMAHは興奮した様子で「結成14年、大抵のことは経験してきたけど、いまだに夢を見させてくれてありがとうございます!」とHi-STANDARDへ感謝を述べた。

続いて登場したのは北海道のSLANG。震災の影響の残る中、なんとか北海道からやってきたという彼らは空席を指差して「空いてる席は全部北海道人の席。そういうつもりでやります」と地元へ思いを馳せた。またファンに向けて「今日来れなかった人の分まで超ライブハウスみたいな感じで楽しんでくれ」と言うと、KOはフロアへ降り、ライブハウスのような距離感でパフォーマンスを実施していく。中盤には2000年の「AIR JAM」に誘われていたものの、自身のボーカルに自信がなく辞退していたことを告白。その後悔を晴らすかのようにパワフルなボーカルを聞かせ、最後に「やるしかないっしょ、北海道AIR JAM!」と声を上げてステージをあとにした。

この日唯一のラッパー・KOHHはエモーショナルなフロウが印象的な「Die Young」でライブをスタート。「(みんなの)声を聞かせてほしい」と言ってから始まった「Dirt Boys」では曲中のコール&レスポンスで場内の一体感を高めていった。抜けるような青空を見上げて「何万人の前で歌えたり、こんな晴れの下で楽しめることがうれしいのでドラッグの歌を」と「Drugs」でドープなムードを漂わせたあと、自己紹介とばかりに自らの生い立ちを歌った「Family」を届けた。

3度目の「AIR JAM」出演となるマキシマム ザ ホルモンのライブが始まると、スタンディングエリアにはあふれんばかりのファンが押し寄せる。ナヲ(ドラムと女声と姉)が「初めて“紅”を引いてきました!」と口紅で色めいた顔を見せ、その気合いのほどをアピールしていた彼らは、演奏シーンとあわせて歌詞を映し出すなど、ステージ横のビジョンを駆使した演出でライブを盛り上げる。ラストナンバー「恋のスペルマ」ではフロアに大きなサークルピットを発生させ、イベントの前半戦を締めくくった。

スケーターとBMXライダーのエキシビションを挟み、イベントは後半戦へ。涼しげな風が吹き込む中登場したHEY-SMITHは「Hi-STANDARDに憧れたくそガキが『AIR JAM』のステージでHi-STANDARDにケンカ売りにきました!」と自らを勢い付けると「Let It Punk」「I'M IN DREAM」といったナンバーで観客をヒートアップさせていく。しかし終盤、猪狩秀平(G, Vo)は「あと2曲で帰ります!」と言ったあと、ふと我に返り「って言うかあと2曲やったら帰らないかんのか……最悪や。ステージ降りたくない!」と寂しがる。続けて「何か壁にぶち当たったときは俺らのライブに来い! 何かキラキラしたものをあげるから! 俺らにとってハイスタがそうだったように、今度は俺らがお前らの光になるから!」と観客にメッセージを送り、エモーショナルに「Goodbye To Say Hello」を歌い上げた。

10-FEETは「1 size FITS ALL」「RIVER」といったナンバーでファンを暴れさせたあと「太陽4号」をしっとりとプレイして、場内をクールダウンさせる。日の暮れていくタイミングと相まって、場内はしんみりとしたムードに。かと思えば曲終わりで間髪入れずに「VIBES BY VIBES」をドロップして再びファンをヒートアップさせるなど、緩急つけたライブを展開していった。TAKUMA(Vo, G)はHi-STANDARDについて「嘘つかへんところがカッコいいと思う」と述べたあと、「この1曲に賭けよう」と気合いを入れ直し、「ヒトリセカイ」をエモーショナルにプレイした。

「まさか俺たちがAIR JAMに出るとは」と驚きつつも「AIR JAM」初出演を喜んだのはThe Birthdayのチバユウスケ(Vo, G)。彼らはタイトな演奏で「くそったれの世界」「1977」などを届けていく。「Red Eye」ではチバがイマイアキノブ(G)のギターと競い合うようにブルースハープをプレイし、続く「涙がこぼれそう」ではチバの「歌えるか?」の言葉に答えるようにフロアから大きな合唱が発生した。彼らはその後も言葉少なめに、巧みなプレイで観客を酔わせていった。

「AIR JAM」初出演にしてトリ前に抜擢された04 Limited Sazabysは、GEN(B, Vo)が「夢みたいな現実。なんでこの出番なのかわからないけど、やるだけ。いつまでもおっさんたちに先頭走らせてたまるかよ!」と堰を切るように言葉を重ねたあと、彼らの楽曲の中でもひときわパンキッシュな「monolith」でライブをスタートさせる。その後も「Hi-STANDARDの曲(のカバー)をやったほうがいいかなとも思ったけど、俺たちの曲は全部ハイスタの遺伝子が入っているので」と語った通り、ニューアルバム「SOIL」収録のメロディックパンクナンバー「message」や、「04 Limited Sazabys的『STARRY NIGHT』」だという「midnight cruising」などを矢継ぎ早にプレイしていった。

Hi-STANDARDの登場を今か今かと待ち望むファンの姿がビジョンに映し出され、場内の期待が高まる頃、難波、横山健(G, Vo)、恒岡章(Dr)の3人がステージへ。大歓声に包まれる中、難波が「この場所に来れなかったやつらの分も思いっきり歌って踊って!」と声をかけ、バンドは“友達の歌”「DEAR MY FRIENDS」をプレイ。ファンは大興奮で盛大なシンガロングを響かせた。「STARRY NIGHT」では観客がスマートフォンのライトを点灯して場内を幻想的に彩り、「MY FIRST KISS」ではハイスタメンバーから呼び込まれた04 Limited SazabysのGENがうれしそうに難波のマイクで歌唱した。この日難波、横山、恒岡は何度も顔を見合わせ、「BRAND NEW SUNSET」では互いに「you and me! me and you!」と言い合うなど、終始楽しそうに演奏していた。

アンコールで「日本に光を!」との前置きから「Stay Gold」が投下されると、場内はこの日一番の盛り上がりとなった。この日のMCでは、世代を超えたラインナップや、常連のBRAHMANをトップバッター据えた出演順について「最近のフェスの常識をぶっ壊したかった」「おじさんバンドと若いバンドが一緒にやってる海外のフェスが理想」としきりに説明していた彼ら。難波の「Hi-STANDARDが(仲間やファンと)ものすごいパワーでつながったということを次の曲で証明するわ」という言葉を合図に「Free」の演奏が始まると、場内には大合唱が発生。メンバーはそんなオーディエンスの様子を見渡し笑顔を見せた。そして難波が「またこの場所で会いたいね!」とつぶやき、バンドは最後に「MOSH UNDER THE RAINBOW」をプレイ。イントロではステージ袖からブライアン・バートンルイスがマイクへ進み音源通りのセリフを加えるサプライズも。演奏中にイベントを締めくくる花火が上がり、会場はピースフルなムードで包まれる。最後には出演者が続々とステージに登場し、大盛り上がりの中「AIR JAM 2018」の幕は降ろされた。

なおBSスカパー!ではこの日の模様を11月6日(火)に放送。スペースシャワーTVでは開催までの軌跡を追ったドキュメンタリー「AIR JAM 2018 DOCUMENTARY SPECIAL」を12月9日(日)にオンエアする。

BSスカパー!「AIR JAM 2018」

2018年11月6日(火)22:00~25:00

スペースシャワーTV「AIR JAM 2018 DOCUMENTARY SPECIAL」

2018年12月9日(日)21:00~22:30