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けやき坂46が示した1年間の成長 日本武道館を“ひらがなけやき色”に染めたクリスマスライブ

リアルサウンド

18/12/23(日) 16:00

 けやき坂46が12月11から13日の3日間にかけて日本武道館にて公演『ひらがなくりすます2018』を開催した。

参考:欅坂46、2期生9人はグループに何をもたらす? 「お見立て会」を見て感じたこと

 けやき坂46は今年1月末に同じく武道館で3日間のライブを行っている。が、その際は欅坂46(漢字欅)が急遽出演中止になった代わりに代役的に出演したという経緯もあり、準備不足が不安視されたなかでのライブであったが、結果的に大成功を収めている。

 それから約一年。その間には4月に舞台『あゆみ』出演、6月には1stアルバム『走り出す瞬間』発売、ツアーの開催と駆け抜けてきた。冠番組もスタートし、2018年は全速力で駆け上がってきた印象だ。活動の幅を広げ、2期生も成長し、さらには3期生も加入。今回のライブは、そんな彼女たちがこの一年間を通して成長した姿をファンに向けて披露すできるような機会となった。

 ライブは非常に明るい世界観から幕を開ける。パーティー、パレード、ミュージカル的……こうしたキーワードが連想されるステージングだ。メンバーが続々と登場し横一列で「ハッピーオーラ」を披露したかと思えば、2曲目「ひらがなけやき」の歌唱中にスクリーンに大きな木が登場するなど、けやき坂46ならではの演出が施されている。テーマがクリスマスのため、星や雪の結晶型に象られた電飾は彼女たちのグループイメージに非常にマッチしていた。

 また、ダンストラックなどを増やし、よりダンス面に比重がかかったことでライブ全体に深みが増したのも今回の特筆すべきポイントだ。ピースフルな演出だけでなく、「こんな整列を誰がさせるのか?」のようなシリアスな楽曲の完成度も非常に高い。スクリーンには操られるロボットのような映像が映し出されたり、階段状の舞台を一列に並ぶ振り付けなどにより曲の世界観を最大限引き出していた。こうした方向性の楽曲も突き詰めたことで、ライブの世界観に振り幅が生まれていただろう。

 終盤は「期待していない自分」から「半分の記憶」、「誰よりも高く跳べ!」、そして「NO WAR in the future」へとラストスパートをかける。この時、大スクリーンにメンバーの表情が映されると会場が高揚するのが印象的だった。例えば、2期生の金村美玖が激しいダンスを踊るときの何者かに立ち向かっていくような表情、あるいは1期生佐々木美玲がセンターに立った際にステージに漂う静かなオーラ、キャプテン佐々木久美が大声で煽ると爆発する熱量。こうしたメンバーたちから発せられるパワーをカメラが捕まえると途端に会場がそれに応えるようにして湧き立つ。やはり我々は、彼女たちの必死な姿やパフォーマンスに励む様子に胸打たれているのだ。最後は「ひらがなで恋したい」で鮮やかに締め、最後は天井から降りてきたプレゼントボックスに入り込みメンバーが”プレゼント”となって終演へ。メンバーからファンへとクリスマスプレゼントが贈られたような演出でこの日を終えた。

 今回の公演で彼女たちが示した“1年間の成長”とは、自分たちの“色”そのもので魅せられるようになったという点だろう。もしかすると、グループの世界観を純粋に楽しめる初めてのライブだったのかもしれない。

 というのも、前回の武道館公演は彼女たちの持っていたドキュメンタリー性の部分が強く押し出されていた感があったからだ。そうした状況の中であったからこそ初披露した新曲「イマニミテイロ」の歌詞に胸打たれた者も多いはず。また、『走り出す瞬間』ツアーについても初の単独アルバムの発売とあって、グループが“独り立ち”していく瞬間を捉えたようなストーリー性を、ライブ全体のメッセージへと昇華していただろう。つまり、歌詞や楽曲にグループの物語性が強く付随した状態が長く続いていたため、パフォーマンスそのものに周辺的な情報が加えられていたのが今までのけやき坂46だった。

 そういう意味で今回は、今まで大きな支柱となっていた物語性を極力抑え、彼女たち独自のピースフルな演出やパフォーマンスを純粋に楽しめるイベントになったと言えるのではないか。新曲「JOYFUL LOVE」ではファンの呼びかけによってサイリウムが七色に点灯し会場全体を虹色に演出。グループとファンのお互い支え合うような関係も見て取れた。MCの言葉ひとつとってもどこまでも平和な彼女たちには、武道館の円形構造がよく似合っている。

 ダブルアンコールで披露した「約束の卵」に倣って言えば、彼女たちの舞台がもうひと回り大きな円形会場になる日も近いかもしれない。来年のけやき坂46の成長に期待は高まるばかりだ。(荻原 梓)

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