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日米が協力した『サムライマラソン』制作の背景を監督が明かす メイキング写真も公開

リアルサウンド

19/2/21(木) 17:15

 2月22日公開の映画『サムライマラソン』の監督を務めたバーナード・ローズが、本作の制作について明かした。

参考:『映画刀剣乱舞』を傑作たらしめた小林靖子による脚本 “内と外”に向けた構造を読み解く

 原作は、日本のマラソンの発祥と言われる史実、安政遠足を舞台にした土橋章宏の小説『幕末まらそん侍』(ハルキ文庫)。時は幕末、迫る外国の脅威に備え、安中藩主・板倉勝明は、藩士を鍛えるため、十五里の山道を走る遠足を開催する。だが、この動きがとある行き違いにより幕府への反逆とみなされ、藩士不在の城に安中藩とり潰しを狙う刺客が送り込まれる。ただ1人、迫る危機を知った男は、計画を食い止めるため、走り出す。

 普段は平凡な侍だが、実は幕府のスパイとして藩に潜入している忍び・唐沢甚内を、主演の佐藤健が演じるほか、小松菜奈、森山未來、染谷将太、青木崇高、竹中直人、豊川悦司、長谷川博己と日本を代表する役者が集結した。

 『十三人の刺客』のプロデューサー、ジェレミー・トーマスと中沢敏明が再タッグを組み、「再び日本だけでなく世界で評価される侍映画を作る」というコンセプトの下で製作された本作。そのため、時代劇でありながら異文化との化学変化を狙い、『キャンディ・マン』で知られ、アメリカやフランス、ドイツなど、世界中を舞台に仕事をしてきたローズ監督に白羽の矢が立った。黒澤明作品を敬愛し、溝口健二や小津安二郎、新藤兼人、大島渚など、多くの巨匠の作品を観てきたと語るローズ監督だが、映画を通してしか日本を知らず、言葉の壁もあったため、「私にサムライ映画を監督することができるだろうか?」と感じていたという。

 そんな監督の不安は、山形の素晴らしい景観を目にすることで、一気に解消されたそう。2016年4月に、プロデューサーらと山形を訪問したローズ監督は、そのとき目にした景観について、「日本の美しさは黒澤映画でも観ていましたが、実際に目にしたものは、想像を遥かに超えた美しさでした。そして、中沢さんのこの画期的な挑戦への並々ならぬ熱意と覚悟に感化された私は、ロスへ戻り脚本の執筆にとりかかりました」と、感動を振り返っている。撮影はオール山形ロケで行い、山中の苔の生えた古道や、神木となっている杉など、神秘的な日本の原風景を収めることに成功した。

 言葉の壁も問題にならなかったと、ローズ監督は語っている。「言葉に頼らない演出をしたことで、むしろ、サイレント映画のように映像で物語る、力強い映画になりました。俳優のパフォーマンスも、リアリティが増し、言葉の壁を越えて伝わる普遍的な映画になりました」とコメント。脚本を大事にしつつ、台詞は言う必要がないと感じれば言わなくてよい、アドリブを奨励、テストから長回しで撮影、天気待ちもしないという、型にとらわれない独自の演出方法が取り入れられた。(リアルサウンド編集部)

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