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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

『真人間』

第3回

小西康陽 5243 シネノート

8月から9月

毎月連載

18/9/19(水)

 夏は冷房の効いた映画館で、ぐったりしているのがいちばん。先月もそんなことを言っていたような気がする。この夏はたくさん映画を観ることができたように思う。
 シネマヴェーラ渋谷が二本立てから、入れ替え制に変わって最初の特集がフリッツ・ラング。例によって上映時間の長いものはパスして、90分前後の作品ばかり通った。いちばん面白かったのが、ジョージ・ラフト主演の『真人間』という映画。クリスマス・イヴの夜、もぐり酒場?でかつての仲間たちが食器をコツコツと叩いて刑務所のことを回想しつつジョージ・ラフトを待つ場面は屈指の名演出。他の監督が撮ったら、あるいは他のスターが主演だったら、もっと洗練されたコメディになっていたかも、と思ったが、このちょっとだけもっさりしたフリッツ・ラングとジョージ・ラフトの組み合わせだから良いのではないか、と思い直したり。それにしても、ジョージ・ラフトが出る映画を観るときは、どうしても安藤昇のことを連想してしまう。