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新垣結衣&戸田恵梨香、『コード・ブルー』コンビが秋ドラマ主演作で見せる同級生対決!

リアルサウンド

18/10/25(木) 6:00

 今どき恋愛ドラマなんて当たらないし、新しい恋愛ドラマなんてそうそう出てこない。そんな空気がテレビ業界に蔓延していた2018年春、男同士の純愛という新基軸を打ち出した『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の熱狂はいまだ冷めやらず。明らかに風向きが変わりつつあるこのタイミングで、既に恋愛ドラマの第二波はやってきている。

参考:戸田恵梨香が語る、ムロツヨシと築く『大恋愛』のアプローチ 「2人の仲で大事なものを大切に」

 新垣結衣、松田龍平主演の『獣になれない私たち』(日本テレビ系)と、戸田恵梨香主演、ムロツヨシ共演の『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)、そして、有村架純主演の『中学聖日記』(TBS系)。ゴールデンタイムにストレートな恋愛ものが3作も並ぶのは2016年7月クール以来ではないだろうか。しかも、3作ともクオリティが高くて粒ぞろい。今回は、そんな3作から、新垣と戸田という同級生コンビの新しい挑戦に注目したい。

 新垣と戸田といえば『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ(フジテレビ系)で10年来、共演している仲。1stシーズンが放送された2008年の時点ではまだ20歳そこそこ。「顔や髪型が似ていて、どっちがどっちだかわからない」という感想も聞かれたが、他の作品でも主演クラスでキャリアを重ねた10年後の今、もはや2人を見間違える人なんていないだろう。共に1988年生まれで、朝ドラヒロインを経験しておらず、主に民放の連続ドラマに出演しながら存在感を発揮してきた。アラサー女性の共感を着実に得ている2人とも言える。

 『獣になれない私たち』は、ガッキーこと新垣結衣が脚本家・野木亜紀子と4度目に組んだ作品。前作、思考実験的なラブコメ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)がスマッシュヒットしただけに、その路線を期待した視聴者も多かったが、蓋を開けてみれば、ガッキー演じる晶は職場でワンマン社長にこき使われているわ、恋人・京谷(田中圭)の家には元カノ・朱里(黒木華)が住み着いているわで、公私共にかなりブラックな状況。その初期設定から事態はさらに悪化し、ただでさえ晶と朱里に挟まれている京谷が、第三のオンナ・呉羽(菊地凛子)とキスしてしまい、それを受けて晶も、呉羽の元恋人である会計士・恒星(松田龍平)と…? というドロドロの展開になってきた。このままではメインの5人が男女間では全パターンで関係したということにもなりかねない。今後も、手元にキャラクター相関図を用意し人物間の線にハートマークを書き込みながら、見守りたい。

 晶の立場は京谷の“彼女”で、不倫ものにおける“本妻”である。それは“夫”の立場である京谷も、“前妻”である朱里も認めている。しかし、京谷のマンションには朱里が居座っているので、いつまで経っても“夫”と暮らせない晶の方が“愛人”に見えてしまう場面もある。第3話では呉羽が京谷を「不倫しているようなもの」となじる場面もあった。もしかすると、このドラマは30代に入ったガッキーにそんな不倫ライクな役柄を演じさせ、大人の女性への脱皮を図った作品でもあるのかもしれない。

 第1話で晶は恒星から、「おキレイだけどウソっぽい、完璧な笑顔がキモい。人形みたいな女」と評されるが、まるでガッキーを否定的に見る人が抱くイメージのよう。これは脚本の野木との強い信頼関係があるからこそ、出せたセリフではないか。ということは、本作で“おキレイではない、生身の女性としての”ガッキーが見られるのではという期待も高まる。そう言えば、不実な京谷を責めることもしない晶は、いつになく“やさぐれた”感がある役どころ。後半、もはやピュアな愛なんて信じられないであろう晶が、どんな理由で誰をパートナーとして選ぶのか。または「男なんてどうでもいい」という境地に達するのか。いずれにせよ、ガッキーの新しい面が見られそうだ。

 一方、『大恋愛』の戸田恵梨香は、既に『書店員ミチルの身の上話』(NHK総合)で不倫する役を演じたことがある。『大恋愛』は『書店員ミチルの身の上話』を観て戸田の演技を絶賛していた大石静が脚本を描き、『セカンドバージン』(NHK総合)の大石らしい情熱的な恋のきらめくような刹那を描き出している。戸田が演じる尚は医師で、婚約者の侑市(松岡昌宏)も医師というセレブだったが、結婚式の日が迫る中、以前からファンだった貧乏作家の真司(ムロツヨシ)と出会い、運命の恋に落ちてしまう。同時に若年性アルツハイマーの兆候があることが判明し、婚約は破談に。晴れて真司と付き合うことになったが、病の進行に怯えることにも。大筋だけ見れば、韓国映画『私の頭の中の消しゴム』以来、繰り返し描かれてきた、愛する人と過ごした記憶が失われていくという悲恋ものなのだが、セリフが魅力的で心理描写が丁寧なので引き込む力が半端ない。こちらはハンカチを用意して王道のメロドラマに思う存分、涙したい。

 第1話で、漫画のポパイに出てくるオリーブのような女性が好みだと言った真司。そこですかさず「オリーブって細くて長くてあたしみたいなの? あたし、タイプなんだ?」と強気でずかずか聞けるヒロイン像はいかにも戸田らしい。逆に、ガッキーがこのセリフを言っても、似合わないだろう。尚は真司と寝ることを即決し、即行動に移すし、真司との恋が本物だと思ったらすぐに婚約者に「婚約破棄してください」と切り出す。「けもなれ」で会社も辞められず、はっきりしない彼氏とも別れられない晶とは対照的だ。

 戸田の新しい挑戦としては、出世作の映画『デスノート』シリーズから『SPEC』シリーズ(TBS系)まで、漫画・アニメ的な振り切ったキャラクターを演じていたイメージを一新し、それこそ朝ドラヒロインのように等身大の女性として視聴者の涙を誘う演技を見せられるか。演じる役柄も実年齢より上の34歳に設定されており、大人向けのラブストーリーを自分のフィールドにできるかということもこの『大恋愛』にかかっている。

 劇場版『コード・ブルー』のフライトドクター役がひと区切りついたとたん、恋愛ドラマの主役として新しいチャレンジをした新垣&戸田。この10月クールは各ドラマ賞の主演女優賞を争うぐらいの名勝負を期待したい。(小田慶子)

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