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深田恭子、横浜流星、永山絢斗、中村倫也 『はじこい』の愛すべきキャラクターたち

リアルサウンド

19/1/16(水) 12:00

 ドラマの主人公は、その時代を映す鏡でもある。大学受験に失敗し、就職活動にも失敗し、婚活にも失敗し……何もかもうまくいかないしくじり鈍感女子の春見順子(深田恭子)は、平成が終わろうとしている今の私たちの化身なのだろうか。もしかしたら、誰もがどこかで「誰かのために、誰かのせいで進路を決めたのでは?」と、劣等感を持って生きているのかもしれない。

参考:深田恭子の姿に自分自身を重ねるはず 『初めて恋をした日に読む話』は誰にとっても“青春物語”に

 火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)が、ついにスタートした。このドラマの核となっているのは、もちろん順子を取り巻く3人の男性との恋愛模様。そして、その男性陣との出会いを通じて、順子自身が自分の人生を取り戻していく姿にある。

 いつも母親の期待に応えることを目標としてきた順子。だが、東大受験の失敗をきっかけに、母親に「子育てを間違えた」「みっともない」と言われるほど、親子関係が悪化してしまう。友達と過ごすキラキラとした無駄な時間も、初々しい恋愛も、かけがえのない青春を、すべて「いつか」と将来に貯金して、勉強に費やしてきた。だが、32歳になり、その時間は決して取り戻すことはできないのだと気づく。

 人生は一度きり。なのに、ワクワクもときめきも見つからない。見つかる気もしない。このまま枯れてしまうのか。そんな焦燥感にかられる順子。親の求める自分になれなかったら、自分は何者になればいいのか。エリート商社マンの八雲雅志(永山絢斗)のように「大人になって自由を手に入れた。成功も失敗も全部自分のせい」と話す人を目の前に、“自分は自分自身の人生を生きているのか”と、心もとない気持ちになる大人は少なくないのではないか。

 そんな順子の前に、不良高校生・由利匡平(横浜流星)が現れる。友達を選べと言う高級官僚の父親に逆らって髪をピンクに染め、地域でも有名なおバカ学校に通う匡平。順子も幼馴染の松岡美和(安達祐実)との付き合いを、母親に反対された経験があった。不器用な青春時代を生きる匡平に、順子はかつての自分の並行世界を見たのかもしれない。

 親の期待に応えきれなかったという劣等感を拭いきれずにいた順子にとって、匡平に「勉強を教えて」と頼りにされたのは、初めて必要とされた喜びでもあったはずだ。なんとか自分の人生をつかもうともがく匡平の、東大合格を本気で応援する順子。まるで自分の人生を生きる勇気を持てなかった、若き日の自分に手を差し伸べるように。

 もしかしたら順子の心境は、私たち視聴者がドラマを見て心を震わせるのと、似ているのかもしれない。物語のキャラクターを応援することによって、そのサクセスストーリーを疑似体験し、自分の人生で手に入らなかった何かを得られたような幸福感に包まれる。そして、その体験こそが、これからの人生のときめきやワクワクを見つけるエネルギーになる。

 このドラマには誰かを落として、自分が上だと思うような人は出てこない。だから、どのキャラクターに共感をしても、きっとそのエネルギーをもらえるように思う。きっと順子の母親も、匡平の父親も、幸せになってほしいと願って子どもを導いてきたはずだ。それでも、理想が強いほど、そうではない現実に落胆して悩むのだ。情緒不安定と言われてしまう順子も、自分探し真っ只中の匡平も、完璧に見えて肝心の恋愛面はうまくいかない雅志も、教師の情熱を持て余しているように見える匡平の担任・山下一真(中村倫也)も。みんながみんなうまくいかないけれど、なんとか未来を切り開こうとしているのが清々しい。

 これから3カ月間、毎週火曜の夜には順子の飾らない発言にハッとしたり、匡平の真っ直ぐさにキュンとしたり、雅志の優しさにホワッとしたり、一真の見透かすような眼差しにドキッとしたり……不器用で、愛すべきキャラクターたちが奮闘する姿に、私たちも様々な感情を刺激される日々が続く。3カ月後、順子や匡平と共に私たち自身もどこまで成長していけるか、試されているのかもしれない。(佐藤結衣)

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