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星野源、Superorganism Oronoをゲストに迎えて伝えたメッセージとは? ANNを聞いて

リアルサウンド

19/4/5(金) 7:00

 『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)が4月2日に放送。Orono noguchi(Superorganism)と、『YELLOW MAGAZINE』(星野源によるオフィシャルイヤーブック)の編集を担当しているライター・小田部仁が登場した。

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 小田部の紹介によって交流を深めていった星野とOrono。星野は、音楽に対して落ち込んでいた時期に、Superorganismのピュアな音楽性に元気をもらい、すぐに友達になりたいと感じたという。また、Oronoは『星野源 DOME TOUR 2019 「POP VIRUS」』を観た際に、Superorganismと同じエネルギーを感じ、落ち込んでいた気持ちがハッピーになれたと明かした。

 Superorganismを好きな理由について星野は「自由さを感じるというか、自分たちの尺度で音楽やってる。国籍が違う8人が一緒にやってるなかで、不思議なバランス感覚があって、自由なのに破綻していない。音楽が好きだってこと、自分たちが好きなもの、パーソナルな部分を持ち寄って音楽を作っている感じが“これからの音楽”だなって感じがして。システムにはまってないというか……」と語る。そんな星野に対してOronoは「システムにはハマると思うよ。あのアルバム(『Superorganism』)終わらせた時点では、レコード会社と契約もしてなかったし。ただ単に楽しいからやってるってだけだったから。システムになっていったときに何を作るのかっていうのが楽しみ」と、“システム化”したからこそ生まれる音楽への期待を述べた。小田部が「辛いこととかあったけど、それでも音楽は作るんだもんね」と聞くと、Oronoは「だって楽しいもん。それだけ」と即答した。

 また、同放送を通じてOronoの人間性も見えてきた。「“中身が可愛い”って言われるのがすごい好き。見た目で(可愛いと)言われるのは“すぐ黙れ”ってなる」という発言や、名前を“ちゃん”付けで呼ばれることを嫌がるなど、ステレオタイプなジェンダーへの考え方に嫌悪を感じているようだった。特にそれが顕著に現れたのは、Oronoファンからのメールが読まれたときだ。

「私はSuperorganismのファンで、Oronoちゃんの生き方、考え方、芯を持った自由さが大好きです。去年CDやレコードを買い、今でも毎日聴いてるのですが、メンバー全員が本当に音楽を楽しんでる感じがひしひしと伝わってきて。さらに聴いてる私たちも一緒に楽しめ、自然と歌って踊れる。かといって、こうって決めつける感じがなく、自分なりの楽しみ方ができる魅力があるなと思うのです」

 ファンからのメッセージに嬉しそうな様子を見せないOrono。星野は「“ちゃん”は嫌だ?」と聞くと、「“ちゃん”って言われた瞬間もう聞いてないもん」とし、英語で「すごい無礼だ」とはっきり意見を述べる。続けて「すごいありがたい! けど、(日本には)そういうジェンダーとかさ、いろんなボックスがあるのを思い出させてしまうの。それで“ちょっとダメじゃん!”ってなっちゃうの」と“ちゃん”付けが嫌な理由を明かした。

 さらに、ファンからのメッセージに対しては「自分が音楽とかアートをやってるのは自己満足でやってるだけだから」とし、ただ単にファンだと言われることに対して違和感を感じている様子。Oronoは、“ただ「好き」で終わるのではなく、Superorganismの音楽を聴いて自分たちを超えるところへ行ってほしい”と語る。また、コミュニケーションを重ねて互いを理解していくことが重要であるとし、「DMしてください。読むから! 話そうよ!」とメールを送ったファンに向けてコメントした。

 なぜその音楽を聴くのか、なぜその映画やアートを観るのか。Oronoのメッセージは、そんなことを改めて考えらせられるようだった。日本での来日ライブでもストレートなMCで賛否両論を呼んでいたOrono。しかし、それは、観客を喜ばせようとするだけのエンターテインメントへの反発でもあるのではないだろうか。彼女のスタイルそのものが、「本音で生きているのか」「本当にしたいことは何なのか」という私たちへの問いかけのように思えるのだ。

 また、Oronoが自身のジェンダー観をはっきり述べているのを聴いていると、自分がいかにこれまで型にはまった考え方を持っていたのかと気づかされる。一方、星野も凝り固まったジェンダー観に疑問を抱いていたように思う。『第69回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)内の『おげんさんといっしょ』コーナーで、「おげんさん、男でも女でもないから。これから『紅白』も性別関係なく混合チームでいけばいいの」とコメントしていたし(参照)、『おげんさんといっしょ』自体も、母親役に星野、父親役に高畑充希、娘役に藤井隆など、性別関係なくキャスティングがされている。さらに星野の楽曲からはステレオタイプな考え方への反発のようなものを感じることがある。Oronoほどストレートな表現ではないとしても、あらゆるエンターテインメントを通してOronoの考えに近しいものを発していた。

 同放送ではOronoの発言の節々に共感する星野が印象的だった。きっと星野は、Oronoの言葉がリスナーにいい影響を与えるはずだという思いがあったのではないだろうか。(北村奈都樹)