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いま、最高の一本に出会える

Official髭男dism、Nulbarich、RIRI、ビッケブランカ…未来担う若手集ったSpotifyイベントレポ

リアルサウンド

19/4/5(金) 12:00

 3月28日、六本木のEX THEATER ROPPONGIにて『Spotify presents Early Noise Special』が開催された。

 このイベントは、音楽ストリーミングサービスSpotifyが注目する新進気鋭アーティストを紹介するプレイリスト「Early Noise」で取り上げられたことをきっかけにSpotify上で再生回数やリスナー数が急増したアーティストたちが集結し、ファンの前で成長した姿を披露するというもの。「Early Noise」プログラムは、Spotifyが年初にその年躍進を期待する注目のニューカマーを10組前後選出し、プレイリストを通じて国内外の音楽ファンに紹介していくというもの。プレイリストを通じて出会ったこれらのアーティストのパフォーマンスにいち早く触れていただく場として毎回4組前後が出演する小規模なショーケースライブ「Early Noise Night」も2017年以降定期的に開催している。

 「Early Noise」にはこれまでにあいみょん、向井太一、CHAIをはじめとするアーティストが選出されたこともあり、今やプログラムそのものが次世代を担う若手の登竜門として注目されている。今回のイベントでは、出演する各アーティストの曲をSpotify上で再生した回数が日本で最も多いユーザーにチケット先行購入の権利が与えられるなど、リスニングデータを活用し、アーティストとファンをつなぐSpotifyらしい試みも行われた。会場には、”これから来る”アーティストたちのパフォーマンスを見逃すまいと情報感度の高い活気に溢れたファンが詰め寄せ、開演前からもすでに熱気と期待感で充満しているようだった。

 まず最初に登場したのは、あっこゴリラ。”GRRRLISM”と書かれた旗を持って颯爽と登場すると、「準備はいいですかー!」と叫びいきなりオーディエンスを煽り始める。彼女の煽りに負けじと盛り上がる会場。パワフルなライムを繰り出し観客の心を瞬時に掴む。VJを務めるのは加藤マニ。楽曲の世界観とマッチした映像をスクリーンに繰り出し、会場をあっこゴリラ一色で染め上げる。もともとドラマーだったこともありリズム感はピカイチ。多彩なビートと重厚な低音によって観客が揺れているのが印象的であった。

 パフォーマンス後、あっこゴリラは「やりやすかった。トップバッターってやり難いじゃないですか。早いとこ打ち抜かないとと思ってて。その点みんなはポテンシャル高くて」と話し、この場に集まっている観客の”音楽好きっぷり”を評価。演者と観客の熱がぶつかり合い、エネルギッシュなステージングによってトップバッターの役目を終えた。楽曲の力と力強い煽りとで観客の心を掌握していく姿は見事であった。

 続いてはビッケブランカ。勢いよくステージ脇から飛び出しステージ上へ。バンドセットによる生のグルーヴは心地よく、その中で彼がキーボードを弾くときもあれば、マイクのみでステージを駆け回ったりもする。「ウララ」から始めてファンタジーな世界観を構築。ハッピーなステージングに観客もノリノリだ。次に披露した「まっしろ」はゆったりとしたピアノバラード。照明を落として雪の映像をスクリーンに映し、ライティングを絞りつつシャボン玉を大量発生させるなど、まさに”雪”が会場に降っているかのような演出を見せる。曲の世界観と演出が見事にマッチしたことで楽曲の魅力が数倍にも膨れ上がっていた。会場からは鼻をすする音もちらほら。期待の若手として選ばれている彼らだが、ライブで人びとを魅せる力は一流である。最後に披露した「Winter Beat」では火を用いた演出にトライ。こうした特殊効果によるステージングもこのイベントの魅力のひとつとなっている。

 続いて登場したのはSIRUP。ステージには”SIRUP”と光るネオンサインとギタリスト、そして中央にSIRUPというシンプルな構成ながらも、かえってそれが彼の繰り出すクールでスタイリッシュなサウンドと相まって、会場はディナーショーのような空間に一変。スマッシュヒット中の「Do Well」のイントロがかかると、待ってましたとばかりに歓声が湧き起こり、SIRUP特有の自由なグルーヴにオーディエンスは身を委ねているようだった。「めっちゃいい感じやん、もうだいぶ熱くなってるやん。ちょっとチルしようか」と話すとすぐさま「LOOP」が始まり、再び会場からは大歓声が。舞台にスモークが発生し、暗い会場にスポットライトでSIRUPが照らされる。幻想的な空間に生まれ変わり、ひとり独白するようなライティングによって魔法のようなひと時を味わえた。

 4組目はドミコ。ギターのエフェクトをふんだんに用いてドリーミーな世界観を作り上げる。シューゲイザーやサイケといったジャンル名の一言では括り切れない摩訶不思議なサウンドによって中毒者も続出している彼ら。さかしたひかる(Vo/Gt)による漂うように歌うボーカルの酩酊感、そして長谷川啓太(Dr)による崩れたビートが融合し唯一無二の世界観が広がる。「ベッドルーム・シェイク・サマー」と「ペーパーロールスター」の2曲を間髪入れずに披露し、彼ら独特のサウンドを打ち鳴らしてステージを去っていった。

 次に登場したのはRIRI。ダンサー4人を従えて圧倒的なビジュアルで魅せるステージングだ。しなやかなダンスと歌唱力という”フィジカル”で押していく様子は痛快。キュートな見た目とは裏腹に、キレのあるダンスで会場を魅了していく。「That’s My Baby」「Summertime (with KEIJU)」「HONEY」とキャッチーかつポップな楽曲でインパクトを残していった。

 イベントも終盤に差し掛かり、6組目に登場したのは現在押しも押されもせぬバンドに成長したNulbarich。スモークが大量発生し、ピンクのライトに照らされてボーカルのJQが登場。異様な雰囲気の中、1曲目「It’s Who We Are」のイントロのギターリフが鳴り始めると同時に大歓声が起きる。ギターのバッキングだけでも聴衆の身体を揺らすことのできる稀有なグルーヴの持ち主である彼らは、到底日本産のバンドとは思えない。その後「VOICE」「Zero Gravity」「Almost There」とまるで一曲かのように演奏が流れてゆき、盤石なバンド演奏のグルーヴに乗ってJQが舞台を自由に彷徨うその姿はまさに“恍惚”。

 続いて登場したのはReN。ループを駆使して、ギター一本でその場で楽曲を作り上げるスタイルに会場中の視線が注がれる。注目が集まる中で「Life Saver」「What I’m Feeling」を披露し、会場が温まったところで新曲「HURRICANE」をお披露目。研ぎ澄まされた空気感に会場中が吸い込まれていった。

 最後に登場したのはOfficial髭男dism。幕が上がりバンドが姿を表すと早くも会場は大熱狂。彼らのパフォーマンスを心待ちにしていた観客の熱い歓声が飛び交う。「ノーダウト」「FIRE GROUND」と披露し、特殊効果を用いた演出を織り交ぜる。図太いベースと飛翔感のあるギターソロの繰り出される爽快な演奏に加え、鳥居型のスクリーンにはメラメラと燃える炎が映し出され、文字通り”気温が上昇する”かのようなステージングに、この日観客のテンションは最高潮に達した。現在ネクストブレイク候補筆頭の彼ら。そんな彼らを後押しするかのような光景であった。

 計8組のパフォーマンスが終了し、最後はステージに全員集合して写真撮影が行われた。終始進行もスムーズでパフォーマンスの質も高く快適な一夜であった。未来を担う若手の活躍の場として、あるいは彼らの門出を見送る場として、このイベントは今後も定番化していくことを願いたい。

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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Twitter(@az_ogi)

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