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いま、最高の一本に出会える

平沼紀久監督が語る、『DTC-湯けむり純情編- from HiGH&LOW』制作秘話 「DTCだからこそ“外に出す”ことができた」

リアルサウンド

18/10/7(日) 14:00

 『HiGH&LOW』シリーズのスピンオフムービー『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』が、現在公開されている。男たちの闘いと友情を描く『HiGH&LOW』シリーズは、LDHの俳優やパフォーマー、若手俳優たちが一堂に会する、累計興収60億円・観客動員450万人を突破する人気シリーズ。そのスピンオフとなる本作では、ダン(山下健二郎)、テッツ(佐藤寛太)、チハル(佐藤大樹)の3人組“DTC”の活躍が描かれる。今回、リアルサウンド映画部では、平沼紀久監督にインタビューを行った。これまでシリーズの脚本を手がけてきた平沼氏が初めて監督を務めた経緯や、同作に散りばめられた小ネタについてなど、撮影秘話を掘り下げた。(編集部)

キャラクター的に「DTCだと許される」

ーー平沼さんは昨年Huluで配信されていたショートムービー『DTC』に続いて、今回映画『DTC-湯けむり純情編- from HiGH&LOW』の脚本だけではなく監督も務めています。まずは、ご自身でメガホンをとった経緯を聞かせてください。

平沼:今回、DTCが映画になるということで、DTCの3人からも「ノリさんとやりたい」と言われ、HIROさんからも「DTCを映画化するならノリでしょ」と言っていただきました。僕自身も、DTCを映画にするなら自分で撮りたいと考えていました。

ーー満場一致ですね。

平沼:満場一致です(笑)。

ーー本作は、笑って泣けるロードムービーといった仕上がりになっています。スピンオフを作るにあたって様々なアイデアが出ていたとのことですが、最終的にロードムービーに着地した決め手は?

平沼:HIROさんですね。最初、DTCがSWORD内にいる設定の話を書いたんですが、そこでHIROさんから「SWORDの外に出る方がいいんじゃないの?」とアドバイスをもらって、それがすごく腑に落ちたんです。SWORDの世界はモラトリアムで、そこから出るということは、「卒業」ではなく、「世界を広げる」ということなんじゃないかと。それが結果としてキャラクターたちの成長に繋がっていく。これまでは「HiGH&LOWの世界観」に色々な要素を入れていたけれど、広げることで見つかるものもあるんじゃないかと。新しいものとコラボレーションしやすくもなりますし。SWORDの面々の中で、1番DTCが外に出しやすかったんですよね。

ーー例えば、SWORDのトップたちや、琥珀さんや九十九さんが「外に出る」となると、今回のように「青春したい」的な理由ではなく、もっと大きな意味付けが必要になってきそうですね。

平沼:そうなんです、『HiGH&LOW』を背負っていった人間が外に出るとなると、大きな意味を持ったストーリーを構築しないといけない。でも、キャラクター的に「DTCだと許される」というか。ダンを筆頭に、DTCの持っているコミカルさ、愛されキャラを本編でもうまく作っていたからというのもあるんですけど、この3人だからこそ、違和感なく「外に出る」ことができたんじゃないかな。そこまでHIROさんは見通していたのかもしれない。

ーーその後、舞台が温泉宿になったのは何故なのでしょうか。

平沼:当初は、野宿を延々とやっていくとか、キャンピングカーで旅をするいう案も考えたんです。色々なバージョンを考えた時に、結局「3人はバイクでしょ」となりました。そこから「立ち寄る場所は温泉宿がいいよね」「温泉だったら脱げるよね」と連想していって、舞台が決まりました。

ーー「脱げるよね」というのは、「LDHならではの肉体美が披露できる」という意味でしょうか。

平沼:やっぱりファンの皆さんは肉体美見たいのかな、と。それに、ダン役の(山下)健二郎は、普段からあんまり脱がないイメージでしたし、レアな一面をお見せしたいなとか、色々考えました。

ーーしかしながら、本作では温泉宿での入浴シーンはありませんね(笑)。

平沼:そうなんです(笑)。しっかりとした温泉街を貸し切って撮ることができず、結果温泉に一切入らなかったんです。その分サウナのシーンを入れたっていう(笑)。

ーーあのサウナシーンにはそんな意味があったのですか。そして、DTCが未亡人の女将さんのいる温泉宿に住み込みで働くことになり、一人で宿を切り盛りする女将さんのマリ、娘のメグミ、そしてそれをサポートする従業員・宮崎の仲を取り持つというストーリーが肉付けされていったと。

平沼:最初は僕の体験談をもとにした脚本だったんですよ。作家チームの中でもめちゃくちゃ盛り上がったんですけど。

ーーそれはどんな体験だったのですか?

平沼:もうすぐ引っ越しをするという俳優仲間の後輩の誕生日に彼と彼の恋人に温泉旅行をプレゼントして、その間に部屋の引っ越しを全部終わらせるというサプライズを行ったんです。

ーーすごく手の混んだサプライズですね。

平沼:そうなんですよ、鍵も理由つけて預かって、皆で買い物してその経緯もカメラで撮影して……。そんな風にダンのお祝いのために、コブラやヤマト、ノボルが奔走するという脚本を書いていたんです。その過程で「ダンを酔っ払わせるために、ショーに連れて行く」というエピソードが出てきて、そこからミュージカルというアイデアが生まれたのかな。その後、温泉宿が舞台の人情物になるということが決まり、同じく脚本を担当している渡辺啓が「プロポーズするのはどう?」とか言い始めて、「じゃあ泣かせは啓ちゃん担当ね」と、僕が書いてる部分も含めて、ピースを1回全部バラバラにして、また組み立てていったので、今回は非常に時間がかかりましたね。

パンツの色にまでこだわりました


ーー温泉、人情物、ミュージカルとパーツが組み合わさっていったのですね。では今回重要な役である、かみしも温泉の面々のキャスティングの理由も聞かせてください。

平沼:まずはミュージカルシーンのために、歌を歌える方を探していました。駿河太郎くんとはドラマ・映画『荒川アンダーザブリッジ』で共演していて、その時に2人で「また一緒にやりたいよね」といいながらも、これまでそういった機会がなくて。「今回は監督と俳優の関係だけど、一緒にやりたい」と声をかけたところ、快諾してもらえました。メグミ役の新井美羽ちゃんはキャスティング担当の方からすごく勧めてもらって、いざ会ってみたら「この子だな」と一発で決まりました。マリさん役も悩んでる時に「笛木さんどうですか?」っていうお話をいただいたんです。お父さん役は、ずっと一緒に俳優部でやってきた小林且弥という男がいるんですけど、彼に頼むことを心に決めていたんです。これで最高の家族になりました。

ーーそこにSMG、達磨ベイビーズというSWORDの新世代たちも、様々な役割でストーリーに絡んでいくのも見どころですね。

平沼:そこはやっぱり『HiGH&LOW』のスピンオフなので、DTCにフォーカスを当てるのであれば、同じく次世代を背負って立つであろうSMGと達磨ベイビーズを出したいと考えました。でもただ出すだけでは面白くないので、彼らそれぞれにも脚本を書いたんです。それが『週刊少年マガジン』に掲載されているマンガ(平本アキラによる「「DTC 特別編 前編・後編」」)にも出てきますよ。

ーーまだ前編しか拝読していないのですが(取材時は10月頭)、DTCのメンバー内でひたすらケツを蹴り続けるギャグ満載のエピソードから、そんな展開に……?

平沼:前・後編ケツキックの話なんですけど(笑)。後編にSMGと達磨ベイビーズが旅に出る理由が少し明かされます。でもそれも一部だけなので、今回書いた2つの脚本も、いつかどこかでやりたいですね。

ーーそれは楽しみです。今回、『HiGH&LOW』ではおなじみのCLAMP先生だけでなく、平本アキラ先生(代表作は『監獄学園』、『アゴなしゲンとオレ物語』など)によるスピンオフマンガが掲載されています。

平沼:ずっと前から、劇場版『ワンピース』みたいに、映画上映時に「エピソードゼロ」っていうマンガを配りたいと思っていて、まぁ今回も実現はしなかったんですけど。どうしても前日譚をマンガにしたいと講談社の編集者と話していたところ、「平沼さんが脚本を描き下ろしてくれるのであれば」と、トントン拍子に話が進み、「作画は平本アキラさんでどうですか?」と提案してもらったんです。HIROさんもDTCならギャグタッチの人がいいと言っていたこともあり「『アゴなしゲンとオレ物語』! 是非!」と、いざお会いすると、平本先生から「『HiGH&LOW』全部観ました!」と逆に質問責めにされるという(笑)。

ーー『HiGH&LOW』はマンガ家、小説家の方の間でも人気が高いですよね。

平沼:僕もマンガは大好きなんですけど、そしたら、そこに僕の兄貴分であるHAKUEIが呼んでもないのにやってきて……(笑)。「平本先生はすごいんだぞ!」と四方八方から浴びせられるという。(※平沼氏とヴィジュアル系バンドPENICILLINのボーカリストであるHAKUEI氏は、マンガ家の古屋兎丸氏とともに「漫画兄弟」というユニットを結成している)それはさておき、その後、平本先生にも試写を観ていただいて、スピンオフのイメージもどんどん固まっていきました。先生からも「是非(スピンオフを)描きたいです」と言ってもらって、嬉しかったですね。

ーーそこでまた新しい『HiGH&LOW』の世界が広がったといえますね。また、本作は小ネタもすごいですね。

平沼:SMGのパンツの色にまでこだわりましたからね! 正直衣装よりも考えましたよ(笑)! 他にも尾沢が乗っている車のナンバープレートが「いいこと」だったり、お父さんとの思い出の車のナンバープレートは公開日の数字だったりするんですよ。温泉の名前も『HiGH&LOW』のイメージでつけていますし。

ーー舞台になる温泉街は「かみしも温泉」、かみ(上)、しも(下)で、『HiGH&LOW』と! 他にも、これまでナレーションとして声のみの出演だった立木文彦さんが、DTCが立ち寄るスナック「風下」のオーナーとして登場し、チハルと共にメタなギャグを入れくるシーンのインパクトたるや……。

平沼:もはや『HiGH&LOW』=立木文彦さんの声みたいなイメージもあるじゃないですか。どうにか立木さんを出したいなっていうのは以前から思っていたので、今回絶好の機会だと、ダメ元で「出てください」とアタックしたら、出て貰えることになったんです。そこで配役を考えて、最初はやたら良い声のトラックの運転手というアイデアもあったんです。DTCたちも「どっかで聴いたことのある声だな?」みたいになる……的な(笑)。でも最終的にスナックのオーナーに落ち着いて、じゃあスナックが舞台だったらカラオケの前振りもやってもらおうという話になり。

ーーそれは何故ですか?

平沼:僕がどうしても不倫デュエットソングを作りたかったんです!

ーーダンとスナックのホステス、アキがデュエットする『修羅BANBAN』ですね。たしかにカラオケの画面の作詞クレジットにも平沼さんのお名前はありました。そこもネタが細かい。

平沼:僕はスナックによく行くんですよ。そこで女性と何か歌うとなると、だいたい『ロンリーチャップリン』や『男と女のラブゲーム』になるんですね。歌いながら距離感が縮まるようなデュエットソングって、その時代で止まってるように思えるんです。

ーー確かに、そういう気軽に男女が歌えるデュエットソングは更新されていない印象がありますね。

平沼:コブクロさんと絢香さんの『あなたと』みたいにすごい歌い上げ系の歌はあるけど、やっぱり少ないですよね。だから男女の距離が縮まる、不倫カップルが一線を超えるような歌を作りたかったんですよ!

ーーでは、実際にカラオケで歌える日も……?

平沼:はい、DAMさんで歌えるようになります。

ーーそれは楽しみです。しかし、『修羅BANBAN』そんな熱い思いがあったとは全く予想してませんでした。

平沼:めちゃくちゃ熱い思いがありますよ!

必然性のあるミュージカルに

ーー他にも、劇中歌では、一世風靡セピアを彷彿させる『IIKOTO』のインパクトも大きいですね。『修羅BANBAN』もそうですが、最近あまり聴かない曲調をあえて採用しています。

平沼:時代ですよね(笑)。でもファッションもそうなんですけど、時代って回っていくのかなとも思っていて。もしかしたら、一世風靡のスーツが真っ黒になって、さらに激しいダンスを踊ってるのがEXILEなのかもしれないし。

ーーその視点は斬新ですね。

平沼:そういうのを抜きにしても、一世風靡のあの時の熱量って今の世代にとって新鮮に見えると思うんですよ。今『東京ラブストーリー』の再放送を見て、若い世代が反応するのと一緒で。そんな熱量をあの5人から放出したかったんです。

ーー今回も音楽に関しては盛りだくさんですね。

平沼:今回、劇伴は「ANOTHER」というチームで、Mitsu.J、大西克己という2人でやっているんですけど、実は同級生の時に組んでいたバンド名が由来になっているんです。学園祭の時に講堂でB’zとかを演奏していたんですよ(笑)。

ーーそうなんですね。

平沼:Mitsu.Jは、これまでも『HiGH&LOW』だと『Do Or Die』の作曲や、三代目の『Unfair World』も手がけて、大西も作曲家として色々なアーティストを手がけています。少し前に同窓会へ行った時に、3人でワイワイ飲んで「なんか3人でやりたいね」と話していて、今回映画を撮ることになったので、「じゃあ2人にお願いしよう」と。まず、LDHの音楽性を理解してくれる人が適任だと思いますし、いつも音楽を監修してくれる佐藤達郎さんも、「この作品なら、アリですね」って言ってくれて実現したんですけど。個人的にはあんまり劇伴っぽくない曲がほしかったんですよね。そっちの方がLDHの映画らしいというか。

ーーなるほど。

平沼:冒頭のミュージカルシーンで流れる『トラフィックライト』もMitsu.Jと話し合って作りました。恋愛ってある意味信号機みたいだね、というテーマで詞を書いたんです。ずっと中途半端な黄色でいるわけにも行かないし、赤で止まり続けてもダメだし、青で突っ走ってもいけない。黄色でずっと躊躇しているのが宮崎で、そこを後押しするのが青で突っ走るDTC。そんな風に色々な人生を表現できたらいいなと思って、この曲は作りましたね。

ーー本作の主題歌、オープニングテーマ、挿入歌も、とても映画の雰囲気にマッチしていますね。

平沼:実は最初、DTCの3人で曲を歌っているという案もあって、『100万回のありがとう』という仮タイトルで僕が作詞して、レコーディングまでしたんです。でも皆で聴いて「いいんだけど、いい雰囲気のエンドロールで流れてズコってなりたくないよね」と、ここは歌うプロに任せようという話になりました。そして、DOBERMAN INFINITYに『100万回のありがとう』のデモを渡して、映画も観てもらって「こういう感じで作ったけど、後は任せた!」と。そういう経緯で生まれたのが『YOU&I』です。完成した曲を聴いたらメチャクチャ良くてね。

ーー彼らの新たな代表曲になりそうなキャッチーな曲です。

平沼:DTCの3人もすごく気に入ってくれて。「俺たちが歌っていたら、舞台挨拶でも披露しなきゃいけなくなってた! あぶねえ!」なんて冗談も言ってましたね(笑)。

ーーそれはそれで、観たかったような(笑)。

平沼:SHOKICHIも映画を観た上で曲を作ってくれたし、その前から「男子中学生のわちゃわちゃ感のある『男はつらいよ』を作りたいんだよね」と話していたところ、「3人がフーテンな感じで色んなんところに行く『Futen Boyz』ってどうですか?」と提案してくれて、徐々にイメージが固まっていって、出来上がった曲もメチャクチャ良くて。『BEPPING SOUND feat. HIROOMI TOSAKA』は、HONEST BOYZのメンバーが「どこかに使えたら!!」と曲を持ってきてくれたんです。DTCがSWORDを出るきっかけって結構くだらないじゃないですか、道中でカワイイ女の子に出会えるんじゃ……みたいな期待もあって。そこに『BEPPING SOUND』が流れるのが、すごく面白いと思ったんですよね。

ーーちなみに、本作は冒頭とクライマックスで同じシーンが2度繰り返される構造じゃないですか。今年の大ヒット邦画を思い出してしまったんですよ。

平沼:『カメラを止めるな!』ですよね。もちろん観ていますよ。この手法って「シベリア少女鉄道」だとか、舞台ではよく使われますよね。僕も舞台出身なこともあり、舞台は好きで、そういう構成も好きなんですけど、構成より今回はどちらかというと「必然性のあるミュージカルをやりたい」という気持ちが大きいですね。「はいここで歌です、はいここで踊りですよ」とシーンごとに明確に分かれるようなものでなく、登場人物が歌わざるを得ないようなシチュエーションにするにはどうすればいいのかと考えて作ったのが今回のオープニングなんです。『IIKOTO』のシーンもそうですけど、全編通して「ミュージカルが急に出てきた」とならないものにしたかったんです。

ーーお忙しいとは思うんですが、他にも最近面白いと思った映画はありますか?

平沼:『勝手にふるえてろ』(17年・大九明子監督)ですね。『DTC』とも共通する面白さがあるんじゃないかな。ベクトルは全然違いますけど。DTCはアッパーで、あの女の子を取り巻くのはローな感じじゃないですか。でも話しているようなことは、通じるものがあるんじゃないかな。『勝手にふるえてろ』は、すごく面白かったですね。

ーーなるほど。さきほど舞台の話も出ましたが、今でも劇場に足を運んだりも?

平沼:そうですね。最近嬉しいことに、様々な作品を書かせていただいているので、アウトプットをしたらインプットをしないと、自分がどんどん枯れていってしまうというか。どんな映画でも舞台でも、時間が空いたら観ようと思いますし、その中でも面白いと感じたら何度も観て勉強したりもしています。俳優だけをやっていた時は「いい演技してるな」だったり、脚本もやるようになったら、ストーリーや構成を中心に観るようになったりして。そして監督を経験したことにより、「これどうやって撮ってるんだろう?」とか、「これ何日くらいで撮ったのかな」みたいな視点も考えるようになりました。そうなると1回だけじゃ理解が追いつかないという(笑)。

ーー『HiGH&LOW』の世界が広がることで、平沼さん自身の視点も広がっているという。

平沼:そうですね。脚本だけじゃなくて監督もやったことは本当に勉強になりました。全体を見通さないといけないですし、小さなことでも自分が決定していかないといけない。他にも、脚本でうかつに「夕日」って書くのやめようと思いましたね(笑)。夕日のシーンを作るのって超大変なんですよ! でも渡辺啓がすぐ「ここで夕日をバックに」って書くんですけど(笑)。脚本の上では、そのシーンもすぐ想像つくんだけど、撮るのは超大変ですね。

ーー確かに(笑)。

平沼:これは「監督やらないとわからないこと」あるあるでしたね。これまでも、色々なスタッフさんたちが、僕らの脚本をいかに映像にするかと、一生懸命やってたんだなと思い知りました。今回も『HiGH&LOW』の美術をいつも担当している橋本創と一緒にやったんですけど、「ノリちゃんね、いつも結構すげーこと書いてるんだよ」って言われて(苦笑)。今回もいろんなアドバイスを貰って、「こうしよう、ああしよう」と皆で意見を出し合って作っていったので、アイデア満載で面白い作品になったと思います。本当に監督は全部決めないといけないし、全部自分の責任になってくる。脚本は今度からちょっと気をつけて、うかつに雨とか振らせないようにいしょうって思うけれど、うかつに書くから面白いって部分もあるんですよね(笑)。そのバランスは、どこかで割り切ってやっていかないといけないのかな。でも監督をやらせてもらったことで、本当に得るものがあったし、すごく世界が広がりました。HIROさんには感謝しかないですね。

(取材・文=藤谷千明)

■公開情報
映画『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』
全国公開中
企画・プロデュース:EXILE HIRO
監督:平沼紀久
脚本:渡辺啓、福田晶平、上條大輔、平沼紀久
出演:
山王連合会…[DTC]山下健二郎(ダン)、佐藤寛太(テッツ)、佐藤大樹(チハル)、鈴木伸之(ヤマト)
SMG…廣瀬智紀(MARCO)、松田凌(COSETTE)、西川俊介(LASSIE)、西村一輝(HEIDI)
達磨ベイビーズ…水野勝(風太)、田中俊介(雷太)、守屋光治(阿形)、井澤勇貴(吽形)
縦笛兄弟…八木将康(カニ男)、天野浩成(たて笛・尾沢)
旅館「森田屋」の女将…笛木優子(森田マリ)
番頭…駿河太郎(宮崎有起)
マリの娘…新井美羽(森田メグミ)
企画制作:HI-AX
配給:松竹
製作:『HiGH&LOW』製作委員会
制作:イメージフィールド
(c)2018「HiGH&LOW」製作委員会
公式サイト:http://high-low.jp/movies/dtc/

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