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Newspeakが語る“リバプールと日本の違い”「クリエイティブになろうというムードが出てくる」

リアルサウンド

18/9/13(木) 12:00

 Spotifyが注目する、ニューカマー発掘プレイリスト『Early Noise Japan 2018』と、リアルサウンドのコラボによる連載企画「Signal to Real Noise」。プレイリストでピックアップされた“才能の原石”たちへ、手練の音楽評論家がその音楽遍歴や制作手法などについて取材するという同企画の第二回は、柴 那典氏による、Attractionsへのインタビューをお届けする。(編集部)

第一回:福岡から世界へ、Attractionsが考える“アジアで通用するということ”

「みんなReiとはイギリスに行く前から知り合いだった」

プレイリスト「Signal to Real Noise」

 2年連続で『SUMMER SONIC』に出演を果たすなど、結成から大きく話題を集めるNewspeak。スケール感のあるメロディとUKロックのルーツを感じさせつつジャンルにとらわれないバンドサウンド、Rei(Vo/Key)の色気ある歌声が魅力の4人組だ。10月3日には1stミニアルバム『Out Of The Shrinking Habitat』をリリース予定。ライブは音源よりもパワフルな骨太さとパンクな親密さが感じられるもので、かつ、全編英語詞なのでフィーチャーされにくいが、歌詞のロマンティックな言葉もバンドの大事なポイントになっている。それぞれに音楽活動を経てからこのバンドを結成したRei、Ryoya (Gt)、Yohey(Ba)、Steven(Dr)の4人に話を聞いた。(柴那典)

ーーライブを拝見して、すごくスケール感がある、最終的にすごく大きな場所まで響きそうな音楽をやっていると感じました。

Rei:ありがとうございます。

ーーバンドの成り立ちもユニークだと思うので、どういう風にバンドが始まって、どういうビジョンを共有していったというところからお話を聞いていければと思うんですけれども。4人はどう出会ったんでしょうか?

Rei:もともと、みんな別々で知り合いだったんです。僕は全員と知り合いで。RyoyaとYoheyは知り合いで、それぞれ「一緒にやろうか」みたいな話をしていて、Stevenは全く別に自分のバンドをやろうとしていて、でもそれが全然始まらなくて。

Yohey:みんなReiとはイギリスに行く前から知り合いだったんです。で、イギリスからが帰ってきて、フラフラしてたんで「一緒にやろうや」って。

ーーReiさんがイギリスのリバプールから帰国したのが2016年だったんですよね。帰ったらバンドをやろうという考えはずっとあった?

Rei:正直、帰ってきて音楽を真剣にやるつもりはあんまりなかったんです。普通に仕事をしよう、音楽は遊びで続けようかなって思ってて。そしたら、たまたまいろんな話があって、イケるかなって思ったというか。

Yohey:みんな家が近かったんですよね。歩いて行ける距離にみんな住んでたんで。

ーーRyoyaさんはどんな感じで参加されたんですか?

Ryoya:僕はもともとYoheyとバンドをやろうって言っていて。ボーカルを探してたんですよ。「誰かいるかな」って思いながらYouTubeをいろいろ観たりして「前に知り合いだったJohn Doe Tokyoのあいつ、すごいいいな」って思って。で、Reiのライブに行ったんです。そこからいろいろ話しているうちに「やろう」ということになって。その後にStevenが参加したという。

ーーみなさん、それぞれバンドを経てきているわけですよね。集まったときに「こういうことをやろう」とか「こういう感じの音を鳴らしたい」とか、そういうビジョンの共有ってあったと思うんですけれど。どんな感じでした?

Rei:僕は「大きいところで映えそう」みたいな、漠然としたものはありましたけど。曲に関しては最初にはデモがあって、それを一人ひとりに聴いてもらった感じです。

ーーまずはReiさんが曲を作ったと。

Rei:その時はそうですね。みんなに聴かせて、最後にStevenに聴かせて。そこから一緒にやってくれるということになった。

ーーその時に思い描いていたのは?

Rei:想像力がかきたてられる、刺激されるような音楽ですね。10年後、20年後に聴いても、その時の匂いとか映像とか、そういうものが蘇ってくるような音楽がやりたい。そこはみんな同じ感覚をを持った人たちだと思ってるんで。

Steven:だから自然にこのジャンルになった。

Rei:「こういう感じにしよう」とか、あんまり話したことがないですね。

Steven:バンドが始まって一年くらい立ったけど、一回もそういう会話をしたことはないよね。「どういうアルバムを作ろうか」とか「どういうジャンルをやろうか」とか、そういう話はずっとなかった。スタートからみんなReiの声はわかっているし、ReiがこういうUKの感じの曲を歌うというのも知っていて。それでリハーサルに入って、出てきた曲がこうなった。

ーーということは、基本的にはReiさんの声とメロディが軸になっている。

Rei:そうですね。結構、アレンジはみんな勝手にやるんですよ。でも、そこがブレずにあるので。

ーー音源を聴くと2000年代のUKのインディロックやインディダンスのフレーバーがあるんですが、ライブを見ると予想以上にパンクだなって思ったんです。

Yohey:ははは(笑)。それは僕とStevenのせいですね。僕はルーツがRancidなんで。

Steven:僕もずっとパンクロックしか聴いてなかったからね。Blink182とかThe OffspringとかNew Found Gloryとか、そういうポップパンクで育ってきた。

ーーStevenに聞きたいんですが、そこまでパンクロックのルーツがあって。そうじゃないバンドでやる可能性や面白さは?

Steven:たぶんNewspeakがパンクロックをやるとしたら、僕は叩かないと思う。そんなスピードだとできないもん(笑)。ちょっとゆったりして、グルーヴを感じて叩いたほうが楽しい。

Yohey:大人になったっていうね。でも結果、パンクロックになってるけどね(笑)。

Rei:最近思うんですけど、このバンドのいいところって、言ってることを聞いてそうで聞いてなくて、でも聞いてなさそうで聞いてるところなんですよ。「フェスとかでやりたい」とか「こういう景色の曲をやりたい」って言っても、みんな全然リアクションないんですよ。でも、結局、最終的には自分の色を出しつつ、そこにちゃんと行ってくれる。たぶん、それが良さにつながってるのかなって思うんですけれども。

「リバプールはオタクみたいな子も、ギャルみたいな子も音楽を知ってる」 

ーーReiさんはリバプールに行く以前からUKロックに惹かれていた時期はあったんでしょうか。

Rei:そうですね。UKロックという線引きはしてなかったんですけど、気付いたら好きなバンドはUKのバンドが多かった。ただ、それだけじゃないです。USにも日本の音楽にも好きなのはたくさんありますし。

ーーリバプールではバンドも組んでいたんですよね。過ごしていた時期に刺激になったこと、吸収したことは?

Rei:僕はローカルのライブハウスによく出てたんですけど、刺激になったのは、お客さんの層が広かったことですね。おじいちゃん、おばあちゃんから、オタクみたいな子も、ギャルみたいな子も、みんな音楽を知ってる。そういう人たちがいる中だと、すでに聴いたことあるようなバンド、たとえばThe Strokesそのままみたいなバンドは、格好良くてもみんなそんなに盛り上がらないんですよ。「これThe Strokesじゃん」みたいな感じで終わっちゃうんです。でも、そこから一つ努力してるバンド、面白いなと思うバンドにお客さんが反応する。そういう風に反応してくれるからバンドにもクリエイティブになろうというムードが出てくる。それが刺激になりました。

ーーそういう背景があったから、Newspeakでやることも、ジャンルやロールモデルを考えることはなかった。

Rei:話さないですね。

Yohey:そもそもUKということすら気にしてないんですよ。

ーー真ん中にReiさんのメロディと声があって、結果として出来上がっているバンドサウンドがあるということですね。特にライブを見ると、お客さんと共有できる空気感を大事にしているバンドなんじゃないかと思ったんです。それは結成してから変わらずにある感覚でしょうか。

Yohey:ライブが今みたいに自分たちでも楽しくやるようになったのは、最近かもしれないですね。ここ数カ月、ライブが急に楽しくなってきた。

Ryoya:結構、メンタルは弱いんですよ。お客さんの反応を気にしちゃうところがあって。普段は仲いいんですけど、ライブになるとお客さんのノリに飲まれてバラけちゃうんです。殻にこもるタイプなんで。それを気にしないようになってからかな。

Rei:自分たちが一番楽しいのがお客さんも一番楽しいから、楽しいのを観てもらおうということに気付いたという。

Steven:「とにかく楽しくやろう」ってやってるライブは反応もいいし上手くいくけど、「今日は偉い人が来るから頑張ろう」みたいなライブは上手くいかないことが多いかな(笑)。

Yohey:自分たちのホームなのに大コケして一瞬でアウェイにしたりもあったね(笑)。

Ryoya:最初の頃はそういう風にみんないろいろ考えて、お客さんの反応とか、今日はこういうイベントだからどうしようかとか考えたりしたんですけど。最近は自由になってきてると思います。ライブの見せ方も変わったし、みんなの演奏のやり方、呼吸の合わせ方も成長してきていると思います。

ーー曲の原型はReiさんが書いてるんですよね?

Rei:今はそれが多いですけれど、そうじゃないこともあります。たとえばStevenと僕が作ったり。

ーー曲を作っていて「これはちょっと違う」とか「これはNewspeakっぽくない」という感じになることはあります?

Rei:そこは結構わがまま言わせてもらってるかな。

Steven:そうだね。たぶんReiが違うと思ったらみんな違うと思うから。

Rei;みんなメロディを尊重してくれるところがあって。メロディがハマらなかったら全体を変えてくれたりする。

Steven:ただ「Newspeakっぽさ」みたいなのは最近できてきた気がする。最初は「この曲Newspeakじゃないな」ってのはなかったけど、最近見えてきたことがあるというか。

ーーそれはどういう感覚?

Steven:なんだろう。ノリかな。

Yohey:パワーかな。

Rei:僕は最初に言ったみたいに、自分が歳をとった時に聴いても、ちゃんとその時が深く思い出せる音楽をやりたいと思っているんで。そこは変わってないですね。

「何年経って聴いても良さがある。判断基準にしているのはそこ」

ーー推測として思ったんですけど、Newspeakがやってるのはある種のロマン性を持った音楽じゃないかと思うんです。トレンドよりも人の感情に突き刺さるもの、聴いた人の思い出に残っていくものを重視している。

Rei:そうですね。それだけですね。いろんな音楽を聴いていても「格好いい! 超踊れる!」っていうのは一過性なものでしかなくて。何度か聴いたら全然聴かなくなったりする。でも、いい音楽って、何年経って聴いても良さがある。判断基準にしているのはそこですね。

ーー歌詞もReiさんが書かれているんですよね。曲の歌詞を書く時、歌のモチーフにはどういうものが浮かぶことが多いでしょうか。

Rei:結局、今考えてることが出ちゃうんで。いろいろしんどいことが多いじゃないですか。だけど大事なことは、そんなに多くないというか。

Yohey:大体の曲はそうだよね。最初に出した曲から今まで変わらない。

Rei:「お金じゃねえんだよ、仕事じゃねえんだよ、愛なんだよ」みたいな(笑)。

ーーそういう意味でも、Newspeakって、サウンドや曲調じゃなくて、歌詞がキーポイントなのかもって思いました。ロマン主義ですよね。

Rei:そうかもしれないですよね。

ーーくさいメッセージかもしれないけど、それを全力で響かせると共鳴するピュアネスが曲と歌詞にある。

Rei:そうですね。そういうピュアなところは最終的に全員持っていると思うんで。全員ひねくれているんですけど。もっとハッピーな、もっと面倒くさくない曲を作りたいとも思ってるんですよ。シンプルに、いろんな情景描写もなく「好きです!」みたいな曲も作りたい。

ーー英語で歌ってるのであまりインタビューで歌詞のことを聞かれることは少ないとは思うんですけれど。実は歌詞がすごく重要なバンドである。

Rei:そこはそうですね。メンバーはそこを大事にしてくれる。メロディと歌詞を大事にしてくれるし、意見が違うことはいっぱいありますけど、そこだけは守ってくれる。

ーーReiさん以外の3人に聞きたいんですけれど、Newspeakの曲や歌詞にはReiさんの人間性がピュアに出てると思いますか?

Yohey:出てるんじゃないですかね。

Steven:僕はReiのそういうところが大好き。バンドをいっぱいやってきて、バンドマンは沢山見てきたんだけど。よくあるのは「格好いい曲を作ろう」「売れる曲を作ろう」っていうので。曲のメッセージ、何を伝えたいのかを最後に考えちゃう。それは一番イヤなんですよ。Reiは曲のメッセージからちゃんと考えてるのが好きで。

Yohey:人間味のある歌詞なんで。最近、ライブバンドって熱い人が多いじゃないですか。そうじゃなくて、歌詞の中に熱量があるというか。すごくパーソナルな、Reiがどういう人かを説明してるようなイメージのある歌詞なんですよね。それが歌詞でわかる。対訳を直そうとするとちょっと照れくさいんですよ。

Rei:和訳、大事じゃないですか。日本でバンドをやっていて、リスナーも日本人の方が大半なんで。CDの歌詞カードには対訳を乗せてるんですけれど、英語のニュアンスってすごくあるんで。それを日本人が見たときにストレートに受け入れられる日本語に直したいなと思って。

ーーそこ、すごく大事なところですよね。なので質問というよりは要望になっちゃうんですけれど。配信で聴く人にも歌詞と対訳がわかるようにしてほしいと思うんです。ちゃんと歌詞の意味がわかって、みんながそのフレーズで合唱するようになるとReiさんのピュアネスがもっと伝わると思うんですよね。

Yohey:そうですね。これはやりましょう。


ーーちなみに、Spotifyでバンドのプレイリストも公開していますが、あれはどういう風に選んでいるんでしょうか?

Yohey:あれはバラバラに好きな曲とか、そのとき聴いているものとかルーツとか、それを気が向いたら更新してく感じなんで。一貫性があるプレイリストではないですね。

Rei:超ラフですね。

ーーメンバーそれぞれ、あの一貫性のなさがNewspeakの個性になっているというか。選曲も気取ってなくて、それがよかったです。

Rei:俺たちはこのバンドをリファレンスにしてやっていくんだというのが特にないから、そこは出しちゃってもいいのかなっていうのがあるのかもしれないですね。

Yohey:人間味ってのがすごい大事な気がする。最近、ループとか、打ち込みで作ってる音楽が主流ですけど、「すげえいいなこの曲」って思うものは曲が人間味で溢れていると思うんで。プレイリストを作るのもそうなんじゃないかなって。特に何も考えずに「俺はこれが好き」みたいに選んでるんで。

Rei:それが人間味になってるのかな。

Yohey:どのメンバーがどれを選んだのか全然わかんないんですけど、Newspeakっていう人間がやってるプレイリストって思ってもらえると。

ーー音源だけ聴いているとクールなイメージだったんですけれど、実際に話を聞いたらもっとエモーショナルで人間味が大事なバンドだったんですね。そういうところはもっと見せていこうという意識もありますか?

Yohey:そうですね。曲を作るときに話してることも変わってきてるんじゃないかな。

Rei:そういう熱や人間味が出ていくことには全然抵抗はないですね。今はそういう機会がまだないだけで。変な方にブランディングしたくないというのはありますけど、今のままの人間味がもっと曲に響いてくるなら、それを伝えていきたいなと思いますね。

(取材・文=柴那典/撮影=伊藤惇)

■リリース情報
1st Mini Album『Out Of The Shrinking Habitat』
発売:10月3日(水)
価格:¥2,000(税込)

〈収録内容〉
01. The Shrinking Habitat
02. 24/7 What For
03. Wall
04. Lake
05. Monetized Love
06. Soul Spin
07. Let Down
08. Wanna Stay

■ライブ情報
10月7日(日)『マグロック・フジソニック 2018」 at 清水マリンパーク内イベント広場&SOUND SHOWER ark w/ The Birthday / GLIM SPANKY / BRADIO / アルカラ / RADIO FISH 他多数

10月12日(金)『「Out Of The Shrinking Habitat」Release Party』at 渋谷GLAD w/ ROTH BART BARON

10月19日(金)『Survive Said The Prophet space[s]TOUR』at秋田SWINDLE w/ Survive Said The Prophet

10月20日(土)『Survive Said The Prophet space[s]TOUR』 at八戸FOR ME w/ Survive Said The Prophet

11月9日(金)『「Out Of The Shrinking Habitat」Release Tour』at 大阪SOCORE FACTORY w/ WOMAN / ,,,and more

11月10日(土)『「Out Of The Shrinking Habitat」Release Tour』at 京都 GROWLY w/ the engy / ,,,and more

11月11日(日)『Sunrise In My Attache Case「Light The Fire Tour」』 at 渋谷O-Crest w/ Sunrise In My Attache Case

11月18日(日)『Yap!!! Bichrome & Monochrome Release Tour 〜Everyone Let’s Dance〜』@仙台enn 3rd w/ Yap!!!

11月30日(土)『「Out Of The Shrinking Habitat」Release Tour』at 名古屋 3STAR IMAIKE w/ T.B.A

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