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竹達彩奈、“肉”と“笑顔”がアーティスト活動の原動力に 『バースデーイベント2018』レポ

リアルサウンド

18/7/6(金) 14:00

 声優やアーティストとして活躍する竹達彩奈の29歳の誕生日を祝う『バースデーイベント 2018』が、6月23日に東京・山野ホールで開催された。毎年恒例となっている彼女の誕生日イベントだが、今年は29(=ニク)歳という、お肉が大好きな彼女にとっては特別な年齢になるということもあって、肉尽くしの内容に。笑いあり、ライブあり、肉ありと、いつも以上にリラックスした様子で楽しむあやちに、ファンもほっこりと幸せな気分になれるアットホームなイベントとなった。ここでは昼と夜の2部開催のうち、第2部の模様をお届けする。

 例年通り司会進行役を務めたニッポン放送の吉田尚記アナウンサーに呼び込まれて「こーんにーちはー」と登場した竹達は、直前までステージ裏でボール遊びをしていたとのことで、緊張感はまったくなし。ショルダーレスのトップスに黒のロングスカート、頭にはトップスと同じチェック柄のリボンを合わせた、ナチュラルな大人かわいいコーデが見目麗しい。吉田アナの「(20代最後の年であるにも関わらず)1ミリも悲壮感ありませんよね?」という指摘に、「なんか悲しむことあります?」とあくまで自然体だ。とはいえ30代になることには多少のプレッシャーもあるようで、仕事の現場で責任の重みが上がるであろうことを憂いていたが、吉田アナの「竹達さんだからなー」との声に「えっ、どういうこと?」と軽妙なツッコミを入れてお客さんを笑わせる。

 この日の企画では「竹達彩奈パーフェクト29YEAR〜みんなとしたい29のこと〜」と題し、昼と夜の2部で合わせて計29個の“ニク”にちなんだ叶えたいことを発表。「肉に続く、新食べ物ソングを制作したい!」という野望では、「ライスとぅミートゅー」「Hey! カロリーQueen」「OH MY シュガーフィーリング!!」といった楽曲を歌ってきた“カロリー声優”として、29歳のあいだに新しい食べ物ソングを作ることを宣言。「声にいいお肉を食べてみたい!」では豚の生姜焼きやシャリアピンステーキをその場で実食し(竹達の「白米もほしい!」とのリクエストに応えて即座にお茶碗に山盛りの米が用意されるのもすごい)、「みんなにもっとお肉を好きになってほしい!」では吉田アナが変態音響監督・ヨシダに変貌し、「お肉が大好きな3歳児の子供」「ドライブデートでステーキハウスに向かってる最中の助手席に座る彼女」といったシチュエーションで、竹達に萌えセリフの演技を強要した。

 「29秒でみんなの迷いを即決してあげたい!」という願いでは、この日の来場者から事前に募集した悩みに対して、あやちが一問一答形式で回答。「スイカが苦手」→「塩をかけて」、「腰が痛い」→「寝て」、「妹がほしい」→「お母さんに頼んで」など、当意即妙な反応で気持ち良いほどズバッと解決していく。「肉の部位、全部噛まずに言ってドヤ顔したい!」では、肉の29種類の部位を29秒で言い切る早口言葉にチャレンジ。ここはさすが声優が本業の竹達、なんと11秒で成功させて堂々とドヤ顔を決めてみせた。そして「肉体の限界に挑戦したい!」という夢はロケ映像と共に紹介。竹達がボルダリングに挑戦し、インストラクターのスパルタ気味なレクチャーにイライラしながらも、見事に9級コースを踏破する様子が映される。続いて7級コースに挑むも何度も失敗し、感動VTR風の演出で笑いを誘いつつ、結局は成功できず。普段スポーツは全然しないという竹達らしく、吉田の「またやりたい?」との問いかけに「いや、大丈夫です」と即答していた(ボルダリングの翌日は筋肉痛でドアも開けられない状態になったそう)。

 続く「肉体改造!鍛えた上腕二頭筋を活かしたい!」では、サインボールの遠投で29メートルをめざすも届かず。そこでテニスラケットを持ち出してきて、中学時代はテニス部に所属していたことを明かし、それっぽいフォームを取って自信を覗かせる。だが、実際のテニス歴は1年のみ、試合には出たことがなく、応援するのが得意だったとのことで、客席めがけてボールを打ち込むも、これまた29メートルラインには一歩及ばず、吉田の「延べで29m超え」という判定で一応成功ということになった。

 ここで竹達が突然しおらしい態度になって、吉田アナに「これが本当の私の気持ちです。読んでください!」と手紙を手渡し、ダッシュでステージから去っていく。吉田アナが訝しげに手紙を開けてみると、そこにはあやちのやりたいことのひとつ「お肉の愛にあふれた番組を聴いてみたい!」のリクエストが。ということで、DJよっぴーによる肉だけをテーマにしたラジオ番組『オールミートニッポン』夜の部が急遽スタート。ニッポン放送の某人気番組のBGMに乗せて、肉にまつわるエピソードやリスナー(?)からの肉ネタ山盛りなお便りを紹介する余興で、ライブコーナーへと繋げる。

 木暮晋也(Gt)、伊藤千明(Ba)、小林俊太郎(Key)、白根佳尚(Dr)という馴染みのメンバーからなるバンドの準備も整い、ここからはついにライブがスタート。開幕曲は肉尽くしの本イベントにちなみ、誰もが期待していたであろうお肉賛歌「ライスとぅミートゅー」だ。竹達本人がトークコーナーで「勢いとノリで生まれた」と語っていたこの楽曲。彼女の「お肉が大好き!」という純粋な気持ちが遊び心いっぱいに表現された歌詞と(作詞は竹達本人と加藤哉子の共作)、快活でノリの良いロックンロールサウンド、〈アイ ラブ ビーフ! アイ ラブ ポーク! ロックンロース!〉といった楽しいコール&レスポンスを備えていることにより、タイアップもついてないアルバム内の1曲だったにも関わらず、いまや彼女のいちばんの代表曲となっている(竹達のベストアルバム『apple feuille』のリリースに際して行われた楽曲の人気投票でも見事1位に選ばれている)。

 会場が一体となって〈ビーフ! ビーフ!〉と盛り上がった後は、3rdアルバム『Lyrical Concerto』より星空を思わせる壮大なロックチューン「Starline」を披露。照明や観客のサイリウムを含め一面青色に染まったホールに、先ほどよりもグッと大人っぽさを増したクールな歌声を力強く響き渡らせていく。「青い光がめちゃめちゃキレイでした!」と喜ぶ竹達は「今回はちょっと懐かしい歌だったり、私が久々に歌いたいなあと思う曲を選抜したセットリストになっております」と説明。「昔は難しいことを言ってるなと思ってたんだけど、もうすぐ30歳を迎える今、歌えば歌うほど好きだなと思うようになった曲」と語り、2ndアルバム『Colore Serenata』収録の「永遠にキミのことを愛したいと言わせて」を歌い始める。サンボマスターの山口隆が詞曲を提供したこのナンバー、まだ見ぬ理想の恋に恋い焦がれる気持ちが綴られた歌詞という解釈が可能で、曲の最初と最後に置かれた語りのパート、締め括りの〈伝えたい〉と4回連続で叫ぶ箇所を含め、アーティスト活動6年目を迎えた今の彼女だからこそできる表現になっていたように思う。

 さらに1stアルバム『apple symphony』より、川本真琴が曲提供した「春がキミを綺麗にした」も久しぶりに披露。スタンドマイクに切り替え、〈ぷるるんってくちびる〉の箇所での口元に指をあてる仕草など、可愛らしい振り付けと共にとびっきりの笑顔と歌を届ける。この曲も以前は〈春が女性をキレイにする〉という歌詞の内容にそれほど実感を抱くことはなかったらしいが、自分が年を重ねて、ある日ふと桜並木を歩く新入生や新社会人といった年下の女の子を見かけたことで、聴こえ方や感じ方が変わってきたのだという。

 ライブは津野米咲(赤い公園)が提供した不思議なコード感や曲展開がクセになるストレンジポップ「クレンジングラブ」へと続き、竹達もこれまでのどの曲とも異なる繊細かつ甘い歌声でお客さんを魅了する。そして現時点での最新シングル曲「OH MY シュガーフィーリング!!」でお菓子の国のようにカラフル&華やかな世界観を広げてライブ本編は終了。間髪入れず巻き起こった“あやちコール”を受けてステージに舞い戻ってきた竹達は、あらためて「やりたい放題やらせていただきまして、あたたかく応援してくださって、本当に幸せだと思います」と感謝の言葉を述べる。

 今年で7回目のバースデーイベントを迎えた竹達だが、最初の頃はステージに立つときも怖い気持ちのほうが強く、ライブ前は緊張してご飯も喉を通らないほどだったという。だが「今日は朝ごはんに家でカレーを食べたし、お昼ご飯はロコモコを食べたし、さっきもお肉を食べさせてもらったり、休憩中も差し入れでもらったゼリーを食べたりとか(笑)」と、いまはあたたかな応援もあって、安心してライブに臨めるようになったと語り、ファンを喜ばせる。そして「この幸せな気持ちを、国の曲に込めてみなさんにお届けしたいと思います」と語り、最後のナンバーへ……と思いきや、ここでバンドがサプライズで「ハッピーバースデートゥーユー」を演奏し始め、お客さんも大合唱であやちの誕生日を祝福。さらに29種類の肉の部位を使ったという特大の肉ケーキがステージに運ばれる。バンドメンバーからもコメントカードと「いきなり!ステーキ」の肉マネーギフトカードが贈呈され、竹達は肉ケーキの唐揚げを食べながら29歳になった喜びを噛み締めていた。

 そして今度こそこの日のラストナンバー、竹達の公式ファンクラブ「あやな公国」国歌として制作された「apple*colorful*princess」へ。ホーン入りのゴージャスかつキラキラしたサウンドに乗せて〈『お姫様』なんてガラじゃないけれど〉〈四六時中わたしのことを、想っていてね?〉と歌われるこの楽曲の歌詞を書いたのは、もちろん竹達本人。控えめなところを見せながらも、どこかワガママで可愛らしい振る舞いが似合ってしまう彼女は、やっぱり公国民にとってのプリンセスなのだ。29歳になっても変わらずマイペースで、時にレディーとして成長した部分を見せながらも、夢中でお肉にかぶりつき、笑顔いっぱいで楽しそうに国民たちとのひと時を過ごすお姫さま——この時間こそが、彼女のアーティスト活動の原動力になってるんだろうなと思わせる、幸せなムードに溢れたパーティーだった。

■北野 創
音楽ライター。『bounce』編集部を経て、現在はフリーで活動しています。『bounce』『リスアニ!』『音楽ナタリー』などに寄稿。