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いま、最高の一本に出会える

和楽器バンドからゆう十、kradness、天月-あまつき-まで 黒うさP「千本桜」カバーで見える個性

リアルサウンド

18/12/21(金) 8:00

 本日12月21日、和楽器バンドが、音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で「千本桜」を披露する。人気ボカロP・黒うさPが2011年9月17日にネット上に公開した「千本桜」は、同年の10月29日にはミリオン再生を達成したボカロ曲であり、大正ロマン風の時代設定と、流れるような中毒性のあるサウンド故に、のちに小説化、舞台化などもされ、人気を集めた。

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 今では、幅広い層に歌われる楽曲として定着し、今年のJOYSOUNDのカラオケVOCALOIDランキングでも2位を記録。ニコニコ動画でボーカロイド曲のカバーを投稿するなどして、ネットカルチャーにも介入した演歌歌手・小林幸子は、2015年の『第66回NHK紅白歌合戦』で「千本桜」を熱唱し、好評を博した。他にも、ニコニコ動画の“弾いてみた”で人気のピアニストかつボーカロイド作家でもある、まらしぃの「千本桜」のピアノ演奏が、2013年秋のTOYOTAのハイブリッドカー「AQUA」のCM曲に起用されるなど、「千本桜」は多くのアーティストに親しまれる楽曲であることがうかがえる。今回は、和楽器バンドを含めて、ネットシーンで「千本桜」を盛り上げてきたアーティストを紹介。長きに渡って歌い継がれている楽曲であることを堪能しながら聴いてほしい。

■和楽器バンド
 和の空気感を抜群に引き出しているのは、ボーカル・鈴華ゆう子の詩吟と、和楽器メンバーによる三味線、筝、尺八、和太鼓のサウンド。大サビ前の間奏では、和楽器中心の巧妙なオンパレードが繰り広げられ、尺八による高らかな音色も奏でられる。しかし、“演歌”という表現で終わらないのは、Aメロで重厚なサウンドが聴けるように、洋楽器メンバーによる、エッジの効いたギター、ベース、ドラムがあるからだ。種類問わず、奏でられる音の調和には脱帽。

■ゆう十
 ピアノと歌だけで聴かせる動画に定評がある、ゆう十(ゆうと)と声優・梶裕貴のデュエット作品。クリエイター・koma’nの奏でる軽やかなピアノサウンドが、桜の舞う模様を忠実に表現しており、ゆう十を描いた煌びやかなMVに非常にマッチしている。ポイントとなるのは、“声の一体感”。歌い手と声優という違った仕事柄ではあるが、2人の声色は比較的似ており、サビの〈その光線銃で打ち抜いて〉で声がやっと重なるところでは、まるで2人で1つの任務を終えたような印象であり、まとまりの良さを感じる。

■kradness
 ハイトーンボイスを持ち味とするkradnessの声は、ポップ、ロックに加えてEDM寄りの楽曲に映える。サウンドクリエイター・ギガ編曲の「千本桜」は、独自の和の音色を徹底しつつ、kradnessの声色を意識した異端なEDM感を放った高速サウンド。映像においてもこだわり抜かれたkradness仕様である。大サビ前の〈鋼の檻〉で転調アレンジを施すのを機に、パンチの効いた大団円を迎える部分が印象深い。全体的に爽快感のある仕上がりであり、シンセサウンドや間奏部分の和太鼓のビート、尺八の音色にも傾注したい。

■天月-あまつき-
 軍服に身を包む初音ミク、〈その断頭台で見下ろして〉などのフレーズからも「千本桜」が楽天的な楽曲ではないことは明らか。様々な曲調の「千本桜」が披露される中、天月-あまつき-の「千本桜」はピアノアレンジを施した至ってシンプルなもの。哀感漂う歌詞世界に寄り添った歌い方をしており、ハモリの具合、旋律も心地よい。特に、大サビにかけての〈浮世の随に〉では声のトーンを下げ、ピアノサウンドも力強くなる。ますます、憂いの含みを増していく展開が、「千本桜」の空気感そのものを優しく包み込んでいる。

 カバーを一聴すると、特に間奏部分では、誰もが思う存分に、そして楽しそうに音を奏でているのが伝わってくる。今夜、和楽器バンドが奏でる「千本桜」でも、洗練された音色が聴けるに違いない。今後も、「千本桜」は幅広い層に楽しみながら歌われる楽曲として愛されるはずだ。(小町碧音)

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