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年末企画:折田侑駿の「2018年 年間ベスト俳優TOP10」 今後も追い続けたい若手俳優の誕生

リアルサウンド

18/12/26(水) 12:00

 リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2018年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメの4つのカテゴリーに加え、今年輝いた俳優たちも紹介。今回は、2018年に日本で劇場公開された邦画の作品と、放送されたドラマの中から執筆者が独自の観点で10人の俳優をセレクト。第9回の選者は、映画から舞台まで幅広く鑑賞し、多くの役者評を執筆した映画ライターの折田侑駿。(編集部)

・平野紫耀
・中川大志
・萩原利久
・岡田健史
・山田裕貴
・佐藤健
・中村倫也
・毎熊克哉
・瀬戸康史
・東出昌大

 この2018年も、じつに多くの俳優たちに魅了された。その中でも、年齢やキャリア的にまだ「若手」と呼ばれ、とりわけ心に残った存在を10人を挙げてみた。

 まずは20歳前後の、特に若い俳優たちから。彼らの魅力は、やはり瑞々しさだった。『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系、以下『花のち晴れ』)、『honey』『ういらぶ。』とマンガ実写化作品で主演を務め、ティーン層を中心に圧倒的な支持を集めた平野紫耀。今年は所属するKing & PrinceでCDデビューも果たしたが、彼がエンターテイナーとして持つ華は主役を演じるに相応しく、見た目とは裏腹な二面性のある人物を演じることで、俳優としても存在感の大きさを示していた。

 『花のち晴れ』で平野のライバル役を務めた中川大志もまた、『坂道のアポロン』『虹色デイズ』『覚悟はいいかそこの女子。』と、マンガ実写化作品で奮闘した。子役出身ということもあるが、その芸達者ぶりには作品ごとに驚かされたものである。この手の作品を牽引していく期待の存在ではあるものの、彼の実力がさらに活かされる作品との出会いにも期待したいところだ。

 中川と同じく子役出身者であり、まだ10代ながら器用な演技を見せたのが萩原利久だ。『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』『高崎グラフィティ。』で等身大の若者像を体現し、私たちの過ぎた青春の日々の“痛み”や“苦味”、“悦び”を彼は思い出させてくれた。1月より始まる『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)へもキャスティングされており、2019年、期待である。そして、今年最注目の最若手といえば、『中学聖日記』(TBS系)にて華々しくデビューを飾った岡田健史だ。以前コラムでも書かせていただいたが(参考:https://realsound.jp/movie/2018/11/post-273558.html)、彼が新人俳優として湛える瑞々しさは今だけのもの。一抹の寂しさと将来への期待で、くっと目頭が熱くなってくる。彼の大抜擢は、ある種の奇跡を目撃したといっても過言ではないだろう。

 20代後半から30代前半にかけての「若手」俳優たちの活躍からは、彼らがこれまでのキャリアで培ってきたものが、さらなる大舞台で結実したという印象を受けた。

 『あの頃、君を追いかけた』という、大きな名刺代わりの作品を得たのが山田裕貴。劇中での好演もさることながら、作品を多くの観客へ届けようとするその姿勢が、とても好もしいものであった。まさに、「これからも追いかけていきたい」存在である(参考:https://realsound.jp/movie/2018/10/post-262732.html)。

 これまでにないアクティブな活躍を見せた佐藤健の存在は、やはり外せない。『いぬやしき』『億男』『ハード・コア』と主役級の映画が三作も公開され、『半分、青い。』(NHK)で国民的俳優の座へと一気に躍り出た。そして『半分、青い。』といえば、佐藤に並んでその存在を知らしめたのが中村倫也だ。『孤狼の血』『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)、『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)などのジャンルに富んだ作品の数々で、柔和な笑顔やしなやかな所作、さらには怒声といったもので、いくつもの表情を私たちの脳裏に焼き付けた。

 『万引き家族』『空飛ぶタイヤ』から『真っ赤な星』まで、メジャー/インディーズを問わず、一つひとつの作品で職人のような活躍をした毎熊克哉には、大いに魅せられた。個々の作品カラーへの適応力の高さは、この年代の中では群を抜いているように思える。かつての東映や日活の俳優たちを彷彿とさせる佇まいが、またいいのだ。

 『昼も夜も』(2014)や『合葬』(2015)などの主演作で片鱗を覗かせてはいたものの、瀬戸康史は『寝ても覚めても』でようやくその真価を発揮できたのではないだろうか。甘いマスクを持つ彼は、どうしても“イケメン俳優”といったフィルターをかけられがちなように思えるが、今作ではそんなイメージを遥かに超えてきた。彼の姿をスクリーン内にみとめた瞬間、思わずしてしまったガッツポーズの感覚が、いまだこの右手に残っている……。

【写真】『寝ても覚めても』出演の瀬戸康史

 そして最後は、東出昌大。30代へと突入し、俳優として、また、いち男性として脂の乗り始めたこの2018年は、『菊とギロチン』や『寝ても覚めても』など、彼の代表作ともなった作品が次々と生まれた年だった。自身二度目の主演舞台『豊饒の海』も成功を収め、いまや日本を代表する俳優の1人に挙げられるのではないだろうか。気品あふれる佇まいと、それを壊していく大胆不敵さ。筆者個人としては、もはや憧憬の念を禁じ得ないところだ。恵まれた体格や、出演作で海外に顔が知られたということもあり、今後は世界的な活躍にも期待である。

 10人だけ選んでみたのだが、やはり苦渋の選択であった。私たちを、ときに笑わせ、泣かせ、驚かせ、勇気づけてくれたのは、もちろん彼らだけではないのだ。これからも、彼らについての言葉を紡ぐ努力を惜しまずに生きていきたいものである。2019年、新たな才能の誕生とともに、彼らの存在を追い続けていきたい。

(折田侑駿)

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