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川口春奈が見つけた“ヒモ男”窪田正孝との生き方は? 『ヒモメン』が貫いた真実の愛

リアルサウンド

18/9/9(日) 17:00

 看護師の春日ゆり子(川口春奈)は、姉の桜子(片瀬那奈)に、幼なじみの松平鷹彦(渡辺大)との結婚を迫られる。ずっとゆり子を見守ってきた彼氏であるヒモ男・碑文谷翔(窪田正孝)は、ゆり子を失いたくないため、ゆり子の同僚の看護師や医師の池目亮介(勝地涼)と力を合わせ、ゆり子を取り戻すことを決意。『ヒモメン』(テレビ朝日系)最終話は、ゆり子の本当の気持ちが重要になるグランドフィナーレであった。

 第1話から継続して描かれてきたゆり子と翔ちゃんの互いを思う気持ちは、最終話にして安定感のない不安な気持ちへ。ゆり子を思う愛情は人一倍という翔ちゃんも、ゆり子の1番好きな動物を知らなかったことで自信をなくすのであった。

 そしてゆり子は、ついに現実的な結婚に目を向け、翔ちゃんを更生させるのではなく、別の人を選ぼうとする。互いが離れていくことに納得するタイミングが重なってしまうと恋愛は途端に続けることが難しくなっていく。翔ちゃんはどんな時も“引く”態度を取らず、ゆり子を手に入れることだけ考えていたからこそ、今までも別れずに続けてくることができた。しかし、最終話では翔ちゃんの勢いも失速し、ゆり子自身も“引き際”のタイミングを感じてしまっている絶望的な状況。ゆり子は「1番好きでなくても幸せになることはできる」と自身のかつての将来の夢と、翔ちゃんとの状況を重ねながら話すのであった。

 前半では翔ちゃんの頑張りでゆり子を取り戻すといういつも通りのシナリオで、全員のキャストが協力してサポートするというベタに感動する演出方法をとった。しかし、後半で第1話からの今までの展開とは変わり、翔ちゃんが身を引くというスパイスが加わる。翔ちゃんの決断もまた、本当に大好きなゆり子が誰よりも幸せになれる道を考えたものであった。このスパイスは良い刺激となり、笑ってしまいそうなシーンの後にホロリと本気の涙が溢れそうになる。本当の愛ゆえに、離れていくことを決意する皮肉な展開ではあったが、リアルな恋愛の在り方がそこには描かれており、多くの人の気持ちを揺さぶったのではないかと思う。

 最終話で関係を修復したのはゆり子だった。いつもなら追いかけてくる翔ちゃんの姿を忘れられずに暮らすゆり子は、池目先生にもらうヒントで翔ちゃんの居場所を知り、勢いで向かう。ゆり子は、“幸せな結婚よりも翔ちゃんと一緒にいたい”という自分の本当の気持ちに気づき、翔ちゃんに伝えるのであった。

 ヒモを更生させることが目的であった同ドラマであるが、最後にゆり子の出した結論はそれでも「翔ちゃんと一緒にいたい」というもの。ゆり子は、お金や地位のある男性ではなく、自分に愛情を向けてくれる存在を大切にしたいと思ったのだろう。同ドラマは強く問題提起したり、意見を押し付けないものの、ゆり子の決断に否定的な演出もない。真実の愛があれば、どちらが稼いだお金であるか、家事はどちらがやるかなどは問題ではないのだというカップルのスタイルを見せた。意見の押し付けもなく、かつ自由なカップルの在り方を見せることで、救われたカップルも多かったのではないだろうか。

 本作を観て、やっぱりヒモは嫌だと感じるのか、ヒモでもやっぱり好きなものは好きだと感じるか。ゆり子は後者を選択した。しかし、その答えは視聴者に委ねられている。この自由度こそが、作品が説教くさくならず、魅力を維持している所以だ。最後まで翔ちゃんとゆり子という1組のカップルが愛を信じ合う姿を見せた同ドラマ。ゆり子のように悩んでいる人にとっても、救いになる作品であった。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『ヒモメン』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:15~深夜0:05放送
出演:窪田正孝、川口春奈、勝地涼、佐藤仁美、YOU、金田明夫、岡田結実、片瀬那奈
ゼネラルプロデューサー:横地郁英
プロデューサー:秋山貴人・河野美里
原作:鴻池剛『ヒモメン~ヒモ更生プログラム~』(MFコミックス フラッパーシリーズ/KADOKAWA刊)
脚本:森ハヤシほか
音楽:井筒昭雄
演出:片山修ほか
制作:テレビ朝日 
制作協力:ホリプロ
(c)テレビ朝日
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/himomen/

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