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石崎ひゅーい『ゴールデンエイジ』で新たなスタート 菅田将暉、あいみょんとの出会いが与えた影響

リアルサウンド

19/3/6(水) 18:00

 石崎ひゅーいに今、熱い視線が再び注がれている。

 大きなきっかけは俳優の菅田将暉に書き下ろした「さよならエレジー」が昨年ヒットしたことである。その上にさまざまな事象が重なり、多くの人々が彼の歌に惹かれる状況ができつつあるのだ。

 そして今週、彼のひさしぶりとなる新作『ゴールデンエイジ』がリリースされる。ここに収録された5曲には、今のひゅーいの勢いや躍動感が息づいている。

石崎ひゅーい 『ゴールデンエイジ』(Teaser)

 このアルバムを駆動させるパワーの源になっているのは、何といっても「さよならエレジー」のセルフカバーだろう。なので、まずはこの曲のことから触れていこう。

 これは昨年9月、ひゅーいが公の場で初めて「さよならエレジー」を唄った時の映像である。

石崎ひゅーい 『さよならエレジー』

 ここでひゅーいはオーディエンスに「友達の歌なんですけど、やっていいですか?」と前置きしている。そう断るのは、「さよならエレジー」はあくまで菅田将暉のことをイメージして書き、彼に提供した歌だからだ。ただ、こうして自分でも唄うことについては後日、「菅田くんとふたりで一緒に作った感覚」としながら、「僕の表現でも、(『さよならエレジー』を)世の中の人たちに聴いてもらいたいなって想いが溢れてきて……」と語っている(参考:J-WAVE NEWS)。

 「さよならエレジー」はもはや数多くの人に親しまれているが、その事実とは別に、これはひゅーいにとって非常にエポックメイキングな曲だった。というのは、それまでずっと自分中心の目線だけで曲を作ってきた彼にとって、この曲は初めて他者のことを思いながら作ったものだったからだ。

 つまり菅田という人間の気持ちや感情を想像し、その目から見える景色を自分なりに思い浮かべながら曲を書くこと。これはひゅーいの曲作りの手法上の新たな経験となったという。今回セルフカバーした同曲は、菅田のバージョンよりもパワフルなバンド版のアレンジとなっている。

 さて、アルバム『ゴールデンエイジ』は1曲目に疾走感満点の「あなたはどこにいるの」が配されている。ひゅーい流のロックが炸裂する曲だ。

石崎ひゅーい 『あなたはどこにいるの』

 これは1月クールでOA中のTVドラマ『さすらい温泉♨遠藤憲一』(テレビ東京系)の主題歌となったナンバーである。このドラマには、やがてひゅーいもゲスト出演することになっている。

 また、アルバムの最後を飾る「アンコール」は、ライブの場でも演奏されてきた。これはひゅーいがライブでいつもアンコールをしないことがきっかけになっており、それでもアンコールを求めてくれるお客さんに対する思いから書かれた曲である。

 これらに「SEXY」「マシュマロパイ・サンドウィッチヘブン」を加えた全5曲。その中には前作『アタラズモトオカラズ』で見せたスポークンワード、つまり語りのような言葉を散りばめる姿勢も生きており、過去の試行錯誤が反映されてもいる。今のひゅーいの充実ぶりがうかがえる作品である。

 ただ、こうした状況を迎えるまでの近年のひゅーいは、ちょっと過渡的な状態にあった。今回は純粋な新作のリリースとしては2年以上ぶりとなるが、ライブに役者にと精力的に動いていた半面、このインターバルからは彼なりの苦悩が見て取れる。

 その要因の中でもとくに大きいのは、ソングライティングがなかなか進まなかったことが考えられる。先述の通り、つねに自分そのものを描いてきた彼は、2012年のデビュー以降の活動を通して、自身の身近なリアリティのかなりの部分を唄いきったような状態になっていた。亡くなった母親のこと、その時々の恋愛感情、ふと我に返った時の孤独感。名バラード「花瓶の花」は結婚する友人に向けての歌だった。

 こうして自分とその周辺のことを一貫して歌にしてきたひゅーいも、2018年3月発売のベストアルバム『Huwie Best』までですべてを出し切り、そこからはまっさらな気持ちになっていたという。何かを表現すべきアーティストとしては何もない、空っぽの状態。そこでひゅーいに刺激を与えたのは、人との出会いだった。

 ここでとりわけ運命的な巡り合わせとなったのが、菅田将暉という存在だった。俳優という違う世界で活躍し、自分の歌のファンであったことを公言する菅田は、ひゅーいにとってかけがえのない友人となり、かなり心強い味方になったはずだ。

 そしてこれに昨年もう1人、重要なアーティストが加わることになった。あいみょんである。

 ひゅーいの一世代下になるあいみょんもまた以前から彼の歌を好んで聴いていて、過去にはライブに足を運んだこともあるという。その思いを受け、去年の9月には大阪でひゅーいとの2マンのライブが実現している。

 そして去年の末には、これに菅田も交えた3人の親しい関係が明らかにされた。12月にラジオ番組『菅田将暉のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にひゅーい、あいみょんが呼ばれ、この顔ぶれが勢ぞろい。当夜は、ある夜に3人だけで公園で急きょライブを行い、一緒に唄ったエピソードが語られたり、「THE LOVERS~愛の伝道師たち~」というグループ名で演奏したりする場面があった。

 実はひゅーいにとっては、この番組内で話題にされた3人で過ごした夜(おそらく昨年秋頃)がかなり大きな出来事だった。当夜は本当に遊び気分で唄い始め、夜の間中、楽しいまま過ごしたという。たとえば誰かが思いついたことをメロディにし、それに反応して1人が一緒に唄い、そこにまた乗っかってギターをかぶせる……というような。こうして瞬間に感じたことをそのまま歌にしていくのは、ひゅーいにとってひどく新鮮だったという。この夜のことをひゅーいは「青春だなぁ、と思った」と、そして「音楽って遊びだよな、って思いました」と語っている。

 特に感銘を受けたのは、菅田もあいみょんも言葉がすぐに出てくることだったようだ。こうしてナチュラルに音楽が生まれる瞬間に、ひゅーいはひとつの気づきを得た。もっと楽しんで音に接してもいいんだ、と。彼はこの夜の後、曲が何曲かできたという。

 今回のひゅーいのミニアルバム『ゴールデンエイジ』は、そうした出会いからの影響を受けて制作されたところがある。タイトルは「成長期」を意味する言葉で、これは子供の発達期になぞらえたものだが、実は先ほどの3人での公園ライブで得た「子供みたいに音楽をオモチャにして遊ぶ、ぐらいの考え方」からつけたのだという。

 さらに言えば、デビューから7年が経過するひゅーいがこうした言葉を使うのは、それだけ今の自分に新たな風が吹いている自覚があるからだろう。そしてまさに『ゴールデンエイジ』は、新しい石崎ひゅーいのスタートを感じさせる作品になっている。

 また、ひゅーいは、この3月初めまで行われた松居大悟演出の舞台『みみばしる』で音楽監督を務め、そこには新曲を8曲も提供している。さらに公開中の映画『そらのレストラン』(主演・大泉洋)には役者として出演するなど、舞台や映画、ドラマといった仕事ともいい関係を保っているようだ。この4月には全国ツアーも決まっており、先日はあいみょんの対バンツアーの仙台公演へのゲスト出演も発表されたところである。

 多くの出会いにより、今、さまざまな状況が好転しつつある石崎ひゅーい。しかし彼はこれからも試行錯誤をくり返し、七転八倒を続けながら歌を唄っていくことだろう。体当たりで、人間くさく、時に不器用で、それでも正直に、まっすぐに。それこそが、このシンガーの生きる姿勢であることには変わりがないはずだ。

 そして、そこから生まれる歌こそが、聴く者にまた勇気と元気を与えていくことだろう。

(文=青木優)

■リリース情報
『ゴールデンエイジ』
2019年3月6日(水)発売
【初回生産限定盤】¥2,315+税
CD+DVD(映像内容後日発表)
PlayPASS対応(CDのみ)
【通常盤/初回仕様】¥1,667+税
CD
PlayPASS対応
<収録曲>※初回・通常共通
1. あなたはどこにいるの
2. SEXY
3. マシュマロパイ・サンドウィッチヘブン
4. さよならエレジー
5. アンコール

タイアップ
M1「あなたはどこにいるの」:テレビ東京ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』主題歌
M5「アンコール」:テレビ朝日年の瀬ドラマ『平成ばしる』主題歌

<特典情報>
TOWER RECORDS全店(オンライン含む/一部店舗除く): ゴールデンエイジオリジナルステッカーAtype
石崎ひゅーい応援店:ゴールデンエイジオリジナルステッカーB type
※特典絵柄、応援店対象店舗は追って案内。

■ツアー情報
『石崎ひゅーい バンドワンマンTOUR 2019「ゴールデンエイジ」』
オフィシャルHP先行受付中
エントリー期間:2月1日(金)20:00~2月12日(火)23:59
HP先行受付はこちら

4月26日(金)大阪府 Music Club JANUS  OPEN:18:30 / START:19:00
4月27日(土)愛知県 SPADE BOX  OPEN:16:30 / START: 17:00
4月29日(月)東京都 TSUYAYA O-EAST OPEN:16:00 / START:17: 00

チケット料金:全自由 4,500円(税込・整理番号付・1ドリンク別途)
一般発売:3月16日(土)~各プレイガイド

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