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フレンズが語る、“ポップバンド”として踏み出した新たな一歩 「0才から100才まで聴いてほしい」

リアルサウンド

18/8/1(水) 12:00

 1st EP『ベッドサイドミュージックep』がスマッシュヒットを記録、4月14日には日比谷野外大音楽堂でフレンズのフレンズを迎えた豪華イベント『フレンズのフレンズ大集合~日比谷野音でコラボ祭~』をソールドアウトさせるなど、活動のスケールを確実に広げているフレンズが1st Full Album『コン・パーチ!』を完成させた。「NO BITTER LIFE」(サッポロビール『ホワイトベルグ』TVCMソング)、「TITLE ROLE」(2018年冬公開映画『ヌヌ子の聖☆戦』挿入歌)などのタイアップソングを含む本作は、このバンドが持っているハッピーで朗らかな雰囲気、メンバー5人のキャラクター、そして、優れたポップスメイカーとしてのセンスがたっぷりと感じられる作品に仕上がっている。

 リアルサウンドでは、おかもとえみ(Vo)、ひろせひろせ(Vo・Key)、三浦太郎(Gt・Cho)、長島涼平(Ba)、SEKIGUCHI LOUIE(Dr)にインタビュー。“改めて、よろしくお願いします”という思いを込めたという『コン・パーチ!』の制作、”目標は東京ドーム”というこの先のバンドのビジョンなどについて聞いた。(森朋之)

■「メンバーの“らしさ”や“新しさ”を詰め込んだ」(おかもとえみ)

左から三浦太郎、ひろせひろせ、おかもとえみ、長島涼平、SEKIGUCHI LOUIE

ーー1st Full Album『コン・パーチ!』、素晴らしいです。フレンズの音楽性、メンバーのキャラ、バンド全体の楽しい雰囲気がしっかり感じられるアルバムだと思いますが、みなさんの手応えはどうですか?

ひろせひろせ(以下、ひろせ):4月の野音で「(アルバムを)夏に出します」と発表してたから、まずは間に合って良かったなと(笑)。6月10日までに完成させないといけないスケジュールだったから、「5月はライブを控えて、アルバムの制作に充てましょう」と言っていたんだけど、フタを開けてみたらライブが5本入ってたんですよ。しかも、初めて曲ができない感じになってしまって。レコーディングの前日にデモを送ったり、ひどいときは当日までアレンジの方向性が決まらないこともあって、メンバーにはかなり迷惑をかけちゃったんですよ。だから余計に「ちゃんと完成してよかった」という気持ちになったというか。アルバムの内容としては、いま言ってもらった通り、5人の顔が想像できるようなものにしたくて。メンバーの魅力、バンドの魅力が詰まった1枚になったと思います。

長島涼平(以下、長島):ひろせは「迷惑かけた」って言ってるけど、それはまったくなかったんですよ。ひとつ気になってるのは「何で野音で(アルバムのリリースを)言い切っちゃったのかな?」っていう。

SEKIGUCHI LOUIE(以下、SEKIGUCHI)、三浦太郎(以下、三浦):ハハハハハ!

長島:「夏に出したいね」という話はしてたんですけど、いい切っちゃうと出さなくちゃいけないじゃないですか(笑)。スケジュールはかなりタイトだったけど、レコーディングの楽しさだったり、「めっちゃカッコいい曲になったね」みたいな雰囲気もそのままパッケージされているから、結果的にはぜんぜん良かったんですけどね。ヘンに置きに行ってないというか、時間がない中、全力でやれたのも良かったし。

SEKIGUCHI:普通に家で聴いてますからね。アルバムトータルとしてもすごくいいし、お気に入りの曲もいっぱいあって。ムリして作った感じもしないし、いいものを作れたなという手応えもあります。

ーー太郎さんはどうですか? シンガーとしてフィーチャーされている曲もありますが。

三浦:そうなんですよ! 「これをやって」と言われることが自分にとっての新ジャンルというか、いつも新しいことに挑戦している感じもあって。発射台を用意してもらったら、飛ばないと申し訳ないですから(笑)。「元気D.C.T~憧れのマチュピチュ~」もそういう感じだったんですよ。「太郎さんに歌ってほしいんだよね」と言われたんだけど、「あれ? 歌よりセリフのほうが多くない?」って。

ひろせ:そうですね(笑)。

三浦:「マチュピチュに行きたがってるのに財布がない」という設定を演じました(笑)。しっかり歌ってる曲もありますけどね、もちろん。

おかもとえみ(以下、おかもと):(笑)。「街」「コン・パーチ!」の原曲は初期の頃、『ベッドサイドミュージックep』と一緒の時期からあった曲なんですけど、それをブラッシュアップして収録できたのも嬉しいですね。あと「またねFOREVER」は、メンバーの「幽☆遊☆白書」への愛を詰め込んだ歌詞になっていて。

ひろせ:テレビアニメ版『幽☆遊☆白書』のエンディング曲は馬渡松子さんの「さよならbyebye」という曲なので、それにつなげる感じで「またねFOREVER」というタイトルにして(笑)。

おかもと:メンバーの“らしさ”だったり、バンドの新しい部分もたくさん詰め込めた、楽しいアルバムになったと思います。

■「音楽番組の常連になりたい」(ひろせひろせ)

ーー楽曲もそれぞれキャラが立ってますよね。まず1曲目の「常夏ヴァカンス」は、サウンドがハロプロ的というか……。

おかもと:お、すごい。

ひろせ:「常夏ヴァカンス」は大久保薫さんというアレンジャーさんに入ってもらってるんですけど、まさにハロプロの楽曲を手がけてきた方で。自分が他のアーティストに楽曲を提供するときは、アレンジャーさんにお願いすることが多いんですけど、「餅屋は餅屋だな」とすごく感じて。これからフレンズが大きくなっていくときに、俺ら5人だけではなくて、(アレンジャーなど)誰かの力を借りなくちゃいけないタイミングがあるだろうなと思ってたんですよ。「常夏ヴァカンス」はえみそん(おかもと)の曲なんですが、デモを聴いたときに全員一致で「これ、アルバムのリード曲でしょ」ということになって。だったら大久保さんにアレンジをお願いするのが一番いいんじゃないかなと。

おかもと:上がってきたアレンジを聴いたときに「これこれ!」ってドンピシャだったんですよ。曲を作ったときからラテンのテイストを入れたかったんですよね。西野カナさんの「Esperanza」、EXILEの「Ti Amo」のような感じで、ラテンの雰囲気を活かした曲にしたかったので。

ひろせ:大久保さんとは「フェスで戦える曲にしたいんです」という話もさせてもらって。でっかい会場で鳴らせる楽曲にしたかったし、大久保さんも「フレンズの良さを活かして、大きい会場で映える曲にするためにはベースが大事だよね」と言っていて。ベースだけじゃなくて(大久保にアレンジを依頼したことで)メンバーそれぞれにテーマとか課題が見つかったんですよね。それもいい方向に進んだ理由だと思います。

長島:ひろせがアレンジするときは、ベースに余白を残してくれるんですよ。好きなように変えさせてもらっているし、自分のセンスを活かしながら、曲に合うように落とし込むことを毎回考えているんですけど、「常夏ヴァカンス」に関しては、いままで弾いてなかった感じのベースラインが入っていて。そのフレーズをいったん覚えて、さらに自分らしいところを入れ込むっていう。大変だったけど、すごく勉強になったし、楽しかったんですよね。

ーー結果的にポップスの要素が強い楽曲になってますよね。

ひろせ そうなんですよ。俺らと大久保さんでは使ってる脳が違うというか(笑)。でも、そこを通らなくちゃいけなかったんですよね。俺らは音楽番組の常連になりたいし、もっと売れてたくさんの人に知ってもらうためには、捨てたほうがいいプライドと守らないといけないプライドがあると思っていて。「この曲のアレンジは自分にはできないから、大久保さんに頼もう」と言えたのは良かったですね。

ーー「守らなくてはいけないプライド」というのは?

ひろせ:「打ち込みでもいい」ではなくて、ドラム、ベース、ギターのプレイは活かしているし、この曲のアレンジに対してメンバーそれぞれが戦って、自分たちのモノにしたということですね。それができることがめっちゃ嬉しいんですよ、自分は。

おかもと:「常夏ヴァカンス」は対バンツアー(2018年6月に行われた『フレンド申請ツアー』)で初披露したんですが、しょっぱなから盛り上がって。メンバーみんながイケメンになれる曲なんですよ(笑)。

ーー長島さんが作曲した「fisherman」もいいアクセントになっていると思います。タイトル通り、釣りの曲ですね。

長島:クレジット(作曲:長島フィッシャー涼平)を見るたびに恥ずかしくなるんですけどね(笑)。僕が曲の母体となるトラックを作って、それをひろせに揉んでもらって。そしたら「釣りの曲になりました」って(笑)。そんなつもりはなかったんですけどね、こっちは。しかも「涼平さん、LOUIEさん、太郎さんの年長組で歌詞を書いてください」って言われ。

SEKIGUCHI:涼平くんはもともと釣りが好きで、僕とか太郎くんを何度か誘ってくれたんですよ。そのときに釣りの楽しさを感じていたので、歌詞を書くときもイメージしやすくて。

太郎:そうだよね。

長島:「こんなに釣り用語を知ってるんだ?」って思いました(笑)。無理矢理釣りに連れていったのもムダじゃなかったなと。

ひろせ:(笑)。僕としては涼平さんが曲を作ったことの意味合いをしっかり出したかったんですよね。えみそんがひとりで歌ってる「シルエット」があって、太郎さんが主役の「元気D.C.T~憧れのマチュピチュ~」があるなか、涼平さんが主役の曲があってもいいよなと。最初にも言いましたけど、5人のメンバーが想像できるアルバムを作りたかったので。あと意外性のある曲、つまり、ワクワクできる曲にしたいという気持ちもあって。「楽しそう」というのもフレンズのテーマですからね。

長島:うん。最初はどうなるかと思ったけど(笑)、結果的にアルバムのなかでいい立ち位置の曲になったし、気に入ってますね。

ーーいま話に出た「シルエット」も素晴らしいですね。おかもとさんの歌の力がしっかりと感じられて。

おかもと:嬉しいです。この曲は私がソロ(シンガーソングライター)として作った曲なんですが、ひろせが「すごくいい」と言ってくれて、「歌、ピアノ、弦のアレンジでやろう」ということになって、河野圭さんにアレンジをお願いしたんです。河野さんのことはひろせも以前から知っていたし、私も他の現場でご一緒して、ピアノのアレンジが素晴らしいなと思っていたので。

ひろせ:back numberのスタジオアコースティックライブ(4thアルバム『ラブストーリー』の初回盤特典DVDに収録された「sympathy」「風の強い日」のスタジオライブ映像)のアレンジを河野さんが担当されていたんですが、それが素晴らしくて。「シルエット」のレコーディングにも、そのときのメンバーを集めていただいたんです。生のストリングスは初めてだったんですけど、すごかったですね。

おかもと:うん。歌は河野さんのピアノと一緒に録ったんですけど、ライブみたいな感じだったし、テイクもほぼ直さず、そのまま使ってるんです。生の感じが出ていて、いい仕上がりになりました。

ひろせ:バンドがストリングスを取り入れると「メジャーかよ!」って抵抗感を示す人もいるみたいですけど、僕らはぜんぜんそんなことなくて。最初からシンセやストリングスの音はガンガン使ってたし、今回も、えみそんの歌がいちばん良く聴こえる構成を考えた結果、こういうアレンジになったんですよね。

■「“地に足をつけてがんばろう”という時期は過ぎた」(長島涼平)

ーー「NO BITTER LIFE」(サッポロビール「ホワイトベルグ」TVCMソング)、「TITLE ROLE」(2018年冬公開映画「ヌヌ子の聖☆戦」挿入歌)などのタイアップソングも収録されているし、メジャー感、ポップス感が増しているのも『コン・パーチ!』の特徴だと思います。これはもともと目指していた方向ですよね?

ひろせ:そうですね。老若男女、0才から100才まで聴いてほしいと思っているし、タイアップのオファーをもらえるのも本当に嬉しくて。けど、ライブハウスも好きなんですよね(笑)。東京ドームでライブをやった次の日に、神泉のライブバーでライブをやるのが目標なので。

おかもと:キャパ40人くらいのお店があるんですよ。

ーー活動スタートから2年足らずで野音をソールドアウトさせたわけだから、ものすごく順調ですよね。いまの状況って予想通りですか?

ひろせ:どうだろう? もちろんバカ売れしたいんですけど、フレンズらしい元気な感じだったり、楽しんでる雰囲気をちゃんと持っておくためには、まずは足元を固めないとダメだなと思ってたんですよね。とりあえずそれはできたかな、と。俺とえみそんは「30才までに武道館でライブやりたい」って言ったんですけど、来年の8月から改修工事に入るそうなので、どうしようかなって。

おかもと:悩んでます(笑)。

ひろせ:いまの状況に関しては、自分たちを見失わないように(笑)、このスピードのまま進みたいですね。

長島:自分で言うのもアレですけど、すごくいい状況で活動させてもらっているし、出会うべくして出会った人たちと一緒にやれている感じもあるんですよね。メンバーだけではなくて、チーム全体も雰囲気がいいというか。ここまでは地に足を付けて進むことが大事だったんですけど、これだけ調子よくやれているということは、そろそろ自分たちが思ってもみないようなことが起きはじめる頃じゃないかなと。もしそうなったら、身を任せてもいいと思うんですよね。

三浦:そうかも。

長島:ひろせが言ったように、東京ドームから逆算しながら動いてるんだけど、その途中で「こういうことをやってみない?」ということがあれば、そっちに行ってもいいと思うし。フレンズとしての芯の部分がズレてなければ、何をやっても大丈夫なんですよね。

ーーさすが、キャリアがあるバンドマンじゃないと出てこないコメントですね。

長島 いやいや(笑)。「とにかく地に足をつけてがんばろう」という時期は過ぎたっていうことですよ。

ひろせ:しかもバンドのなかの温度はぜんぜん変わってないんです。俺のバースデー企画でライブをやったのがフレンズの始まりなんですけど、そのときから雰囲気はまったく変わってなくて。その状態のまま「テレビで観たよ」とか「クラブでかかってたよ」って言われるのがうれしいんですよね。

SEKIGUCHI:確かにバンドの温度感は変わってないですね。これからも今日みたいにヘンな話してゲラゲラ笑ってたいので(笑)。あまり気張らず、楽しんでやりたいっていうのはあります。

ーー太郎さんはどうですか? いまのバンドの状況について。

三浦:えーと、ちょっと記憶が……。

長島:病院行って(笑)。

三浦:2016年の記憶はあるんだけど、2017年のことをあんまり覚えてないんですよね(笑)。ずっと走り続ける感じがあるし、止まったときは死ぬときかなと。

SEKIGUCHI:マグロだね(笑)。

おかもと:(笑)。この1年でたくさんの人に知ってもらえて、街で声をかけてもらえることも増えたんですよ。いままではヨダレ垂らして歩いていても大丈夫だったけど(笑)、いまはフレンズとしての自覚だったり、歌う人としてのふるまいも意識するようになって。そこは変わったところですね。褒められることもディスされることもあるけど、いまは大海原でゆったりしているような気持ちになってきました。あとは全力で楽しんで、来てくれる人も楽しんでもらえたら一番だなって。それをずっと続けていきたいですね。(森朋之)

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