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Mrs. GREEN APPLEとも共振するSNS世代の感覚 世界的ポップバンド The Vampsの活動を追う

リアルサウンド

18/7/14(土) 19:00

 ここ数年、下火だったUKの若手バンドシーンがTHE 1975やCigarettes Affter Sexなどのブレイクを含め、どんどん再燃しつつある、という事実はUKロックファンの間ではおなじみかもしれないが、そんなシーンの上がり下がりに関与しないブレイクスルーを経て、ソーシャル世代ならでは活動形態を取っているのが、7月13日にアルバム『Night & Day(Day Edition)』をリリースしたThe Vampsだ。

 彼らはそれぞれ英国内の異なる地域出身で、YouTubeにアップした宅録デモを介して仲間となった4人組。UKの音楽ファンからすれば、どちらかというとOne Direction的なポップス、アイドル的なカテゴリーに入れられることの多い彼らだが、その人気と実力は折り紙付き。McFlyやテイラー・スウィフトのツアーでオープニングアクトに抜擢されたかと思えば、アルバムでは全英1位をあっさり獲得。ライブもあっという間にアリーナクラスまで駆け上がり、現在はトップアーティストの仲間入りを果たしている。

 彼らの活動には特徴があり、まず注目したいのは“バンド”という形態にとらわれない活動や音楽へ次々と手を伸ばしていること。今の世代ならではというべき、YouTubeへのカバー動画アップから活動をスタートさせ、テイラー・スウィフト「22」のカバーがバズを起こし、アイドル的な人気を獲得し、ポップパンクな音楽性の1stアルバム『Meet The Vamps』を作ったかと思えば、2作目『Wake Up』ではアメリカ人ラッパーをフィーチャーした曲を収録。カバー動画でジャスティン・ビーバー「What Do You Mean?」をカバーし、トロピカルハウスを自身の血肉にしてみせると、2016年のシングル曲「All Night」では世界的プロデューサーのMatomaとタッグを組み、Spotifyで3億4千万回超の再生を記録。翌年にも同じくMatomaとのコラボで「Staying Up」をリリース。その流れを汲むように2017年7月リリースの『Night & Day(Night Edition)』では、トロピカルハウスにフューチャーベース、トークボックスを使ったフューチャーファンクと玄人を唸らせる進化を見せてくれた。

The Vamps – Just My Type

 そして、彼らは自身の活動だけではなく、同世代・若手のフックアップにも熱心だ。本国でも2ndアルバムリリース前に自身のレーベルを立ち上げ、新人アーティストのデビューをサポート。ツアーのサポートアクトに抜擢したかと思えば、自ら曲作りに参加することも。New Hope ClubやThe Tideなどがその好例だ。

The Vamps – Hair Too Long

 さらに、彼らの世代感は国境をなんなく飛び越えて通じ合う。昨年の来日公演では、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴が飛び入り参加。バックステージでは2バンドが一緒に写真も撮り、親交を深めた。大森も自身が影響を受けた音楽にThe Vampsの名前を挙げ、彼らもまた「WANTED! WANTED!」などでトロピカルハウスをバンドの音楽に取り入れ、同世代やその下の世代の感覚にアップデートしたバンドサウンドを届けるなど、近しい活動を国内で行なっている。

 大森は過去の取材で、The Vampsの音楽について「感覚が新しくて、自分たちと近い感じで音楽を届けていて、それがいいなって思うんです」(参考:Mrs. GREEN APPLEのクレバーな音楽性はいかにして作られた? 大森&藤澤が語る“ルーツ”)とシンパシーを感じていたように、咀嚼の仕方からアウトプットの方法論まで、感覚的に共鳴する部分があるのだろう。

 また、先述の記事で大森が「80年代のサウンドも取り入れながら新しく聞こえるようにしていて、すごく感化された」と語っていたことも印象的だ。確かに、彼らの音楽はただ新しいだけではなく、誰にでもわかりやすいキャッチーさを持っているし、それを隠すこともない。ストレートなポップスに対するピュアさも持ちながら深化を試みるというのは元来、非常に難しいことだ。それを難なくできること自体が、彼らの持つ才能ともいえる。とはいえ、まだ彼らは20代で、これからますます変化していく様を見ることになるだろう。今作『Night & Day(Day Edition)』からでも遅くはないので、その過程を一緒に追っていくといい。アップデートされ続ける彼らの作品を通して、音楽シーンの流れを追体験するような刺激をこれからも得られるはずだ。

(取材・文=中村拓海)

■リリース情報
『ナイト&デイ(デイ・エディション)』 
発売中
※日本盤はボーナス・トラック4曲収録
価格:CD+DVD限定盤 ¥3,500(税抜)+税
※DVDには2017年ロンドンO2アリーナ公演のライブ映像を収録
CDのみ ¥2,500(税抜)+税
試聴・購入

■関連リンク
ザ・ヴァンプス日本公式サイト

 

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