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ぴあ

『アントマン&ワスプ』の格闘シーンは変幻自在でリズミカル! 4DX版の見どころ解説

リアルサウンド

18/9/7(金) 13:00

 映画と連動して座席が揺れ、風が吹き、水滴が飛ぶ……いわゆる4DX 。この4DXが今、凄くイイ感じに盛り上がってきている。この原稿を書いている時点でも『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18年)、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(18年)、『劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命–』(18年)、『HiGH&LOW THE MOVIE』(16年)と、4DX対応作品がいくつも公開中だ(ここに2年前の傑作『HiGH&LOW』が入っているのは注目すべき事態だと思うが、その話を始めると長くなるので今回は流させて頂きたい)。そんな中でつい先日、封切られたのが『アントマン&ワスプ』(18年)である。結論から言おう。私は『アントマン&ワスプ』と4DXの相性は抜群だと思った。

  『アントマン&ワスプ』は、今やすっかり日本でも人気が定着したマーベル映画最新作だ。凄腕の泥棒だが間が抜けていて、それでいて根が正義感な好漢スコット・ラング(ポール・ラッド)は、ある盗みで天才科学者ハンク・ピム(マイケル・ダグラス)と出会う。スコットの能力を評価したピム博士は、彼に一瞬でアリのサイズまで小さくなることができる特殊スーツを使い、スーパーヒーロー“アントマン”になるように持ち掛ける。スコットは泥棒家業から足を洗うため、何より娘に誇れる立派な父となるため、ピム博士の娘で文武両道の完璧超人ホープ(エヴァンジェリン・リリー)に師事。特訓の末に、スーパーヒーローとして難事件を解決するのだった。やがて “アベンジャーズ”の両巨頭アイアンマンとキャプテン・アメリカが対立すると、アントマンはキャプテン側に参戦。最終的には逮捕されてしまい、2年の外出禁止令を受ける。前作『アントマン』(15年)と『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16年)のあらすじは、ざっとこんなところだろうか。

 そんなわけで本作は、アントマンが外出禁止状態で物語が始まる。なかなかヘビーな状況であるが、そこはマーベル・ヒーローの中でも屈指の「ダメだけど気のいいアンちゃん」感がある男。犯した罪への反省や後悔といった沈痛なテンションではなく、娘と楽しく遊ぶシーンから映画は始まり、観客を「ああ、こいつら相変わらずだ」と安心させてくれる。その後も1作目同様に魅力的なキャラクターとアクションでグイグイ観客を引っ張ってゆく(マイケル・ペーニャも相変わらず絶好調!)。特にアクション面については確実に前作以上だ。そして、この点が本作と4DXとの相性を高めている。

 アントマンのアクションは格闘戦が中心だ。映画の格闘アクションは基本的に振り付けを決めて行うもの、ある意味でダンスに近い(稀に本気で戦う映画もあるが)。そのためか、優れた格闘シーンはテンポがよいのだ。マーベル映画は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14年)あたりから格闘シーンのレベルが高まっており、本作の格闘シーンにも中々に力が入っている。このため4DXでは打撃が一発決まる毎に、心地よい振動が座席に走る。その感覚は肩、背中、腰をテンポよく叩かれるようだ。また、格闘以外でもカーチェイスのシーンは白眉と言えるだろう。決戦の舞台はカーチェイスの名所・サンフランシスコ。何故に名所かと言えば、例の坂があるからだ。例の坂とは、あのハリウッド・アクションでよく見かける路面電車が走り、車が弾みがちな「あの坂」のことである。その例の坂を車が疾走&ドリフトし、スキージャンプの如く跳び、クラッシュする。4DXでは、その「揺れ」を文字通り体感できるのだ。その臨場感は、ほとんどジェットコースターだと言っていい。

 また、アントマンの能力も重要だ。人間大の物がアリのサイズまで一瞬で縮む。この能力ゆえ、格闘シーンは通常のそれよりトリッキーで立体的になっている。そして「手前にあった物が一瞬で消えてなくなり、またすぐ出てくる」といったシーンは、奥行きを感じる3Dとの相性が抜群だ。ここでもカーチェイスと同じく「揺れ」が活きてくる。今回のアントマンはサイズが5段階用意されており、この段階ごとに異なった「揺れ」が楽しめるのだ。一瞬で極小サイズに変身する際の鋭い衝撃波的な「揺れ」も、巨大化したアントマンが歩く度に引き起こすズシンズシンという鈍重な「揺れ」も楽しい。なお、ここまで書いた通りけっこう揺れる本作であるが、画面酔いが激しい筆者でも一切酔わなかった。そういう意味では4DX入門編としても良いかもしれない(もっとも、この辺は人によるので。心配な場合は車の酔い止めを飲むと良いかも)。

 繰り返すが、本作は2Dで観ても面白い映画である。ただ、あの立体感や臨場感は一度体験しておいても損はない。奥行きを最大限に利用した3D映画として観るにしても、「揺れる」という要素を楽しむ4DX映画として観るにしても、本作は打ってつけの一本だと言えるだろう。変幻自在のリズミカルな格闘シーンと、ミクロの世界で起きるスペクタクルを臨場感たっぷりの状態で体験してみてほしい。

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

■『アントマン&ワスプ』4DX上映劇場
※劇場により、対応している効果が異なる。
※上映劇場は変更となる場合あり。

【ユナイテッド・シネマ】(18劇場):http://www.unitedcinemas.jp/4dx/index.html
【シネマサンシャイン】(6劇場):http://www.cinemasunshine.co.jp/4dx/
【USシネマ】(5劇場):http://cinemax.co.jp/4dx/
【フォーラム那須塩原】:https://www.forum-movie.net/nasushiobara/
【109シネマズ】(8劇場):http://109cinemas.net/4dx/
【コロナシネマワールド】(8劇場):http://www.4dx.korona.co.jp/4dxbu/index.html
【イオンシネマ】(7劇場):http://www.aeoncinema.com/4dx/
【アースシネマズ姫路】:http://earthcinemas.jp/theaters/4dx

■公開情報
『アントマン&ワスプ』
全国公開中
監督:ペイトン・リード
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:ポール・ラッド、エヴァンジェリン・リリー、マイケル・ダグラス、マイケル・ペーニャ、ハナ・ジョン=カーメン、ローレンス・フィッシュバーン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2018
公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/antman-wasp.html

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