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アニメ『SAO』第2クールOP曲で注目のASCA、壮大なサウンドスケープで引き立つ歌声の力

リアルサウンド

19/2/2(土) 18:00

 シリーズ累計2200万部を突破するライトノベルを原作にした人気TVアニメ作品の最新作として、2018年10月より全4クールにわたって放送中の『ソードアート・オンライン アリシゼーション』(TOKYO MXほか)。その第2クールのオープニング(OP)テーマに抜擢されたASCAの「RESISTER」が、先行配信リリースの時点で好調な滑り出しを見せている。この楽曲はTVアニメの第2クールの放送に合わせて先行配信されると、作品世界とシンクロした歌詞や力強い歌声がSNSで話題となり、iTunesアニメチャートやmora総合チャートなど全8ランキングで1位を獲得。オリコンのデイリー・デジタルシングル(単曲)ランキングでも3位を記録している。

(関連:『Fate/Apocrypha』2期EDでも話題、ロック・ポップシーンにも響くASCAの魅力的な“声”

■ダイナミックさと繊細さが同居したボーカル表現

 ASCAはもともと、中学生の頃に大倉明日香として『第5回全日本アニソングランプリ』で東海地区予選を勝ち抜き、約1万人の中から3名まで勝ち残った実力派。2013年に大倉明日香名義で「Prime number ~君と出会える日~」を発表するも、その後はしばらく作品リリースが途絶えていた。しかし、「今を変えたい」という一心で、何も決まっていないまま上京を決意。その後、2017年8月に雑誌『リスアニ!』に付属するCDで「RUST」を発表し、ASCA名義での活動をスタートさせた。こうした歌にかける強い気持ち/強い意思は、後にリリースさたASCA名義での楽曲でも随所に感じられる、彼女の歌の核となる魅力になっている。以降は2017年11月に『Fate/Apocrypha』2ndクールエンディング(ED)テーマの「KOE」でデビューを果たすと、2018年は『グランクレスト戦記』EDテーマ「PLEDGE」&とOPテーマ「凛」を担当。

■ぼくりり、澤野弘之など多彩なアーティストとの共演

 また、様々なアーティストとのコラボレーションも積極的に行なっていて、CDシングル作品では『PLEDGE』の収録曲「グラヴィティ with fox capture plan」でfox capture planと、『凛』の収録曲「サルベージ with EMO Strings」でEMO Stringsと共演。また、配信シングルでは「アインソフオウル with Ayasa」でバイオリニストのAyasaと、「偽物の恋にさようなら with 分島花音」でシンガーソングライター/チェリストの分島花音ともコラボレーション。自身の楽曲以外では『機動戦士ガンダムUC』のBlu-ray BOXイメージソングとなった澤野弘之によるプロジェクトSawanoHiroyuki[nZk]の「Unti-L」へのゲスト参加も話題となった。そして2018年の11月には、ASCA VSぼくのりりっくのぼうよみ名義で「Suspected, Confused and Action」を発表。この楽曲ではドラムンベース風のデジタルビートとストリングスが融合した新たな音楽性も見せていた。

 そうしたASCAの楽曲の最大の魅力は、彼女自身の凛とした力強い歌声と、その魅力を引き出すためにほぼ全曲で使用される生のストリングスを生かした、壮大なサウンドスケープ。負の感情なども含めて表現できるエモーションの幅の広さが印象的で、ロック曲を基調にしながらも、楽曲によっては静謐な演奏にやわらかな歌を乗せるなど、様々な表情を見せている。それを可能にしているのは、力強さだけで押し切るのではなく、楽曲に感情のうねりを生み出すような、ダイナミックさと繊細さが同居したボーカル表現。その魅力はこれまでのシングル群にも顕著で、中でも「PRIGDE」のサビのドラマチックな歌声は、一瞬にして風景を変えてしまうような、シンガーとしての圧倒的な魅力を放っていた。また、これまでのシングルではカップリング曲も含めて(阿部真央カバー曲「Don’t leave me」を除く)全ての曲にMVが作られていて、ここからはASCAの楽曲がどれも粒揃いであることが伝わってくる。

■シンガーASCAの新たな扉を開いた「RESISTER」

 そんな彼女が本格的なブレイクを果たしたのが、今回の「RESISTER」だ。『ソードアート・オンライン アリシゼーション』は、主人公・キリトが巻き込まれた中世ヨーロッパ風の仮想空間《アンダーワールド》での“記憶”をめぐる物語。同郷の幼馴染み3人=キリトとユージオ、アリスが幼くして引き裂かれて直面する過酷な運命と、それを自らの手で変えるための戦いが描かれていく。初めて「RESISTER」がOPテーマとして放送された14話では、11歳で連れ去られたアリスを取り戻すために旅を続けるキリトとユージオが、徐々に『アンダーワールド』の隠された仕組みに気づき、いよいよアリスを連れ去った《整合騎士》デュソルバート・シンセシス・セブンと対面。そうしてギアを上げる作品の勢いと呼応するように、「RESISTER」では幼い頃の3人の思い出を歌う序盤を経て、次第に歌声が熱を帯び、サビで〈声を響かせて/逆境を切り裂いてゆけ/運命に抗ってゆけ〉と力強い言葉が響き渡る。また、ストリングスを取り入れたロックサウンドはまさにASCAの代名詞で、システムによって記憶を書き換えられてしまう仮想空間で持ち続ける「忘れない想い」と、「逆境をはねのけていく意思」という作品の根幹となる要素が、壮大な雰囲気の楽曲とサビに向けて力強さを増す彼女の歌声で見事に表現されている。こうした作品とのシンクロ率とシンガーとしての高い実力が、今回のヒットに繋がっていると言えそうだ。

 『ソードアート・オンライン』シリーズは、これまでLiSAや藍井エイルといった錚々たるアーティストがOP/EDを担当してきた人気アーティストへの登竜門的な作品として知られている。今回の「RESISTER」は、『ソードアート・オンライン アリシゼーション』の新章を告げる楽曲であると同時に、シンガーASCAに新たな扉を開く代表曲にもなりそうだ。(杉山 仁)

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