Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

北川景子「ネットが怖いのではなく、扱う人間の問題」 野木亜紀子脚本『フェイクニュース』に自信

リアルサウンド

18/10/11(木) 19:40

 10月20日と27日に前後編で放送されるNHK土曜ドラマ『フェイクニュース』の試写会が10月11日に東京・渋谷の同局で行われ、試写会後の会見に主演の北川景子、脚本の野木亜紀子らが登壇した。

参考:北川景子×『アンナチュラル』脚本家・野木亜紀子! ドラマ『フェイクニュース』NHKで放送決定

 世界中で話題のフェイクニュースを切り口に、「真実と嘘」「分断」「人は何を信じるのか」という普遍的なテーマを描いた野木オリジナルの社会派ドラマとなる本作。まずは、制作統括の土屋勝裕氏が「野木亜紀子先生の素晴らしい脚本と北川景子さんと他のキャストさんの熱演で、本当に素晴らしい作品に仕上がったなと思います」とあいさつ。

 続けて、北野拓プロデューサーが、「去年の春ぐらいから野木さんと話し合って作ってきた。僕自身もともと報道をやっていたこともあって、今起きていることをスピーディーにニュースのようにドラマでにしていきたかった。その思いを野木さんが素晴らしい脚本に仕上げてくださって、現場では北川さんをはじめ素晴らしいキャストの皆さんが命を吹き込んでくださり、演出の堀切園(健太郎)さんが見事に仕上げてくださった」と、ドラマ完成までの過程を述べる。そして堀切園監督は、「フェイクニュースという題材で、野木さんが面白がって、『青虫から始めよう』『青虫がいきなり出てくるドラマなんて観たことないよね』というところから始まりました。フェイクニュースはなかなか難しい題材ではあるんですけど、世界中で話題になっている問題ですし、日本でも身近な問題。その振り幅をどう表現するか。青虫で始まったドラマが、どこまで大きく飛躍できるかを楽しみに観ていただければ」と話し、題材の難しさがありつつも、作品に自身を持っている様子をうかがわせた。

 大手新聞社からネットメディアに出向してきた女性記者・東雲樹を演じる北川は、「今の時代にピッタリなテーマ。私は15年ほどこの業界でこのお仕事をさせていただいていて、記事で取り上げていただくことはたくさんあったんですけど、自分自身が記事を書く記者役は初めてでしたし、書く側の気持ちは考えたことがなかったなと。今ままで取材を受けているとき、どんな感じだったのかなとか、新聞記者の方ってどんな雰囲気だったかなと、自分の経験を振り返りながら撮影させていただきました」と、自身の経験を交え役作りを行ったことを明かす。さらに、「撮影中は悩みながら監督ともたくさん話しながら進めていったんですけど、すごく映像も美しかったし、スピード感があって、49分本当に観たのかなっていうぐらいあっという間で、とても面白い作品になっていました。社会派なんですけど、野木先生のポップなエンターテインメント性あふれる世界観で、こういった職業の作品をやらせていただけて、本当にいい経験になりましたし、とても光栄でした」と作品に対する思いを語った。

 脚本の野木は、「もともとメディアを題材にしたドラマを作りたかったのですが、なかなか民放で作るのは難しいものがありました。そんな中、北野さんが報道のドラマを何か作らないかと言ってくださった」と、今回NHKドラマの脚本初執筆となった経緯を説明。一方、「堀切園さんも北野さんにも協力していただきながら取材をしつつ、3人で何時間話し合ったかわからないぐらい、相当時間がかかりました。何度この題材に手を出したことを後悔したか(笑)」と、調べなければいけないことも多く大変だったことを明かしながら、リアリティとエンターテインメントのバランスのせめぎ合いを経て脱稿した際のことを「本当にホッとしました。完成した映像を観て、本当につらかったけど書いてよかったなと思いました」と本作にかける思いを語った。

 記者から役作りについての質問が飛ぶと、北川は「これまで取材をしていただいたいろんな記者の方の顔は浮かべたんですけども、やはり野木先生が書かれた脚本の東雲というキャラクターを大切に演じられたらいいのかなと思いました」と回答。そんな野木とかねてから一緒に仕事をしてみたかったという北川は、脚本を読んだときに「もしかしたらちょっと私に当て書いてくださったのかなとか、寄せてくださったのかなと思うことも結構あって」と話す。そんな北川に対して、野木は「最初の頃、光石さんが演じる役が主人公になるアイデアもあったんですけど、今作るならメディアの中の人の方がいいんじゃないかという話になって、今やるなら新聞記者よりもネットメディアの記者の方がいいんじゃないかとなった。それから題材が堅いから女性主人公の方がいいという話になって。プロットの全体像を書いていく流れの途中で北川さんになりました。北川さんに決まったら、どう見ても美人なので“美人記者”になった(笑)」と裏話を披露。すると北川が、「それとテコンドーは……?」と、東雲の特技であるテコンドーについて野木に問いかけると、野木は「なんかいけそうかなと思って(笑)」と返答。そんな野木に北川は「大変苦労いたしました(笑)」と笑顔で返し、会場を盛り上げた。

 最後に北川は、ネットニュースの考え方について、「こういう仕事をしているので、フェイクニュースというものがあることは早くから身を以て知っていました。私自身、非常に慎重な性格で、マスメディアの報道や情報には必ず偏りがあると認識しています。それはネットが流行する前から、新聞、テレビ、週刊誌など、同じ事柄や事件を取り扱っていても、報じるスタンスや切り込む角度がメディアによって必ず異なっている。目にした情報を鵜呑みにしないこと、情報を見比べてみてどこが報じていることが一番真実に近いのか。そういうことを見極める目を持つことが大切なのかなとずっと思ってきたので、今回、自分が日頃から感じてきたことが作品を通じて世の中に問題を投げかけられるのがすごくよかった。ネットはソースが何であれ、拡散されるのが早いし移ろいも早いので、しっかり見抜く力を養っていただきたい。ネットが怖いのではなく、扱う人間の問題なんだということは作品のメッセージでもある」と力強いメッセージを残した。(宮川翔)

Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play